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第一章

第37話 神々の戦い

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「天駆ける一筋の斬光!」

 グギャアァアアアアア!

 本当にいいのかな?と思いながら振るった俺の剣から放たれる凄まじい斬撃が音を置き去りにして次元竜を切り裂く。
 光神様に開放してもらったこのスキル強すぎないでしょうか?
 魔力もけっこう使ったけども……。

 光神 :うむ。なかなかの威力だのぅ。
 ???:光神さまが解放してあげたスキルか!って強すぎね?
 遊神 :ボクもそう思った。本当にアナトはどうなってるんだろうか?あんなスキル普通、覚えるものかな?
 冥神 :(……)
 光神 :予想はできなくもないが、検証はできんし、今はあの人間がもともと凄かったということで見守るしかないのぅ。愛神が魔力系のスキルを解放したようだしのぅ。

 
 愛神様が解放してくれたのは無限魔力……一生魔力に困ることはないっぽいから魔道具に魔力を供給する仕事をしたら喜ばれそうだな。
 これのおかげでいくらでも攻撃が放てそうだ。

「スターバースト!」

 グゴォアォアォアアアアア!

 隕石みたいなのが次元竜の頭に降ってきて当たると同時に爆発した……。
 強烈~。誰がくれたのかわからんけども……。
 次元竜がよろめいている。

 ???:おぉ~すげぇ~!!!
 遊神 :!?


「アルティメット・ヴェルバーン!」

 ゴアアァァアアアアア!

 発射された凄まじい光の塊が次元竜を飲み込んでいく。
 あっ、次元竜の翼が消し飛んだ。

 ???:あれ……光神様の一撃と言われても信じるんだけど……。
 遊神 :なんか強すぎないか???
 
 

「ディメンション・ゼロ!」

 ゲブァアァァアアア!

 突然なにかが次元竜がいた場所を押しつぶした……。
 錯覚か?でも、ぼろぼろになりつつまだしっかり立っていた次元竜がたじろいでいる。

 ???:すごっ……。
 遊神 :どう考えてもおかしい……強すぎるよ!

 
「ワールドエンド・カタストロフィー 」
 
 ……。

 えっ?
 次元竜の首が落ちた……。

 ???:やっば。
 ???:強すぎる~アナト強すぎる~~~
 遊神 :いやいやいやいや!ないから!あんな強大なのを瞬殺とかないから!

 俺もそう思う。
 なんで俺はこんなスキルを覚えているんだ?
 
 
 火神 :あっ……。
 ???:火神様なになになになに!?
 火神 :あの称号は……もしかして"コレクター"か……。
 遊神 :なんですかそれ?
 火神 :経験を積むごとにどんどん制約なくスキルを覚えていく称号だな。擬態されているから恐らく、だが。
 遊神 :それはどうやったら得られるスキルなんですか?
 火神 :……。


 そんなこんなで俺の戦いは終わった。
 びっくりするくらいあっさりと。
 
 神様達からスキルを解放してもらいながら戦っているときに聞こえた"コレクター"というのは気になるが、とりあえず、

 完勝だ。
 


 ???:ひゃっほう!!!!!
 ???:すげ~ぜアナト!!!
 ???:どれだけスキルを持ってるんだよあの人間は。

 それは確かに。
 全部もともと覚えてたとは思えないくらい強力すぎる。

 しかも、全然まだ使いきってないし。


 
 そこへ爆弾が……。
 
 遊神 :アナト、めちゃくちゃ強くなったけど……人間やめちゃったの?(涙)

 えっ?

 ???:えっ?
 愛神 :えっ?
 闇神 :えっ?
 光神 :えっ?
 冥神 :えっ?


 どういうこと?
 俺はなにになったの?
 あと何で偉そうな神様達が驚いてるの?

 火神 :人間をやめたわけではないと思うぞ?今見たが、やはり"コレクター"だな。幼い時にでも植え付けられたのだろう。誰がやったのか知らないが……
 冥神 :(こっそりこっそり)
 遊神 :冥神さまはどこへ行くのかな?(怒)

 
 どういうことだろうか。
 俺の称号欄には昔から読めないスキルが載っているがそれがなにか?
 

 戯神 :強い……ステキ……
 ???:えぇ~~~~!!!
 遊神 :それはそうなんだけどさ!
 ???:のぉぉおおおぉぉぉおおおおおおお!!!!!!

 
 えっ?戯神様?
 ステキなんて照れるな~。
 そして叫んでるのは誰だ?

 遊神 :アホアナト!!もうっ!!!(怒)
 
 
 うわっ、ごめん!
 俺の心の声が神様達に聞かれてるのか?
 マジで?
 
 冥神 :ここで説明しよう。
 ???:うぉ?なんだ?
 冥神 :まさかの神界の端っこにおける戦いで神々との交信が可能になった魔法戦士アナト!彼は神々の欲望を満たすために際限なく強化され、人を超える力を持ってしまった。果たして彼は戯神に開放してもらって無事に帰ることができるのか?うぉっ、ぐ……ぎ……。
 ???:冥神様って懲りないよね。
 ???:ねぇ~。あんな言い方したら戯神様が怒るのなんてわかるよねそろそろ。
 ???:もう3回目じゃないか?美人に首を絞められるクソおやじの図……。

 それは見たくない。
 そして俺は魔法戦士ではなく魔法剣士だ。一応ね……。

 なんか物凄いプレッシャーを受けた気がするから俺はあわててミルティアを探すが、どこかへ行ってしまっていた。
 さっきから聞こえる声はミルティアだよな?
 そういえばあいつ化身なんだっけ?ってことはこの遊神って書いてるのは本体か?

 遊神 :はは、そうだよ、アナト。もう化身は戻したから、ボクはボクだけどね。
 
 そうだったのか。
 なんというか、え~と、今までありがとな。

 遊神 :アナト……。
 戯神 :アナト……神の域に至った……

 ミルティアはなんで寂しそうなんだ?
 あと戯神様、今それを言いますか……?

 ???:まぁなんだ。その、元気出せよ。
 ???:そうそう。神様も悪くないぜ?
 ???:暇で退屈だけどな~

 
 えっ?人間やめたら神様になるの?
 強すぎるっていうのはどうにか隠せばいいんじゃないのか?
 そういう話じゃない??っていうか、あのスキル本とか言うので解放して貰ったスキルをもう一度封印するとか……。
 憧れのエターナルブレイクだけ残して……。
 
 
 戯神 :ずっと挟んでいるのも……あり……。
 遊神 :何言ってるんだよ!なしだよなし!この卑猥女神め!!!

 さすがにそれは嬉し……じゃない、苦しい。
 スキル封印じゃなくて、俺が永遠に封印されてしまいそうだ……"おしり"に。
 

 遊神 :アナト、とりあえず神界に行こう。とりあえずね。話はそこからだ。

 そうだな。
 あとは本当に戯神様のところに辿り着くだけだよな?
 辿り着いた先は次の試練の世界だった……

『さぁ次の世界に辿り着いた魔法剣士アナト!解放されたスキルを駆使してこの試練を乗り越えられるのか!?こうご期待!』

 とか言い出したらぶっ飛ばすぞ?
 そんなのはないよな?

 
 遊神 :くっ……そうだよ。
 
 なんで悔しそうなんだよ?
 もう嫌だぞ?
 
 遊神 :もう着いてると思うよ。目を開いてごらん?
 
 どういうことだ?
 よくわからないが、一回閉じて開いてみたら……





 ふわふわ浮いてたはずなのになぜか地面があって、なんか足が勝手に動いていくんだけど。



 どこだここ?
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