1 / 43
第一章
第1話 パーティ追放
しおりを挟む
side アナト(主人公)
「ふん、悪いけどお前は追放だ、アナト」
俺が所属するパーティーのリーダーである、戦士のおっさん・ガーロンが俺に右手の人差し指と怒りの表情を向けながら言い放った。
今日はこのエフリードの街の近くにある廃墟ダンジョンで、領主主催のイベントの日だった。
このイベントはダンジョン探索を行う冒険者パーティーの増加と、翌週に行われる領主の息子の誕生日パーティーの景品を集めるために行われるものだが、領主からも冒険者ギルドからも相応の報酬がでることから人気のあるイベントだった。
毎年観覧者も多いし、周辺の貴族もやってきたりする。
このイベントに挑んだランクBの冒険者パーティーである俺達4人……ほかに根暗系わがままボーイの黒魔導士トージと、基本的に寡黙で表情が読めない白魔導士リーゼルがいる……だったが、いつもは戦況を見ながら支援役、回復役、盾役、そして場合によっては攻撃役など、縦横無尽に活躍する俺の調子が悪く、ランクBの冒険者パーティーとして設定された攻略目標をクリアできなかった。
「しかし、ガーロン……」
イベント期間は明後日まであるから、今日は調子が悪いから延期させてくれと言ったのに、聞く耳持たずに連れていかれた俺に言い訳位させてほしい……。
「揉めておるようじゃが、失敗したのだから大人しく従え」
そして、見るからに肥え太ったお体、低い身長に短いお足……豚と呼びたいくらいのぽっちゃり系クソ親父がそうのたまった。
これで貴族なんだと。
今回のイベントを見に来た招待客らしいが……。
「煽られて、受けて立ったのはお前だ、アナト。そう言うことだから、悪いがさようならだ」
ガーロンは諦めろと言わんばかりの顔つきをしている。
受けたのはてめぇだろうがよ!!!!
あぁ、不調かつ酷い状況なせいで自己紹介すらまだだった。
俺はアナト、22歳だ。Bランク冒険者の魔法剣士で、エフリードの街を拠点に活動しているこのパーティの司令塔だ。いや……だった。
俺は生まれつき少し変わった体質で、スキルをどんどん覚えていくのに、なぜかその多くが使えない。
普通の人はスキルを覚えるのは多い時でも年にいくつかだし、合計しても10個から20個の範囲が大半なのに、俺には1,000を超えるスキルがある。
なんで"ある"ってわかるのかって?
スキルボードを見ればわかるからだ。
目を閉じて念じれば見えるだろ?
子供のころはどんどん増えるスキルが面白かったが、そのほとんどが使えなかった。
そりゃあ、何もしてないのに増えたスキルなんて使えなくて当然なのかもしれないが。
エターナルブレイクとかかっこいいだろ?
叫びながら剣を振っても何も出なかったし、何度やってもダメだったが……。
当時みてもらった神官によると、俺の称号にはなにやら読めない文字が入っているらしい。
これのせいじゃないかということだったが、それ以上の手掛かりはない。
俺はスキルのことは諦めて頑張った。
父さんが冒険者だったんだ。貴族の護衛中に死んでしまったけど、その装備を形見として譲り受けて冒険者になって、ごくごく一部の使用可能なスキルを活用して支援型の司令塔としての戦い方を見出した。
なのに……。
「いつまでそこにおるんじゃ!男なら約束したことくらい守れ!」
「ぐぉ……」
豚貴族が俺に向かって喚くと、こいつの護衛が俺を取り押さえ、地面に押し付けやがった。
「もう一度言うぞ。お前は追放だ!くっくっく」
俺の頭を踏みつけながら言うな。股間が近くて臭ぇんだよ!
ガーロンはにやにや笑ってる……こいつ……。
そもそも昨日飲み屋で酔っぱらって豚貴族に失礼しやがって、『今日のイベントで失敗したら解散させる!それで許してやろう』とかいう条件を突き付けられた上に、『失敗したら司令塔を追放するから解散と同じ』とか言って受けたのはてめぇだろ!
納得してない俺に、攻略目標なんていつも鼻歌うたいながら到達する場所だから『仮にオレ一人でも余裕だ』とか言ってたのは誰だよ。
なんでてめぇの失態を俺になすりつけてんだよ!
俺は藁にもすがる思いでトージとリーゼルを見たが、2人とも無表情だ。
終わった……。
俺は物理的にギルドから追い出され、パーティーを追い出された……。
ご丁寧にパーティー欄が空欄になった冒険者カードを投げつけられた。
豚貴族め……。
俺は途方にくれながら、歩く……。
体が重いんだ。
くそぅ。3年も一緒にやってきて、あと一歩で上位と言われるAランクだったのに、あっさり斬り捨てるなんて。
もしかして嫌われてたのか?
増えても増えてもほとんどが使えないスキルの中で、戦況を読む思考力を鍛え、わずかに使える防御や戦闘支援の魔法、回復魔法を駆使してパーティーを支えてきたんだぞ?
何回注意しても前に出て自分が敵を豪快に切り倒そうとするガーロンの支援をするためにスキルに頼らない剣技も身につけたのに。
最悪だ……。
そもそも何なんだ。
急にこんなに体が重くなるとか、豚貴族に呪われたとかじゃないだろうな?
昨晩、夢の中でなにかわからないが大きいものが落ちてきてつぶされた。
なんとなく柔らかい感触の何か。
それで目覚めたんだが、それから体が重い。
俺は重い体を引きずってあてもなく歩く……。
もう家に帰るか……。
「いてっ」
「あっ、ごめんなさい」
オレンジ色の何かが俺にぶつかる。どうやら女の子のようだ。
「こっちこそすまん。体の調子が悪くて避けれなかった」
「ううん。ボクもよそ見してた……から……。って、あはっ、あははははははははははは」
俺の方を振り返ると突然大笑いを始めた少女。
鮮やかなオレンジ色の髪は自由奔放に波打ち、古めかしい丸い大きなメガネをかけ、薄いクリーム色のローブを羽織っている女の子。
よく見ると可愛らしい整った顔立ちに見えるが、なんだこいつ?
ちょっと可愛いかもとか思った俺がアホみたいだ。
周囲の目も気にせず転がりながら大笑いしているので、全てが台無しだった。
なんで気付かなかったんだろうと思うくらい気配が強いのが不思議だが……。
さらに体の締め付けが強くなってきた気がする……。
こんなやつに構ってる余裕はない。
笑い転げる女の子を無視して先を急ぐ。
ようやく神殿についた。
受付で話をしたところ、すぐに俺の状態を見てもらえることになった。
案内された部屋に入って少し待っていると、仰々しい装飾を身につけたお爺さんがやってきた。
そして俺を見るなり……。
「まっ、まさかこんなことが……ぷぷぅ……いやしかし……ぶふぉ」
と、呟きながら笑いをかみ殺せないお爺さん。
さっきの女の子といい、このお爺さんといい、なんなんだよ!
威厳も何もかも放り出してただ笑っているお爺さん……。
こんな人が神官なのかよ!
「ぷっ……いや、すまん、お前は……ぷー……大いなる神のな……ぷぅ、くっくっくっはっはっははははは」
なんだよ、早く言えよ!
「こんなに苦しいのにそんなに笑うなんて……」
「すっ、すまん。いや、しかし、ひーーーー」
睨む俺を見て謝りながらも笑いが止まらない神官……。
「すまんすまん。お前はな……ぷっ……少しずれた次元でな……大いなる神のな……ぷぷぅ……」
なんだよ。笑わずに喋れよ!神官なんだろ!?
「"おしり"に挟まっておる、ぷはーーーーっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは」
「はっ?」
side ガーロン
「上手くいったようだな」
豚貴族が悪い笑顔を浮かべている。
「あぁ、見たか?追放されて連行されていくときのアナトの顔」
吹き出さないようにするのに必死だったぜ。
「そんなことはどうでもいい。あいつが追放されることが重要だったのだ。ちゃんとタイミングも合った……」
「アナトの野郎、なにやったんだ?貴族にそんなに恨まれるなんて」
ギルドに設置されたカウンターの椅子に腰を掛けてなにやらよくわからないことをぶつぶつ言っている豚貴族にオレは尋ねる。
足が短すぎて立ってるのと変わらない……。
「そんなことは気にせずともよい。ではな」
そう言って歩いていく豚貴族。
ドコドコドコドコ、ブヒーっていう擬音が似合いそうだ……。
まぁいい。
アナトの支援スキルを利用してオレが華々しく活躍してやろうと思ったのに、どうも地味だし、口うるさく前に出すぎるなとか、無理に倒そうとせずにダメージを与えて行けとか指図しだしたあの野郎はずっと邪魔だった。
このパーティーのリーダーはオレだぞ?オレに指示すんなよ、ふざけんな!
一応攻略は安定して、それまで行けなかった階層に行けるようになったから置いてやっていたが、俺の気に障ることばっかりしやがって。
豚貴族が紹介してくれた騎士オーダルが加入すればもうアナトなんか不要だ。
紹介してもらう代わりにアナトの野郎を追放するために一芝居うったことに気付かれたら面倒だが、トージもリーゼルもバカだから気付かんだろう。
ようやく再びオレ様の大活躍が見せられるぜ!
「ふん、悪いけどお前は追放だ、アナト」
俺が所属するパーティーのリーダーである、戦士のおっさん・ガーロンが俺に右手の人差し指と怒りの表情を向けながら言い放った。
今日はこのエフリードの街の近くにある廃墟ダンジョンで、領主主催のイベントの日だった。
このイベントはダンジョン探索を行う冒険者パーティーの増加と、翌週に行われる領主の息子の誕生日パーティーの景品を集めるために行われるものだが、領主からも冒険者ギルドからも相応の報酬がでることから人気のあるイベントだった。
毎年観覧者も多いし、周辺の貴族もやってきたりする。
このイベントに挑んだランクBの冒険者パーティーである俺達4人……ほかに根暗系わがままボーイの黒魔導士トージと、基本的に寡黙で表情が読めない白魔導士リーゼルがいる……だったが、いつもは戦況を見ながら支援役、回復役、盾役、そして場合によっては攻撃役など、縦横無尽に活躍する俺の調子が悪く、ランクBの冒険者パーティーとして設定された攻略目標をクリアできなかった。
「しかし、ガーロン……」
イベント期間は明後日まであるから、今日は調子が悪いから延期させてくれと言ったのに、聞く耳持たずに連れていかれた俺に言い訳位させてほしい……。
「揉めておるようじゃが、失敗したのだから大人しく従え」
そして、見るからに肥え太ったお体、低い身長に短いお足……豚と呼びたいくらいのぽっちゃり系クソ親父がそうのたまった。
これで貴族なんだと。
今回のイベントを見に来た招待客らしいが……。
「煽られて、受けて立ったのはお前だ、アナト。そう言うことだから、悪いがさようならだ」
ガーロンは諦めろと言わんばかりの顔つきをしている。
受けたのはてめぇだろうがよ!!!!
あぁ、不調かつ酷い状況なせいで自己紹介すらまだだった。
俺はアナト、22歳だ。Bランク冒険者の魔法剣士で、エフリードの街を拠点に活動しているこのパーティの司令塔だ。いや……だった。
俺は生まれつき少し変わった体質で、スキルをどんどん覚えていくのに、なぜかその多くが使えない。
普通の人はスキルを覚えるのは多い時でも年にいくつかだし、合計しても10個から20個の範囲が大半なのに、俺には1,000を超えるスキルがある。
なんで"ある"ってわかるのかって?
スキルボードを見ればわかるからだ。
目を閉じて念じれば見えるだろ?
子供のころはどんどん増えるスキルが面白かったが、そのほとんどが使えなかった。
そりゃあ、何もしてないのに増えたスキルなんて使えなくて当然なのかもしれないが。
エターナルブレイクとかかっこいいだろ?
叫びながら剣を振っても何も出なかったし、何度やってもダメだったが……。
当時みてもらった神官によると、俺の称号にはなにやら読めない文字が入っているらしい。
これのせいじゃないかということだったが、それ以上の手掛かりはない。
俺はスキルのことは諦めて頑張った。
父さんが冒険者だったんだ。貴族の護衛中に死んでしまったけど、その装備を形見として譲り受けて冒険者になって、ごくごく一部の使用可能なスキルを活用して支援型の司令塔としての戦い方を見出した。
なのに……。
「いつまでそこにおるんじゃ!男なら約束したことくらい守れ!」
「ぐぉ……」
豚貴族が俺に向かって喚くと、こいつの護衛が俺を取り押さえ、地面に押し付けやがった。
「もう一度言うぞ。お前は追放だ!くっくっく」
俺の頭を踏みつけながら言うな。股間が近くて臭ぇんだよ!
ガーロンはにやにや笑ってる……こいつ……。
そもそも昨日飲み屋で酔っぱらって豚貴族に失礼しやがって、『今日のイベントで失敗したら解散させる!それで許してやろう』とかいう条件を突き付けられた上に、『失敗したら司令塔を追放するから解散と同じ』とか言って受けたのはてめぇだろ!
納得してない俺に、攻略目標なんていつも鼻歌うたいながら到達する場所だから『仮にオレ一人でも余裕だ』とか言ってたのは誰だよ。
なんでてめぇの失態を俺になすりつけてんだよ!
俺は藁にもすがる思いでトージとリーゼルを見たが、2人とも無表情だ。
終わった……。
俺は物理的にギルドから追い出され、パーティーを追い出された……。
ご丁寧にパーティー欄が空欄になった冒険者カードを投げつけられた。
豚貴族め……。
俺は途方にくれながら、歩く……。
体が重いんだ。
くそぅ。3年も一緒にやってきて、あと一歩で上位と言われるAランクだったのに、あっさり斬り捨てるなんて。
もしかして嫌われてたのか?
増えても増えてもほとんどが使えないスキルの中で、戦況を読む思考力を鍛え、わずかに使える防御や戦闘支援の魔法、回復魔法を駆使してパーティーを支えてきたんだぞ?
何回注意しても前に出て自分が敵を豪快に切り倒そうとするガーロンの支援をするためにスキルに頼らない剣技も身につけたのに。
最悪だ……。
そもそも何なんだ。
急にこんなに体が重くなるとか、豚貴族に呪われたとかじゃないだろうな?
昨晩、夢の中でなにかわからないが大きいものが落ちてきてつぶされた。
なんとなく柔らかい感触の何か。
それで目覚めたんだが、それから体が重い。
俺は重い体を引きずってあてもなく歩く……。
もう家に帰るか……。
「いてっ」
「あっ、ごめんなさい」
オレンジ色の何かが俺にぶつかる。どうやら女の子のようだ。
「こっちこそすまん。体の調子が悪くて避けれなかった」
「ううん。ボクもよそ見してた……から……。って、あはっ、あははははははははははは」
俺の方を振り返ると突然大笑いを始めた少女。
鮮やかなオレンジ色の髪は自由奔放に波打ち、古めかしい丸い大きなメガネをかけ、薄いクリーム色のローブを羽織っている女の子。
よく見ると可愛らしい整った顔立ちに見えるが、なんだこいつ?
ちょっと可愛いかもとか思った俺がアホみたいだ。
周囲の目も気にせず転がりながら大笑いしているので、全てが台無しだった。
なんで気付かなかったんだろうと思うくらい気配が強いのが不思議だが……。
さらに体の締め付けが強くなってきた気がする……。
こんなやつに構ってる余裕はない。
笑い転げる女の子を無視して先を急ぐ。
ようやく神殿についた。
受付で話をしたところ、すぐに俺の状態を見てもらえることになった。
案内された部屋に入って少し待っていると、仰々しい装飾を身につけたお爺さんがやってきた。
そして俺を見るなり……。
「まっ、まさかこんなことが……ぷぷぅ……いやしかし……ぶふぉ」
と、呟きながら笑いをかみ殺せないお爺さん。
さっきの女の子といい、このお爺さんといい、なんなんだよ!
威厳も何もかも放り出してただ笑っているお爺さん……。
こんな人が神官なのかよ!
「ぷっ……いや、すまん、お前は……ぷー……大いなる神のな……ぷぅ、くっくっくっはっはっははははは」
なんだよ、早く言えよ!
「こんなに苦しいのにそんなに笑うなんて……」
「すっ、すまん。いや、しかし、ひーーーー」
睨む俺を見て謝りながらも笑いが止まらない神官……。
「すまんすまん。お前はな……ぷっ……少しずれた次元でな……大いなる神のな……ぷぷぅ……」
なんだよ。笑わずに喋れよ!神官なんだろ!?
「"おしり"に挟まっておる、ぷはーーーーっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは」
「はっ?」
side ガーロン
「上手くいったようだな」
豚貴族が悪い笑顔を浮かべている。
「あぁ、見たか?追放されて連行されていくときのアナトの顔」
吹き出さないようにするのに必死だったぜ。
「そんなことはどうでもいい。あいつが追放されることが重要だったのだ。ちゃんとタイミングも合った……」
「アナトの野郎、なにやったんだ?貴族にそんなに恨まれるなんて」
ギルドに設置されたカウンターの椅子に腰を掛けてなにやらよくわからないことをぶつぶつ言っている豚貴族にオレは尋ねる。
足が短すぎて立ってるのと変わらない……。
「そんなことは気にせずともよい。ではな」
そう言って歩いていく豚貴族。
ドコドコドコドコ、ブヒーっていう擬音が似合いそうだ……。
まぁいい。
アナトの支援スキルを利用してオレが華々しく活躍してやろうと思ったのに、どうも地味だし、口うるさく前に出すぎるなとか、無理に倒そうとせずにダメージを与えて行けとか指図しだしたあの野郎はずっと邪魔だった。
このパーティーのリーダーはオレだぞ?オレに指示すんなよ、ふざけんな!
一応攻略は安定して、それまで行けなかった階層に行けるようになったから置いてやっていたが、俺の気に障ることばっかりしやがって。
豚貴族が紹介してくれた騎士オーダルが加入すればもうアナトなんか不要だ。
紹介してもらう代わりにアナトの野郎を追放するために一芝居うったことに気付かれたら面倒だが、トージもリーゼルもバカだから気付かんだろう。
ようやく再びオレ様の大活躍が見せられるぜ!
20
お気に入りに追加
25
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
ダンジョン美食倶楽部
双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
長年レストランの下働きとして働いてきた本宝治洋一(30)は突如として現れた新オーナーの物言いにより、職を失った。
身寄りのない洋一は、飲み仲間の藤本要から「一緒にダンチューバーとして組まないか?」と誘われ、配信チャンネル【ダンジョン美食倶楽部】の料理担当兼荷物持ちを任される。
配信で明るみになる、洋一の隠された技能。
素材こそ低級モンスター、調味料も安物なのにその卓越した技術は見る者を虜にし、出来上がった料理はなんとも空腹感を促した。偶然居合わせた探索者に振る舞ったりしていくうちに【ダンジョン美食倶楽部】の名前は徐々に売れていく。
一方で洋一を追放したレストランは、SSSSランク探索者の轟美玲から「味が落ちた」と一蹴され、徐々に落ちぶれていった。
※カクヨム様で先行公開中!
※2024年3月21で第一部完!
俺だけ展開できる聖域《ワークショップ》~ガチャで手に入れたスキルで美少女達を救う配信がバズってしまい、追放した奴らへざまあして人生大逆転~
椿紅颯
ファンタジー
鍛誠 一心(たんせい いっしん)は、生ける伝説に憧憬の念を抱く駆け出しの鍛冶師である。
探索者となり、同時期に新米探索者になったメンバーとパーティを組んで2カ月が経過したそんなある日、追放宣言を言い放たれてしまった。
このことからショックを受けてしまうも、生活するために受付嬢の幼馴染に相談すると「自らの価値を高めるためにはスキルガチャを回してみるのはどうか」、という提案を受け、更にはそのスキルが希少性のあるものであれば"配信者"として活動するのもいいのではと助言をされた。
自身の戦闘力が低いことからパーティを追放されてしまったことから、一か八かで全て実行に移す。
ガチャを回した結果、【聖域】という性能はそこそこであったが見た目は派手な方のスキルを手に入れる。
しかし、スキルの使い方は自分で模索するしかなかった。
その後、試行錯誤している時にダンジョンで少女達を助けることになるのだが……その少女達は、まさかの配信者であり芸能人であることを後々から知ることに。
まだまだ驚愕的な事実があり、なんとその少女達は自身の配信チャンネルで配信をしていた!
そして、その美少女達とパーティを組むことにも!
パーティを追放され、戦闘力もほとんどない鍛冶師がひょんなことから有名になり、間接的に元パーティメンバーをざまあしつつ躍進を繰り広げていく!
泥臭く努力もしつつ、実はチート級なスキルを是非ご覧ください!
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
異世界帰りの元勇者、日本に突然ダンジョンが出現したので「俺、バイト辞めますっ!」
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
俺、結城ミサオは異世界帰りの元勇者。
異世界では強大な力を持った魔王を倒しもてはやされていたのに、こっちの世界に戻ったら平凡なコンビニバイト。
せっかく強くなったっていうのにこれじゃ宝の持ち腐れだ。
そう思っていたら突然目の前にダンジョンが現れた。
これは天啓か。
俺は一も二もなくダンジョンへと向かっていくのだった。
仲間を庇って半年間ダンジョン深層を彷徨った俺。仲間に裏切られて婚約破棄&パーティー追放&市民権剥奪されたけど婚約者の妹だけは優しかった。
蒼井星空
恋愛
俺はこの街のトップ冒険者パーティーのリーダーだ。
ダンジョン探索は文字通り生死をかけた戦いだ。今日も俺たちは準備万端で挑む。しかし仲間のシーフがやらかしやがった。罠解除はお前の役割だろ?なんで踏み抜くんだよ。当然俺はリーダーとしてそのシーフを庇った結果、深層へと落ちてしまった。
そこからは地獄の日々だった。襲い来る超強力なモンスター。飢餓と毒との戦い。どこに進めばいいのかも分からない中で死に物狂いで戦い続け、ようやく帰っていた。
そこで待っていたのは、恋人とシーフの裏切りだった。ふざけんなよ?なんで俺が罠にかかって仲間を危険に晒したことになってんだ!?
街から出て行けだと?言われなくてもこっちから願い下げだよ!
と思ったんだが、元恋人の妹だけは慰めてくれた。
あのあと、元仲間たちはダンジョンを放置したせいでスタンピードが起こって街もパーティも大変らしい。ざまぁ!!!!
と思ってたら、妹ちゃんがピンチ……。
当然助けるぜ?
深層を生き抜いた俺の力を見せてやるぜ!
俺だけステータスが見える件~ゴミスキル【開く】持ちの俺はダンジョンに捨てられたが、【開く】はステータスオープンできるチートスキルでした~
平山和人
ファンタジー
平凡な高校生の新城直人はクラスメイトたちと異世界へ召喚されてしまう。
異世界より召喚された者は神からスキルを授かるが、直人のスキルは『物を開け閉めする』だけのゴミスキルだと判明し、ダンジョンに廃棄されることになった。
途方にくれる直人は偶然、このゴミスキルの真の力に気づく。それは自分や他者のステータスを数値化して表示できるというものだった。
しかもそれだけでなくステータスを再分配することで無限に強くなることが可能で、更にはスキルまで再分配できる能力だと判明する。
その力を使い、ダンジョンから脱出した直人は、自分をバカにした連中を徹底的に蹂躙していくのであった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる