9 / 48
第1章 なんで私が追放なのよ!
第9話 勇者ざまぁ③国王から叱責される王子(勇者)
しおりを挟む
side 王子(勇者)ライエル
「で?言い訳を聞こう」
なんとかルーディア大陸に帰還した僕を呼びつけた父上は怒りの表情を浮かべて僕に聞いてきた。
言い訳なんかない。
今回は上手くいかなかったが、それはラーヴェとスーメリアが予想以上に使えなかったこと、持ち込んだ魔力回復薬の不足からだ。
「言い訳などありません。次は攻略を進めて見せます」
僕は言い切った。
僕は王子であり勇者だ。
この国の希望となるべき僕が後に引くことなどあってはならない。
「バカものが!!!」
「!?」
しかし、父上の怒りを一欠片も隠すことなく、玉座から立ち上がって叫んできた。
バカとはなんだよ。
僕は命をかけて魔族と戦っているんだぞ?それをバカとは。
いくら父上でも……
「余が何に怒っているのか分かっておらぬのか?」
再び玉座に腰を下ろした父上が問うてくるが、なににだって?
そんなことわかるもんか。
「わかっておらぬのだな……」
そして呆れたような目を向けてくる。
なんだよ。
「余の怒りは、せっかく公爵に婚約を申し出て、その見返りにお前のパーティーへ引き込んだエメリアをあろうことか追放したこと。それから余の許しなくエルフの王族をロデリグ大陸に勝手に連れて行って、しかも殺してしまったことだ!」
「なっ……」
なにを言い出すんだ父上は。
婚約の見返りに僕のパーティーに入れただと?
あんな役立たずを?
耄碌してしまったようだな……父上は。
「お言葉ですが父上。エメリアはロデリグ大陸では役に立ちません。あそこは精霊のいない魔の森に覆われた大地なのです」
僕たちが戦っていた場所について知りもせずによくそんなことが言えたな。
僕たちがどれほどの脅威に立ち向かっていたのかを。
そんな怒りを抱えながら、僕は説明する。
「そしてラーヴェは僕が殺したわけではありません。彼女は残念ながら強力な魔物の餌食となってしまった。これは悲しいことですが、僕が必ず敵を討って見せます」
明日死ぬのはスーメリアかもしれないし、僕かもしれないんだぞ?
命を懸けて戦うメンバーしか……戦えるメンバーしか連れていけないんだ。
「たわけ!!!」
「!?」
父上の怒声が響く。
父上は僕の怒りに気を留めていないようだが……いくら温厚な僕でもそろそろ怒るぞ?
あなたは僕のおかげで魔族から解放されたこの大陸で安全なイスに座って好きなことを言っているのだぞ?
「エメリア殿も貴様と同じタイミングで再びロデリグ大陸に赴き、貴様らのパーティーを壊滅させたアークウルフを倒したようだぞ?」
「なっ……」
なんだと?
アークウルフを倒しただと?エメリアが?
そんなはずはない。
あいつはロデリグ大陸で精霊術を使えないんだ。
「そして、ノーザント公爵からは政略結婚の見返りにパーティーに参加させたのに、一方的に追放されたことに関する抗議と、婚約解消と、慰謝料の請求がきておるわ!」
「くっ……」
あいつ……ふざけるなよ?
僕に捨てられたことを逆恨みして仕返しのつもりなのか。
仕返し……そうか嘘か。アークウルフを倒したなんて言う嘘までついて、僕を貶めようというのか。
「エメリアにアークウルフを倒せるわけがない!あいつはロデリグ大陸では精霊術を使えないんだ。どうやって倒したというのですか!?そもそもなぜロデリグ大陸にエメリアが渡っているのですか??父上は騙されているのです」
「たわけ!!!!!」
僕が真実を伝えようとしているにもかかわらず、それを一喝する父上。
なぜ僕の話を聞かない。
「エメリア殿はこのルーディア大陸からロデリグ大陸についてきてくれる精霊を探して連れて行ったそうだ」
「なっ……」
そんなこと、できるはずがない。
ラーヴェが言ったんだ。
人間の精霊術師ではいくら優秀なものでも精霊を大陸を越えて移動させることはできないと。
「しかも、貴様に追放される時にはすでに同行してもらう精霊は決まっていたそうだ。その話を聞かずに一方的に追放するとはどういうことだ!!!」
「くっ……」
あいつはそんなこと一度も言わなかった。
もしかして黙っていたのか?
僕へのあてつけのために……。
「そのエメリア殿は、貴様らとは逆にロデリグ大陸からこちらに渡ってきたラオべルグラッド王国の王族の要請を受け、私とノーザント公爵に了解を得た上でロデリグ大陸に渡り、攻略を開始してくれている」
「!?!?父上はそんなことを許されるのですか!!?」
「当たり前だバカ者!!我がバルグート王国とはもともと深いつながりを持つラオべルグラッド王国の復興支援にもなるのだからな!」
「くっ……」
ふざけるなよ?
魔族から大陸を解放した後は、全て僕の王国になるべきなんだぞ?
なのになぜ他の王国の支援なんかしなきゃならないんだ!
王女でも差し出したというのならまだしも……。
「それに貴様はエルフに何というつもりなのだ!」
「??」
エルフに?僕がなぜエルフに何か言わないといけないんだ?
「まさかそれもわからぬのか?」
父上がバカにしたような目で僕を見てくる。
やめろ。
僕は勇者だぞ?命を懸けて戦い、このルーディア大陸を解放した勇者なんだぞ?
「あのラーヴェというエルフはお前の言う通りエルフの王族だ。それをみすみす殺しておめおめと帰ってきたのだぞ?いまエルフたちはお前がラーヴェを囮にして逃げ帰ってきたと抗議してきておるわ!」
「!?!?」
なんだって!?僕がそんなことをするわけがないだろう!
悔しいけど僕たちにはあの狼の群れを倒す力があの時にはなくてラーヴェを喰われてしまった。
その悔しい気持ち、悲しい気持ちを押し隠してなんとか帰ってきたのに、そんなことを言うのか!
許せん。許せないぞ。
僕をばかにしやがって。
「お前はエメリアに謝罪してもう一度パーティーに戻るように頼め!ダメもとだがな。そして他にもメンバーを集め、体制を整えて再び攻略に赴け。くれぐれも愛人ばかりで固めるようなバカなことはするなよ。今回のことを反省しているのならな!」
「くっ……わかりました」
話が終わったとばかりに玉座を後にする父上。
僕は怒りを胸に抱えて次の攻略の準備に取り掛かった。
***
お読みいただきありがとうございます!
勇者様ざまぁ回開始です(笑)
もし面白いと思っていただけたらフォローや☆評価(☆☆☆→★★★)を頂けると作者が舞い上がります。よろしくお願いします!
なお、この物語は全24話で書き上げたものだったのですが、実は最後少し強引に終了させております。今回カクヨム様に投稿して、予想以上にフォローや評価をいただきまして、終盤を書き直すかどうか悩んでおります。
「で?言い訳を聞こう」
なんとかルーディア大陸に帰還した僕を呼びつけた父上は怒りの表情を浮かべて僕に聞いてきた。
言い訳なんかない。
今回は上手くいかなかったが、それはラーヴェとスーメリアが予想以上に使えなかったこと、持ち込んだ魔力回復薬の不足からだ。
「言い訳などありません。次は攻略を進めて見せます」
僕は言い切った。
僕は王子であり勇者だ。
この国の希望となるべき僕が後に引くことなどあってはならない。
「バカものが!!!」
「!?」
しかし、父上の怒りを一欠片も隠すことなく、玉座から立ち上がって叫んできた。
バカとはなんだよ。
僕は命をかけて魔族と戦っているんだぞ?それをバカとは。
いくら父上でも……
「余が何に怒っているのか分かっておらぬのか?」
再び玉座に腰を下ろした父上が問うてくるが、なににだって?
そんなことわかるもんか。
「わかっておらぬのだな……」
そして呆れたような目を向けてくる。
なんだよ。
「余の怒りは、せっかく公爵に婚約を申し出て、その見返りにお前のパーティーへ引き込んだエメリアをあろうことか追放したこと。それから余の許しなくエルフの王族をロデリグ大陸に勝手に連れて行って、しかも殺してしまったことだ!」
「なっ……」
なにを言い出すんだ父上は。
婚約の見返りに僕のパーティーに入れただと?
あんな役立たずを?
耄碌してしまったようだな……父上は。
「お言葉ですが父上。エメリアはロデリグ大陸では役に立ちません。あそこは精霊のいない魔の森に覆われた大地なのです」
僕たちが戦っていた場所について知りもせずによくそんなことが言えたな。
僕たちがどれほどの脅威に立ち向かっていたのかを。
そんな怒りを抱えながら、僕は説明する。
「そしてラーヴェは僕が殺したわけではありません。彼女は残念ながら強力な魔物の餌食となってしまった。これは悲しいことですが、僕が必ず敵を討って見せます」
明日死ぬのはスーメリアかもしれないし、僕かもしれないんだぞ?
命を懸けて戦うメンバーしか……戦えるメンバーしか連れていけないんだ。
「たわけ!!!」
「!?」
父上の怒声が響く。
父上は僕の怒りに気を留めていないようだが……いくら温厚な僕でもそろそろ怒るぞ?
あなたは僕のおかげで魔族から解放されたこの大陸で安全なイスに座って好きなことを言っているのだぞ?
「エメリア殿も貴様と同じタイミングで再びロデリグ大陸に赴き、貴様らのパーティーを壊滅させたアークウルフを倒したようだぞ?」
「なっ……」
なんだと?
アークウルフを倒しただと?エメリアが?
そんなはずはない。
あいつはロデリグ大陸で精霊術を使えないんだ。
「そして、ノーザント公爵からは政略結婚の見返りにパーティーに参加させたのに、一方的に追放されたことに関する抗議と、婚約解消と、慰謝料の請求がきておるわ!」
「くっ……」
あいつ……ふざけるなよ?
僕に捨てられたことを逆恨みして仕返しのつもりなのか。
仕返し……そうか嘘か。アークウルフを倒したなんて言う嘘までついて、僕を貶めようというのか。
「エメリアにアークウルフを倒せるわけがない!あいつはロデリグ大陸では精霊術を使えないんだ。どうやって倒したというのですか!?そもそもなぜロデリグ大陸にエメリアが渡っているのですか??父上は騙されているのです」
「たわけ!!!!!」
僕が真実を伝えようとしているにもかかわらず、それを一喝する父上。
なぜ僕の話を聞かない。
「エメリア殿はこのルーディア大陸からロデリグ大陸についてきてくれる精霊を探して連れて行ったそうだ」
「なっ……」
そんなこと、できるはずがない。
ラーヴェが言ったんだ。
人間の精霊術師ではいくら優秀なものでも精霊を大陸を越えて移動させることはできないと。
「しかも、貴様に追放される時にはすでに同行してもらう精霊は決まっていたそうだ。その話を聞かずに一方的に追放するとはどういうことだ!!!」
「くっ……」
あいつはそんなこと一度も言わなかった。
もしかして黙っていたのか?
僕へのあてつけのために……。
「そのエメリア殿は、貴様らとは逆にロデリグ大陸からこちらに渡ってきたラオべルグラッド王国の王族の要請を受け、私とノーザント公爵に了解を得た上でロデリグ大陸に渡り、攻略を開始してくれている」
「!?!?父上はそんなことを許されるのですか!!?」
「当たり前だバカ者!!我がバルグート王国とはもともと深いつながりを持つラオべルグラッド王国の復興支援にもなるのだからな!」
「くっ……」
ふざけるなよ?
魔族から大陸を解放した後は、全て僕の王国になるべきなんだぞ?
なのになぜ他の王国の支援なんかしなきゃならないんだ!
王女でも差し出したというのならまだしも……。
「それに貴様はエルフに何というつもりなのだ!」
「??」
エルフに?僕がなぜエルフに何か言わないといけないんだ?
「まさかそれもわからぬのか?」
父上がバカにしたような目で僕を見てくる。
やめろ。
僕は勇者だぞ?命を懸けて戦い、このルーディア大陸を解放した勇者なんだぞ?
「あのラーヴェというエルフはお前の言う通りエルフの王族だ。それをみすみす殺しておめおめと帰ってきたのだぞ?いまエルフたちはお前がラーヴェを囮にして逃げ帰ってきたと抗議してきておるわ!」
「!?!?」
なんだって!?僕がそんなことをするわけがないだろう!
悔しいけど僕たちにはあの狼の群れを倒す力があの時にはなくてラーヴェを喰われてしまった。
その悔しい気持ち、悲しい気持ちを押し隠してなんとか帰ってきたのに、そんなことを言うのか!
許せん。許せないぞ。
僕をばかにしやがって。
「お前はエメリアに謝罪してもう一度パーティーに戻るように頼め!ダメもとだがな。そして他にもメンバーを集め、体制を整えて再び攻略に赴け。くれぐれも愛人ばかりで固めるようなバカなことはするなよ。今回のことを反省しているのならな!」
「くっ……わかりました」
話が終わったとばかりに玉座を後にする父上。
僕は怒りを胸に抱えて次の攻略の準備に取り掛かった。
***
お読みいただきありがとうございます!
勇者様ざまぁ回開始です(笑)
もし面白いと思っていただけたらフォローや☆評価(☆☆☆→★★★)を頂けると作者が舞い上がります。よろしくお願いします!
なお、この物語は全24話で書き上げたものだったのですが、実は最後少し強引に終了させております。今回カクヨム様に投稿して、予想以上にフォローや評価をいただきまして、終盤を書き直すかどうか悩んでおります。
720
お気に入りに追加
1,336
あなたにおすすめの小説

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
乙女ゲームの世界だと、いつから思い込んでいた?
シナココ
ファンタジー
母親違いの妹をいじめたというふわふわした冤罪で婚約破棄された上に、最北の辺境地に流された公爵令嬢ハイデマリー。勝ち誇る妹・ゲルダは転生者。この世界のヒロインだと豪語し、王太子妃に成り上がる。乙女ゲームのハッピーエンドの確定だ。
……乙女ゲームが終わったら、戦争ストラテジーゲームが始まるのだ。
どうも、死んだはずの悪役令嬢です。
西藤島 みや
ファンタジー
ある夏の夜。公爵令嬢のアシュレイは王宮殿の舞踏会で、婚約者のルディ皇子にいつも通り罵声を浴びせられていた。
皇子の罵声のせいで、男にだらしなく浪費家と思われて王宮殿の使用人どころか通っている学園でも遠巻きにされているアシュレイ。
アシュレイの誕生日だというのに、エスコートすら放棄して、皇子づきのメイドのミュシャに気を遣うよう求めてくる皇子と取り巻き達に、呆れるばかり。
「幼馴染みだかなんだかしらないけれど、もう限界だわ。あの人達に罰があたればいいのに」
こっそり呟いた瞬間、
《願いを聞き届けてあげるよ!》
何故か全くの別人になってしまっていたアシュレイ。目の前で、アシュレイが倒れて意識不明になるのを見ることになる。
「よくも、義妹にこんなことを!皇子、婚約はなかったことにしてもらいます!」
義父と義兄はアシュレイが状況を理解する前に、アシュレイの体を持ち去ってしまう。
今までミュシャを崇めてアシュレイを冷遇してきた取り巻き達は、次々と不幸に巻き込まれてゆき…ついには、ミュシャや皇子まで…
ひたすら一人づつざまあされていくのを、呆然と見守ることになってしまった公爵令嬢と、怒り心頭の義父と義兄の物語。
はたしてアシュレイは元に戻れるのか?
剣と魔法と妖精の住む世界の、まあまあよくあるざまあメインの物語です。
ざまあが書きたかった。それだけです。
婚約破棄されましたが、帝国皇女なので元婚約者は投獄します
けんゆう
ファンタジー
「お前のような下級貴族の養女など、もう不要だ!」
五年間、婚約者として尽くしてきたフィリップに、冷たく告げられたソフィア。
他の貴族たちからも嘲笑と罵倒を浴び、社交界から追放されかける。
だが、彼らは知らなかった――。
ソフィアは、ただの下級貴族の養女ではない。
そんな彼女の元に届いたのは、隣国からお兄様が、貿易利権を手土産にやってくる知らせ。
「フィリップ様、あなたが何を捨てたのかーー思い知らせて差し上げますわ!」
逆襲を決意し、華麗に着飾ってパーティーに乗り込んだソフィア。
「妹を侮辱しただと? 極刑にすべきはお前たちだ!」
ブチギレるお兄様。
貴族たちは青ざめ、王国は崩壊寸前!?
「ざまぁ」どころか 国家存亡の危機 に!?
果たしてソフィアはお兄様の暴走を止め、自由な未来を手に入れられるか?
「私の未来は、私が決めます!」
皇女の誇りをかけた逆転劇、ここに開幕!
記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした
結城芙由奈@コミカライズ発売中
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。
実家から絶縁されたので好きに生きたいと思います
榎夜
ファンタジー
婚約者が妹に奪われた挙句、家から絶縁されました。
なので、これからは自分自身の為に生きてもいいですよね?
【ご報告】
書籍化のお話を頂きまして、31日で非公開とさせていただきますm(_ _)m
発売日等は現在調整中です。
政略より愛を選んだ結婚。~後悔は十年後にやってきた。~
つくも茄子
恋愛
幼い頃からの婚約者であった侯爵令嬢との婚約を解消して、学生時代からの恋人と結婚した王太子殿下。
政略よりも愛を選んだ生活は思っていたのとは違っていた。「お幸せに」と微笑んだ元婚約者。結婚によって去っていた側近達。愛する妻の妃教育がままならない中での出産。世継ぎの王子の誕生を望んだものの産まれたのは王女だった。妻に瓜二つの娘は可愛い。無邪気な娘は欲望のままに動く。断罪の時、全てが明らかになった。王太子の思い描いていた未来は元から無かったものだった。後悔は続く。どこから間違っていたのか。
他サイトにも公開中。
だから聖女はいなくなった
澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
「聖女ラティアーナよ。君との婚約を破棄することをここに宣言する」
レオンクル王国の王太子であるキンバリーが婚約破棄を告げた相手は聖女ラティアーナである。
彼女はその婚約破棄を黙って受け入れた。さらに彼女は、新たにキンバリーと婚約したアイニスに聖女の証である首飾りを手渡すと姿を消した。
だが、ラティアーナがいなくなってから彼女のありがたみに気づいたキンバリーだが、すでにその姿はどこにもない。
キンバリーの弟であるサディアスが、兄のためにもラティアーナを探し始める。だが、彼女を探していくうちに、なぜ彼女がキンバリーとの婚約破棄を受け入れ、聖女という地位を退いたのかの理由を知る――。
※7万字程度の中編です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる