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第一章
第13話 一方その頃パーティーは?当然ざまぁ!!①
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一方その頃ガーロンたちは……。
* * * * *
side ガーロン
「聞け!新しいパーティーメンバーの騎士オーダルだ!!」
アナトを追放した俺は新メンバーとして騎士を連れてきていた。
支援特化のアナトには俺の活躍のためにパーティーの状況を見ながら俺への支援魔法や回復魔法を使わせようとして加入させたのに、いざ戦い始めたら指図ばっかりし始めた。
前に出すぎるなとか、無理に倒そうとせずにダメージを与えて行けとか、俺の華々しい活躍を邪魔しやがった。
それでも戦線は安定して今までより攻略を進められたから置いてやっていたが、俺のために盾役をするメンバーが見つかったらすぐに入れ替えるつもりだった。
そしてあの豚貴族が紹介してくれたのが騎士オーダルだ。
こいつは重厚な装備と防御系スキルを持っていて、さらには回復魔法も使えるBランクの騎士だ。
「……」
オレの言葉に特に反応を示さない白魔導士リーゼルと黒魔導士トージ。
ふざけんなよ、ちょっとは歓迎しろよ!新人が可哀そうじゃねぇか!!!
正式加入じゃねぇけどよ。
「よろしくおねがいします。私は白魔導士のリーゼル、こっちは黒魔導士のトージです」
オレの怒りが頂点に達しそうになる直前にリーゼルの奴が一応名乗り、ついでに無口なトージのことも話した。
「よろしくおねがいします、リーゼルさん。トージさん。僕はオーダル、騎士です。前線で皆さんのことを支えます!」
うむ。こんなに不愛想な奴らに対して律儀に自己紹介するオーダルはいいやつだ。
期待してるぞ!
なんでも、前のパーティーはメンバー同士の色恋のトラブルで解散してしまったらしい。
パーティー解散後、一時的に豚貴族の護衛の依頼を受けていたらしいが、そこで俺たちのことを知ったようだ。
そして豚貴族が紹介してくれたが、どうやら豚貴族の怒りをかったアナトの野郎を追放する交換条件になっていたことは知らないようだ。
まぁ、アナトなんてもうどうでもいいがな。
よし!さっそくダンジョンに行くぜ!!
そうしてやってきたいつものダンジョン。
スケルトンが主体の廃墟ダンジョンだ。
昔大きな戦争があって人がたくさん死んだ場所、その一帯を巻き込む形で出現したダンジョンだと言われている。
そんな廃墟ダンジョンをオレたちは着実に進んでいった。
騎士オーダルが加わった効果はかなり良いものだった。
なにせ前線で敵を押しとどめられる。
そこにオレやトージが攻撃を当てて倒していく。
誰かが傷つけばリーゼルが回復させる。
アナトがいたころと遜色ない戦い……いや、アナトなんて不要だ。
あいつもこうやってオレのために盾になっていれば良かったのだ。
大方、調子に乗ってしゃしゃり出たところで豚貴族の逆鱗に触れて罰を食らったんだろう。
アホな奴だ。
そして到達したとあるポイント。
ここはアナトがいたときに探検していた階層につながる場所だ。
もちろんそのまま進んで行くぞ?
久しぶりにここまで来たんだ。
「ガーロン、ここは……」
「あぁ?」
リーゼルのやろう、なにか文句を言いだす気か?
「オーダルさんが十分戦力になることはわかった。だが、私もトージも魔力を結構使っている。ここから先の探索は次回にしないか?」
「なんだと?ふざけんな!このメンバーならもっと先まで行けるだろ!!」
アナトがいたころと同じじゃ意味ねぇんだよ!
「い、いや、しかし……前と違って、私たちの魔力消費が多い……」
「いいから行くぞ!お前らは黙ってついてくればいい!俺がすべて蹴散らしてやるからよぉ!!!」
まったく。ふぬけにも程がある。
前はあんなに余裕をもって戦っていた場所がまさか怖いとか言うんじゃねぇだろうな!!
見ただろう、オーダルの動きを。十分戦力になってるし、オレ達の戦いは安定している。
「ガーロン!」
なんだよ、まだ文句があるのか?とリーゼルを振り返ったオレの目の前で地面からたくさんの骨が浮き上がる。
「敵だ!!!」
オレは慌てて後ろに飛んだが、その場所でゆっくりと骨が組みあがっていく。
『ウォオォォォオオオオオオ!!!!』
出現したのはスカルナイトだった。
しかしそれは……
「でかい……」
リーゼルがスカルナイトを見上げて呟く……。
そう、デカかった。
オレの倍くらいあるぞ!?
普通のスカルナイトの大きさじゃない。
なんだってんだよ!?
慌てているオレ達にスカルナイトが剣を振り下ろしてくる。
「ぐぉお!!」
その攻撃をなんと騎士オーダルが防いだ!やるじゃねぇか!!!
さすが騎士だ。オレの目に間違いはなかった。
この隙を逃しちゃいけねぇ!
「いくぞ!!うぉおぉぉおおおお!!!」
剣を構えて突進する俺。
「ファイヤーストライク!!」
スカルナイトが現れるのと同時に準備していたであろう魔法を放つトージ。
『グォオォォォオオオオオオ!!!!』
オレはスカルナイトに全力で剣を叩きつけ、トージは得意のファイヤーストライクをぶち当てた!
「続けていくぞ!」
トージの魔法によってあがった爆風がはれる前に次の攻撃にうつるオレ。
『ウォオォォォオオオオオオ!!!!』
しかし、爆風がはれた先には無傷のスカルナイトが剣を振り上げた姿で立っていた……。
* * * * *
side ガーロン
「聞け!新しいパーティーメンバーの騎士オーダルだ!!」
アナトを追放した俺は新メンバーとして騎士を連れてきていた。
支援特化のアナトには俺の活躍のためにパーティーの状況を見ながら俺への支援魔法や回復魔法を使わせようとして加入させたのに、いざ戦い始めたら指図ばっかりし始めた。
前に出すぎるなとか、無理に倒そうとせずにダメージを与えて行けとか、俺の華々しい活躍を邪魔しやがった。
それでも戦線は安定して今までより攻略を進められたから置いてやっていたが、俺のために盾役をするメンバーが見つかったらすぐに入れ替えるつもりだった。
そしてあの豚貴族が紹介してくれたのが騎士オーダルだ。
こいつは重厚な装備と防御系スキルを持っていて、さらには回復魔法も使えるBランクの騎士だ。
「……」
オレの言葉に特に反応を示さない白魔導士リーゼルと黒魔導士トージ。
ふざけんなよ、ちょっとは歓迎しろよ!新人が可哀そうじゃねぇか!!!
正式加入じゃねぇけどよ。
「よろしくおねがいします。私は白魔導士のリーゼル、こっちは黒魔導士のトージです」
オレの怒りが頂点に達しそうになる直前にリーゼルの奴が一応名乗り、ついでに無口なトージのことも話した。
「よろしくおねがいします、リーゼルさん。トージさん。僕はオーダル、騎士です。前線で皆さんのことを支えます!」
うむ。こんなに不愛想な奴らに対して律儀に自己紹介するオーダルはいいやつだ。
期待してるぞ!
なんでも、前のパーティーはメンバー同士の色恋のトラブルで解散してしまったらしい。
パーティー解散後、一時的に豚貴族の護衛の依頼を受けていたらしいが、そこで俺たちのことを知ったようだ。
そして豚貴族が紹介してくれたが、どうやら豚貴族の怒りをかったアナトの野郎を追放する交換条件になっていたことは知らないようだ。
まぁ、アナトなんてもうどうでもいいがな。
よし!さっそくダンジョンに行くぜ!!
そうしてやってきたいつものダンジョン。
スケルトンが主体の廃墟ダンジョンだ。
昔大きな戦争があって人がたくさん死んだ場所、その一帯を巻き込む形で出現したダンジョンだと言われている。
そんな廃墟ダンジョンをオレたちは着実に進んでいった。
騎士オーダルが加わった効果はかなり良いものだった。
なにせ前線で敵を押しとどめられる。
そこにオレやトージが攻撃を当てて倒していく。
誰かが傷つけばリーゼルが回復させる。
アナトがいたころと遜色ない戦い……いや、アナトなんて不要だ。
あいつもこうやってオレのために盾になっていれば良かったのだ。
大方、調子に乗ってしゃしゃり出たところで豚貴族の逆鱗に触れて罰を食らったんだろう。
アホな奴だ。
そして到達したとあるポイント。
ここはアナトがいたときに探検していた階層につながる場所だ。
もちろんそのまま進んで行くぞ?
久しぶりにここまで来たんだ。
「ガーロン、ここは……」
「あぁ?」
リーゼルのやろう、なにか文句を言いだす気か?
「オーダルさんが十分戦力になることはわかった。だが、私もトージも魔力を結構使っている。ここから先の探索は次回にしないか?」
「なんだと?ふざけんな!このメンバーならもっと先まで行けるだろ!!」
アナトがいたころと同じじゃ意味ねぇんだよ!
「い、いや、しかし……前と違って、私たちの魔力消費が多い……」
「いいから行くぞ!お前らは黙ってついてくればいい!俺がすべて蹴散らしてやるからよぉ!!!」
まったく。ふぬけにも程がある。
前はあんなに余裕をもって戦っていた場所がまさか怖いとか言うんじゃねぇだろうな!!
見ただろう、オーダルの動きを。十分戦力になってるし、オレ達の戦いは安定している。
「ガーロン!」
なんだよ、まだ文句があるのか?とリーゼルを振り返ったオレの目の前で地面からたくさんの骨が浮き上がる。
「敵だ!!!」
オレは慌てて後ろに飛んだが、その場所でゆっくりと骨が組みあがっていく。
『ウォオォォォオオオオオオ!!!!』
出現したのはスカルナイトだった。
しかしそれは……
「でかい……」
リーゼルがスカルナイトを見上げて呟く……。
そう、デカかった。
オレの倍くらいあるぞ!?
普通のスカルナイトの大きさじゃない。
なんだってんだよ!?
慌てているオレ達にスカルナイトが剣を振り下ろしてくる。
「ぐぉお!!」
その攻撃をなんと騎士オーダルが防いだ!やるじゃねぇか!!!
さすが騎士だ。オレの目に間違いはなかった。
この隙を逃しちゃいけねぇ!
「いくぞ!!うぉおぉぉおおおお!!!」
剣を構えて突進する俺。
「ファイヤーストライク!!」
スカルナイトが現れるのと同時に準備していたであろう魔法を放つトージ。
『グォオォォォオオオオオオ!!!!』
オレはスカルナイトに全力で剣を叩きつけ、トージは得意のファイヤーストライクをぶち当てた!
「続けていくぞ!」
トージの魔法によってあがった爆風がはれる前に次の攻撃にうつるオレ。
『ウォオォォォオオオオオオ!!!!』
しかし、爆風がはれた先には無傷のスカルナイトが剣を振り上げた姿で立っていた……。
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