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いざ安住の地へ
<家> 日常
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「おはよ~」
とても明るい雰囲気でやってきたな。
何かいいことでもあったんだろうか?
とりあえずお茶を出してやりつつ、私は話しかけた。
『どうした?国王にでもなったのか?』
「どどど、どうしてそれを……」
ん?なんか変なこと言ったか?
『どうしてって?』
「いや、僕は、その。名乗ってないし、家さんも『貴族か?』って言ってたと思うんだけども」
『あぁ……』
やってしまった。
息をするかのように自然に鑑定をしてしまったのだ……。
『すまん、覗き見てしまった』
「えぇ?」
悪気はなかったんだ。
「そ、そ、そ、その、どこを?」
『なかなかひ弱なあれ……じゃなかった、その……すまん』
「ガ―――ン」
『すまん』
「ひ弱……」
なんかめっちゃ落ち込んでる。
王子だとばれたのがそんなにショックなんだろうか。
それともステータスの低さがバレたのが嫌なのか?
『私はその、なんだ。まぁいろいろと万能だからな。主となるもののステータスくらい見ておくかと思って……というか自然な流れで見ていてな』
「ん?ステータス?」
『あぁ、何の悪気もなかったのだ』
「見たって、僕のステータスを?」
『あぁ、すまん』
「そんなことなら別に構わないよ。焦った~」
コロっと表情が変わった。
なにを見たと思ったんだろう。
"ひ弱"で落ち込むとしたら……。
『フィンよ。私は遠見は使えんぞ?』
「ぶはっ」
こいつ、お茶を吐きやがった。
なに勝手に勘違いして慌ててるんだよ。
『フィン……』
「ごめんよ。家さんいろいろできるから、もしかして王城での僕を覗き込んだのかと」
『なるほど。どうせメイドでも連れ込んでXXXしてたから、それを見られたと思って焦ったわけか』
「違うから!」
『違うのか?じゃあ、なんだ?』
「あの……その……(恥)」
『聞こえんぞ?なんだ?』
「もう!遊んでるでしょ!」
バレたか。
なかなか楽しいやつだな。
そしてこいつ何やら誤解しているな。
『私は主人の私生活を覗き見たりはせんぞ?』
「やっぱり、そう作られてる?」
『いや、知らん』
「えぇえええ」
知らんもんは知らん。
私は決してこのような形で作られたわけではないし、製作者に会ったこともないのだから当然知らん。
「商人さんからその昔たくさん作られた家型の魔道具だって聞いたんだけども」
『私は違うぞ?私をコピーした魔道具が作られていたのは知っているし、私は擬態してよくその中に混じっていたがな』
「えぇ!?」
『私は本当は魔道具ではないから製作者なんか知らない。召喚されてきたんだ。確かレファリアという国だったと思うが、もう今はないんじゃないか?』
私がこの世界に召喚されて最初に降り立ったのがレファリア王国だ。
なぜ王都ではなく地方都市だったのかはわからないが、そこで出会った魔道具職人に調べらさせてやったら私に似せた魔道具の家を作り始めた。
自力での移動や戦闘が可能な家として王族の目に止まり、結構な数が作られたはずだ。
ただ、隣国との戦争の中で敗戦濃厚となったレファリアが家型魔道具に爆弾を積んで行ってこいという作戦を使ったから、私は離脱した。
魔道具職人は謝っていたが、彼には悪いが戦後、設計図は燃やした。
そんな昔話をしてやると、フィンは興味深そうに聞いていた。
「家さんも苦労したんだね(涙)」
とても明るい雰囲気でやってきたな。
何かいいことでもあったんだろうか?
とりあえずお茶を出してやりつつ、私は話しかけた。
『どうした?国王にでもなったのか?』
「どどど、どうしてそれを……」
ん?なんか変なこと言ったか?
『どうしてって?』
「いや、僕は、その。名乗ってないし、家さんも『貴族か?』って言ってたと思うんだけども」
『あぁ……』
やってしまった。
息をするかのように自然に鑑定をしてしまったのだ……。
『すまん、覗き見てしまった』
「えぇ?」
悪気はなかったんだ。
「そ、そ、そ、その、どこを?」
『なかなかひ弱なあれ……じゃなかった、その……すまん』
「ガ―――ン」
『すまん』
「ひ弱……」
なんかめっちゃ落ち込んでる。
王子だとばれたのがそんなにショックなんだろうか。
それともステータスの低さがバレたのが嫌なのか?
『私はその、なんだ。まぁいろいろと万能だからな。主となるもののステータスくらい見ておくかと思って……というか自然な流れで見ていてな』
「ん?ステータス?」
『あぁ、何の悪気もなかったのだ』
「見たって、僕のステータスを?」
『あぁ、すまん』
「そんなことなら別に構わないよ。焦った~」
コロっと表情が変わった。
なにを見たと思ったんだろう。
"ひ弱"で落ち込むとしたら……。
『フィンよ。私は遠見は使えんぞ?』
「ぶはっ」
こいつ、お茶を吐きやがった。
なに勝手に勘違いして慌ててるんだよ。
『フィン……』
「ごめんよ。家さんいろいろできるから、もしかして王城での僕を覗き込んだのかと」
『なるほど。どうせメイドでも連れ込んでXXXしてたから、それを見られたと思って焦ったわけか』
「違うから!」
『違うのか?じゃあ、なんだ?』
「あの……その……(恥)」
『聞こえんぞ?なんだ?』
「もう!遊んでるでしょ!」
バレたか。
なかなか楽しいやつだな。
そしてこいつ何やら誤解しているな。
『私は主人の私生活を覗き見たりはせんぞ?』
「やっぱり、そう作られてる?」
『いや、知らん』
「えぇえええ」
知らんもんは知らん。
私は決してこのような形で作られたわけではないし、製作者に会ったこともないのだから当然知らん。
「商人さんからその昔たくさん作られた家型の魔道具だって聞いたんだけども」
『私は違うぞ?私をコピーした魔道具が作られていたのは知っているし、私は擬態してよくその中に混じっていたがな』
「えぇ!?」
『私は本当は魔道具ではないから製作者なんか知らない。召喚されてきたんだ。確かレファリアという国だったと思うが、もう今はないんじゃないか?』
私がこの世界に召喚されて最初に降り立ったのがレファリア王国だ。
なぜ王都ではなく地方都市だったのかはわからないが、そこで出会った魔道具職人に調べらさせてやったら私に似せた魔道具の家を作り始めた。
自力での移動や戦闘が可能な家として王族の目に止まり、結構な数が作られたはずだ。
ただ、隣国との戦争の中で敗戦濃厚となったレファリアが家型魔道具に爆弾を積んで行ってこいという作戦を使ったから、私は離脱した。
魔道具職人は謝っていたが、彼には悪いが戦後、設計図は燃やした。
そんな昔話をしてやると、フィンは興味深そうに聞いていた。
「家さんも苦労したんだね(涙)」
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