26 / 46
第26話 お互いを尊重する妻と息子を見て、息子の成長を感じた件(父ハミル・エルダーウィズ視点)
しおりを挟む
□エルダーウィズ公爵家にて (ハミル・エルダーウィズ)
ようやく帰って来た王都。
ようやくたどり着いた我が家。
ある時、息子であるクラムが神妙な顔をしてやってきた。
どうしたんだろう。
この子は昔から大人びた子で、あまり親に頼ることがない。
むしろ僕たちが彼に頼るような関係だ。
そんな彼が『折り入って相談があって』みたいな顔でやって来たから、僕は思わず逃げそうになったが、用件も聞かずに逃げるわけにもいかず、食事の間で彼と向き合った。
どんな頼みごとがくる?
もしかして僕が仕事で何かミスをしていたとか?
それとも自分は公爵領を継ぐ気はありませんとか?
それとも彼も大きくなったし、お母さんのことを教えて欲しいとか?
もしそうなら全て語るつもりだ。
クラムの母であるシェリルは僕の護衛騎士だった。
そして僕の正妻であり、ロイドの母であるミトラの護衛騎士だった。
つまり僕は部下に手を出した最低野郎……というのは家族で折り合いをつけているから勘弁してほしい。
しかし彼女はまだクラムが幼い頃、ミトラとロイドを守って亡くなった。
モンスターに襲われたんだ。
ミトラとロイドが森に行くのを許したのは僕だ。
申し訳ない。
王都周辺ではそんなに強いモンスターが出ることはまずない。
だから、美しいロック鳥が出たという噂を聞いて見てみたいというロイドの頼みを聞いてやった。聞いてやってしまった。
結果、シェリルが死に、クラムは1人になった。
最悪の結果だった。
シェリルはクラムを産んだにもかかわらず騎士の仕事を続けていた。
自分は平民の出だから、いずれ金を貯め、クラムを連れて家を出ると言い続けていた。
ミトラとロイドに気を使い続けていた。
ミトラはそれを気にしていた。
もともとミトラはシェリルを頼りにしていたし、シェリルはミトラを守り続けていた。
2人とも僕の妻になってからもずっと。
だからミトラはクラムのことも生まれた時から可愛がり、自らの子として扱っていた。
普通、正妻よりも前に側室が男の子を生んでしまったらお家騒動の種になってしまうが、とある事情によりシェリルの男児出産はむしろ我が一族に歓迎され、結果としてとても優秀なクラムを得た。
シェリルからすると、どうしていいのか分からなくなっただろう。
呪いで朽ち果てる可能性があった子供。
しかしクラムは耐えて生き延びた。
その結果、次代はクラムになるだろう。
傍から見れば賭けに勝ったと言える。
ミトラは全て理解している。
もしロイドが先であれば、今の状況を見ればロイドは2歳になる前には死に、結局シェリルの子が次代の当主になっていただろう。
ミトラは僕にかかった呪いを織り込み済みで嫁いできた。
躊躇したのはミトラの父であり、彼の命令でシェリルも僕に嫁いだ。
まるで道具のように使われてしまった2人。
結果的にはクラムのおかげで僕らは誰も失うことなく、生き続けられた。
しかし、周囲の視線はシェリルを蝕んだ。
そしてロイドもそうだったんだろう。残念ながら……。僕はまたやってしまったということだ。
ロイドはミトラの気持ちを知らず、過去に起こった悲劇についても知らずに大きくなり、クラムとぶつかるようになった。
『平民の子が公爵になれると思うなよ? いつか俺が引きずり降ろしてやる』とか言った。
唖然とした。
ロイドはミトラに強力な張り手を喰らって伸びていたし、ミトラはその後クラムに謝り続けていた。
エフィを貰ったのはとてもありがたかった。エフィは良い子だった。暗くなりかけた我が家を明るくしてくれた子だ。
何代前の祖先の妹だか、書類を見ないと正確に言えないくらいだが、その"魔女"の娘。
魔女が高齢で亡くなったため、実家であるエルダーウィズ公爵家にやってきた。
シェリルが亡くなった次の年だった。
クラムはエフィをビックリするくらい可愛がり、エフィも懐いた。
ロイドも一旦落ち着いた。
それを見て僕は安心していた。
しかしそれが間違いだったんだろう。
まさかエフィが王家に婚約破棄されるとは。
それをロイドが恥さらしなどと評すとは。
呼び戻してくれればよかったのにと思ったが、エフィを責める可能性があったから呼ばなかったと言われて落ち込んだ。
まさにその通りだ。王家から婚約破棄されたエフィが落ち込んでいることなんか考えずに、自分の頭に浮かんだことを口に出してしまう自分が容易に想像できる。
僕はダメな親だ。
すまない。
その辺りの支援は全てクラムがやったらしい。
お陰でエフィは元気に生きている。
クラムもいる。
クラムは数年前に僕のことを覗いたという"人物史"の結果を教えてくれた。
<娘であるエフィがギード王子から婚約破棄される>
<衝撃からエフィに思い当たることはないのか、何かしてしまったのではないかと自省を求める発言をし、エフィが家出した>
<家出したエフィは悪霊に喰われて死亡した>
<一連の事件によってクラムが家督継承を放棄し、行方不明となる>
<ギード王子は隣国に戦争を仕掛け、先鋒を任されたロイドは死亡する>
<子供全員に先立たれたミトラが自殺する>
<王国を立て直すためという理由で嵌められ、ハミルは処刑され、魔石鉱山は王国に接収される>
あんまりな内容に、共に聞いたミトラと一緒に愕然とした。
"人物史"の内容はあくまでもその時点での未来だ。
行動によって変えられることは"魔女"から聞いていた。
クラムは1人でこれを抱え、変革を試みて成功させたということだ。
1人で抱えさせるほど、僕には信用がなかった。
それも仕方ない。
状況にただ流され、無難な選択やただその場を濁すだけの選択を繰り返したのは僕だ。
シェリルのことも、ロイドのことも。それ以外にもたくさん。
「もし王都に私たちが残っていたら、どうなっていたの? 少なくともエフィの家出をあなたが防ぐつもりだったのでしょう?」
「見たいですか?」
正直、見たくない。怖い。
でもミトラはロイドを失った。納得のために、聞きたかったのかもしれない。そんな思いをクラムにぶつけることは、本来許されない。しかし聞いた。
<娘であるエフィがギード王子から婚約破棄される>
<エフィとの婚約破棄について、王家に賠償を求めるが、無視される>
<怒りに駆られて王子に口論を挑み、国王の前で論破する>
<ロイドは王子の側近から外されることになるが、父親の失態を挽回すれば許されると騙され、悪事に手を染めることになる>
<ギード王子の資質を疑問視した国王が王太子を解こうとするが、オルフェに手を出されて怒った王子はロイドに国王を殺させ、ロイドを現行犯として処刑する>
<巨大な力が復活を遂げ、ハミルは巻き込まれて死ぬ>
酷いものだった。
僕らを王都から隔離するだけでこれが防げることがわかったので、実行したと言われて反論が出てこない。
ミトラは不躾に聞いたことを謝罪した。
「クラム殿、方々に気を使った立ち回りに感謝する。また、私たちを助けてくれてありがとう」
ミトラは想いを表には出さず、クラムに礼を述べる。
執事長から聞いた実際起こったこととそれに対する処置について報告を受けたが、その内容は完璧なものだった。
文句のつけようがない立ち回りだった。
僕にはここまで理路整然と動くことはできない。
知らない間に大人になって、知らない間にめちゃくちゃ仕事ができる子になっていた。
そして命を救われた。魔狼の危険から家族を守ってくれた。
なんて素晴らしい。僕にはもったいない子だ。
クラムは可能な限り僕たちを安全圏に置いてくれていたんだ。
ロイドだけは、その庇護を拒否したんだろう。残念だがどうしようもない。全て僕自身のせいだ。
ようやく帰って来た王都。
ようやくたどり着いた我が家。
ある時、息子であるクラムが神妙な顔をしてやってきた。
どうしたんだろう。
この子は昔から大人びた子で、あまり親に頼ることがない。
むしろ僕たちが彼に頼るような関係だ。
そんな彼が『折り入って相談があって』みたいな顔でやって来たから、僕は思わず逃げそうになったが、用件も聞かずに逃げるわけにもいかず、食事の間で彼と向き合った。
どんな頼みごとがくる?
もしかして僕が仕事で何かミスをしていたとか?
それとも自分は公爵領を継ぐ気はありませんとか?
それとも彼も大きくなったし、お母さんのことを教えて欲しいとか?
もしそうなら全て語るつもりだ。
クラムの母であるシェリルは僕の護衛騎士だった。
そして僕の正妻であり、ロイドの母であるミトラの護衛騎士だった。
つまり僕は部下に手を出した最低野郎……というのは家族で折り合いをつけているから勘弁してほしい。
しかし彼女はまだクラムが幼い頃、ミトラとロイドを守って亡くなった。
モンスターに襲われたんだ。
ミトラとロイドが森に行くのを許したのは僕だ。
申し訳ない。
王都周辺ではそんなに強いモンスターが出ることはまずない。
だから、美しいロック鳥が出たという噂を聞いて見てみたいというロイドの頼みを聞いてやった。聞いてやってしまった。
結果、シェリルが死に、クラムは1人になった。
最悪の結果だった。
シェリルはクラムを産んだにもかかわらず騎士の仕事を続けていた。
自分は平民の出だから、いずれ金を貯め、クラムを連れて家を出ると言い続けていた。
ミトラとロイドに気を使い続けていた。
ミトラはそれを気にしていた。
もともとミトラはシェリルを頼りにしていたし、シェリルはミトラを守り続けていた。
2人とも僕の妻になってからもずっと。
だからミトラはクラムのことも生まれた時から可愛がり、自らの子として扱っていた。
普通、正妻よりも前に側室が男の子を生んでしまったらお家騒動の種になってしまうが、とある事情によりシェリルの男児出産はむしろ我が一族に歓迎され、結果としてとても優秀なクラムを得た。
シェリルからすると、どうしていいのか分からなくなっただろう。
呪いで朽ち果てる可能性があった子供。
しかしクラムは耐えて生き延びた。
その結果、次代はクラムになるだろう。
傍から見れば賭けに勝ったと言える。
ミトラは全て理解している。
もしロイドが先であれば、今の状況を見ればロイドは2歳になる前には死に、結局シェリルの子が次代の当主になっていただろう。
ミトラは僕にかかった呪いを織り込み済みで嫁いできた。
躊躇したのはミトラの父であり、彼の命令でシェリルも僕に嫁いだ。
まるで道具のように使われてしまった2人。
結果的にはクラムのおかげで僕らは誰も失うことなく、生き続けられた。
しかし、周囲の視線はシェリルを蝕んだ。
そしてロイドもそうだったんだろう。残念ながら……。僕はまたやってしまったということだ。
ロイドはミトラの気持ちを知らず、過去に起こった悲劇についても知らずに大きくなり、クラムとぶつかるようになった。
『平民の子が公爵になれると思うなよ? いつか俺が引きずり降ろしてやる』とか言った。
唖然とした。
ロイドはミトラに強力な張り手を喰らって伸びていたし、ミトラはその後クラムに謝り続けていた。
エフィを貰ったのはとてもありがたかった。エフィは良い子だった。暗くなりかけた我が家を明るくしてくれた子だ。
何代前の祖先の妹だか、書類を見ないと正確に言えないくらいだが、その"魔女"の娘。
魔女が高齢で亡くなったため、実家であるエルダーウィズ公爵家にやってきた。
シェリルが亡くなった次の年だった。
クラムはエフィをビックリするくらい可愛がり、エフィも懐いた。
ロイドも一旦落ち着いた。
それを見て僕は安心していた。
しかしそれが間違いだったんだろう。
まさかエフィが王家に婚約破棄されるとは。
それをロイドが恥さらしなどと評すとは。
呼び戻してくれればよかったのにと思ったが、エフィを責める可能性があったから呼ばなかったと言われて落ち込んだ。
まさにその通りだ。王家から婚約破棄されたエフィが落ち込んでいることなんか考えずに、自分の頭に浮かんだことを口に出してしまう自分が容易に想像できる。
僕はダメな親だ。
すまない。
その辺りの支援は全てクラムがやったらしい。
お陰でエフィは元気に生きている。
クラムもいる。
クラムは数年前に僕のことを覗いたという"人物史"の結果を教えてくれた。
<娘であるエフィがギード王子から婚約破棄される>
<衝撃からエフィに思い当たることはないのか、何かしてしまったのではないかと自省を求める発言をし、エフィが家出した>
<家出したエフィは悪霊に喰われて死亡した>
<一連の事件によってクラムが家督継承を放棄し、行方不明となる>
<ギード王子は隣国に戦争を仕掛け、先鋒を任されたロイドは死亡する>
<子供全員に先立たれたミトラが自殺する>
<王国を立て直すためという理由で嵌められ、ハミルは処刑され、魔石鉱山は王国に接収される>
あんまりな内容に、共に聞いたミトラと一緒に愕然とした。
"人物史"の内容はあくまでもその時点での未来だ。
行動によって変えられることは"魔女"から聞いていた。
クラムは1人でこれを抱え、変革を試みて成功させたということだ。
1人で抱えさせるほど、僕には信用がなかった。
それも仕方ない。
状況にただ流され、無難な選択やただその場を濁すだけの選択を繰り返したのは僕だ。
シェリルのことも、ロイドのことも。それ以外にもたくさん。
「もし王都に私たちが残っていたら、どうなっていたの? 少なくともエフィの家出をあなたが防ぐつもりだったのでしょう?」
「見たいですか?」
正直、見たくない。怖い。
でもミトラはロイドを失った。納得のために、聞きたかったのかもしれない。そんな思いをクラムにぶつけることは、本来許されない。しかし聞いた。
<娘であるエフィがギード王子から婚約破棄される>
<エフィとの婚約破棄について、王家に賠償を求めるが、無視される>
<怒りに駆られて王子に口論を挑み、国王の前で論破する>
<ロイドは王子の側近から外されることになるが、父親の失態を挽回すれば許されると騙され、悪事に手を染めることになる>
<ギード王子の資質を疑問視した国王が王太子を解こうとするが、オルフェに手を出されて怒った王子はロイドに国王を殺させ、ロイドを現行犯として処刑する>
<巨大な力が復活を遂げ、ハミルは巻き込まれて死ぬ>
酷いものだった。
僕らを王都から隔離するだけでこれが防げることがわかったので、実行したと言われて反論が出てこない。
ミトラは不躾に聞いたことを謝罪した。
「クラム殿、方々に気を使った立ち回りに感謝する。また、私たちを助けてくれてありがとう」
ミトラは想いを表には出さず、クラムに礼を述べる。
執事長から聞いた実際起こったこととそれに対する処置について報告を受けたが、その内容は完璧なものだった。
文句のつけようがない立ち回りだった。
僕にはここまで理路整然と動くことはできない。
知らない間に大人になって、知らない間にめちゃくちゃ仕事ができる子になっていた。
そして命を救われた。魔狼の危険から家族を守ってくれた。
なんて素晴らしい。僕にはもったいない子だ。
クラムは可能な限り僕たちを安全圏に置いてくれていたんだ。
ロイドだけは、その庇護を拒否したんだろう。残念だがどうしようもない。全て僕自身のせいだ。
188
お気に入りに追加
439
あなたにおすすめの小説
だから聖女はいなくなった
澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
「聖女ラティアーナよ。君との婚約を破棄することをここに宣言する」
レオンクル王国の王太子であるキンバリーが婚約破棄を告げた相手は聖女ラティアーナである。
彼女はその婚約破棄を黙って受け入れた。さらに彼女は、新たにキンバリーと婚約したアイニスに聖女の証である首飾りを手渡すと姿を消した。
だが、ラティアーナがいなくなってから彼女のありがたみに気づいたキンバリーだが、すでにその姿はどこにもない。
キンバリーの弟であるサディアスが、兄のためにもラティアーナを探し始める。だが、彼女を探していくうちに、なぜ彼女がキンバリーとの婚約破棄を受け入れ、聖女という地位を退いたのかの理由を知る――。
※7万字程度の中編です。

【完結】不協和音を奏で続ける二人の関係
つくも茄子
ファンタジー
留学から戻られた王太子からの突然の婚約破棄宣言をされた公爵令嬢。王太子は婚約者の悪事を告発する始末。賄賂?不正?一体何のことなのか周囲も理解できずに途方にくれる。冤罪だと静かに諭す公爵令嬢と激昂する王太子。相反する二人の仲は実は出会った当初からのものだった。王弟を父に帝国皇女を母に持つ血統書付きの公爵令嬢と成り上がりの側妃を母に持つ王太子。貴族然とした計算高く浪費家の婚約者と嫌悪する王太子は公爵令嬢の価値を理解できなかった。それは八年前も今も同じ。二人は互いに理解できない。何故そうなってしまったのか。婚約が白紙となった時、どのような結末がまっているのかは誰にも分からない。

元カレの今カノは聖女様
abang
恋愛
「イブリア……私と別れて欲しい」
公爵令嬢 イブリア・バロウズは聖女と王太子の愛を妨げる悪女で社交界の嫌われ者。
婚約者である王太子 ルシアン・ランベールの関心は、品行方正、心優しく美人で慈悲深い聖女、セリエ・ジェスランに奪われ王太子ルシアンはついにイブリアに別れを切り出す。
極め付けには、王妃から嫉妬に狂うただの公爵令嬢よりも、聖女が婚約者に適任だと「ルシアンと別れて頂戴」と多額の手切れ金。
社交会では嫉妬に狂った憐れな令嬢に"仕立てあげられ"周りの人間はどんどんと距離を取っていくばかり。
けれども当の本人は…
「悲しいけれど、過ぎればもう過去のことよ」
と、噂とは違いあっさりとした様子のイブリア。
それどころか自由を謳歌する彼女はとても楽しげな様子。
そんなイブリアの態度がルシアンは何故か気に入らない様子で…
更には婚約破棄されたイブリアの婚約者の座を狙う王太子の側近達。
「私をあんなにも嫌っていた、聖女様の取り巻き達が一体私に何の用事があって絡むの!?嫌がらせかしら……!」
毒を盛られて生死を彷徨い前世の記憶を取り戻しました。小説の悪役令嬢などやってられません。
克全
ファンタジー
公爵令嬢エマは、アバコーン王国の王太子チャーリーの婚約者だった。だがステュワート教団の孤児院で性技を仕込まれたイザベラに籠絡されていた。王太子達に無実の罪をなすりつけられエマは、修道院に送られた。王太子達は執拗で、本来なら侯爵一族とは認められない妾腹の叔父を操り、父親と母嫌を殺させ公爵家を乗っ取ってしまった。母の父親であるブラウン侯爵が最後まで護ろうとしてくれるも、王国とステュワート教団が協力し、イザベラが直接新種の空気感染する毒薬まで使った事で、毒殺されそうになった。だがこれをきっかけに、異世界で暴漢に腹を刺された女性、美咲の魂が憑依同居する事になった。その女性の話しでは、自分の住んでいる世界の話が、異世界では小説になって多くの人が知っているという。エマと美咲は協力して王国と教団に復讐する事にした。
婚約破棄されましたが、帝国皇女なので元婚約者は投獄します
けんゆう
ファンタジー
「お前のような下級貴族の養女など、もう不要だ!」
五年間、婚約者として尽くしてきたフィリップに、冷たく告げられたソフィア。
他の貴族たちからも嘲笑と罵倒を浴び、社交界から追放されかける。
だが、彼らは知らなかった――。
ソフィアは、ただの下級貴族の養女ではない。
そんな彼女の元に届いたのは、隣国からお兄様が、貿易利権を手土産にやってくる知らせ。
「フィリップ様、あなたが何を捨てたのかーー思い知らせて差し上げますわ!」
逆襲を決意し、華麗に着飾ってパーティーに乗り込んだソフィア。
「妹を侮辱しただと? 極刑にすべきはお前たちだ!」
ブチギレるお兄様。
貴族たちは青ざめ、王国は崩壊寸前!?
「ざまぁ」どころか 国家存亡の危機 に!?
果たしてソフィアはお兄様の暴走を止め、自由な未来を手に入れられるか?
「私の未来は、私が決めます!」
皇女の誇りをかけた逆転劇、ここに開幕!

理不尽な理由で婚約者から断罪されることを知ったので、ささやかな抵抗をしてみた結果……。
水上
恋愛
バーンズ学園に通う伯爵令嬢である私、マリア・マクベインはある日、とあるトラブルに巻き込まれた。
その際、婚約者である伯爵令息スティーヴ・バークが、理不尽な理由で私のことを断罪するつもりだということを知った。
そこで、ささやかな抵抗をすることにしたのだけれど、その結果……。

前世のことも好きな人を想うことも諦めて、母を恋しがる王女の世話係となって、彼女を救いたかっただけなのに運命は皮肉ですね
珠宮さくら
恋愛
新しい試みで創られた世界で、何度も生まれているとは知らず、双子の片割れとして生まれた女性がいた。
自分だけが幸せになろうとした片割れによって、殺されそうになったが、それで死ぬことはなかったが、それによって記憶があやふやになってしまい、記憶が戻ることなく人生を終えたと思ったら、別の世界に転生していた。
伯爵家の長女に生まれ変わったファティマ・ルルーシュは、前世のことを覚えていて、毎年のように弟妹が増えていく中で、あてにできない両親の代わりをしていたが、それで上手くいっていたのも、1つ下の弟のおかげが大きかった。
子供たちの世話すらしないくせにある日、ファティマを養子に出すことに決めたと両親に言われてしまい……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる