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いまさら私を愛する気はないと言われて婚約破棄されました
暴かれた嘘……そして
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「では、まずはこれまでの経緯の整理を」
宰相閣下が何やら説明してくれるようです。
「まず、リーズ王子が何やら前世のことを思い出したというのは本当のようです。情報部の魔導士が確認しました」
魔導士が確認した、それも情報部ということであれば、きっと記憶を覗き見るような禁忌に触れるような魔法を使ったのでしょう。
「そして、その魔導士にミリア嬢も調べさせました。わかったことは3つで、1つは彼女も前世の記憶もちでした。2つ目は聖女認定について吹き込んだのは彼女でした。3つ目は彼女は一部嘘をついていました」
嘘?どういうこと?
「嘘は、まずは聖女認定についてです。聖女認定は"浄化"ではなく"真なる浄化"を使えるものを対象としています。つまり、彼女は聖女候補ではなかった。それを王子を使って無理やり聖女に就任する算段だったようです」
そんなことをして何になるのでしょうか?
いや、利点はありますね。王子と結婚できますし、聖女も騙れる。
「なお、"真なる浄化"については後から覚えるつもりでいたようです。その方法は聖女となってからゆっくりと探すつもりだったと」
なるほど。
でも、さすがにあの場面で戦いもせず、気絶して失禁したらまずいんじゃない?
それに、そもそも私とリーズ元王子と男爵令嬢の前世について、なぜ信じたのかがわからないのですが……?
「それから前世についてです。これはもう関係者が思い出した記憶という曖昧なものしかないのですが。どうも話を自己完結させたのはリーズで、それをきっかけにあの男爵令嬢が取り入ったことだけは確かです」
「はぁ……」
「そして、リーズ王子としてはあの令嬢が好みの容姿だったと……」
呆れました。それではただただ軽薄な浮気でしかありません。心の底から軽蔑します。
「わかった。そういうことでな、エレナ。奴らは強制的に結婚させて、僻地に送っておいた。当然立太子もない」
「わかりました」
それでこんなに迅速に処理がなされたのですね。
そして前世云々は……もうどうでもいいですわね。酷い状況に陥らずに助かったと思えば、そうなのかもしれません。
「ここからが本題なのじゃが、聞いてくれるじゃろうか?」
なぜ国王陛下がこんなに畏まられているのだろうか?
たしかに私は酷い扱いを受けたけど……。
「そこからは私が話します」
そしてラーズ王子が私の目の前に……そして手を取られました。
「私と結婚してほしい」
「えっ?」
突然のことで驚きましたが、なんとラーズ王子は昔から私のことが好きだったと。顔を合わせると緊張してしまっていたと、仰いました。
そして私たちは新たに婚約し、幸せな未来に向けて歩み始めました。
宰相閣下が何やら説明してくれるようです。
「まず、リーズ王子が何やら前世のことを思い出したというのは本当のようです。情報部の魔導士が確認しました」
魔導士が確認した、それも情報部ということであれば、きっと記憶を覗き見るような禁忌に触れるような魔法を使ったのでしょう。
「そして、その魔導士にミリア嬢も調べさせました。わかったことは3つで、1つは彼女も前世の記憶もちでした。2つ目は聖女認定について吹き込んだのは彼女でした。3つ目は彼女は一部嘘をついていました」
嘘?どういうこと?
「嘘は、まずは聖女認定についてです。聖女認定は"浄化"ではなく"真なる浄化"を使えるものを対象としています。つまり、彼女は聖女候補ではなかった。それを王子を使って無理やり聖女に就任する算段だったようです」
そんなことをして何になるのでしょうか?
いや、利点はありますね。王子と結婚できますし、聖女も騙れる。
「なお、"真なる浄化"については後から覚えるつもりでいたようです。その方法は聖女となってからゆっくりと探すつもりだったと」
なるほど。
でも、さすがにあの場面で戦いもせず、気絶して失禁したらまずいんじゃない?
それに、そもそも私とリーズ元王子と男爵令嬢の前世について、なぜ信じたのかがわからないのですが……?
「それから前世についてです。これはもう関係者が思い出した記憶という曖昧なものしかないのですが。どうも話を自己完結させたのはリーズで、それをきっかけにあの男爵令嬢が取り入ったことだけは確かです」
「はぁ……」
「そして、リーズ王子としてはあの令嬢が好みの容姿だったと……」
呆れました。それではただただ軽薄な浮気でしかありません。心の底から軽蔑します。
「わかった。そういうことでな、エレナ。奴らは強制的に結婚させて、僻地に送っておいた。当然立太子もない」
「わかりました」
それでこんなに迅速に処理がなされたのですね。
そして前世云々は……もうどうでもいいですわね。酷い状況に陥らずに助かったと思えば、そうなのかもしれません。
「ここからが本題なのじゃが、聞いてくれるじゃろうか?」
なぜ国王陛下がこんなに畏まられているのだろうか?
たしかに私は酷い扱いを受けたけど……。
「そこからは私が話します」
そしてラーズ王子が私の目の前に……そして手を取られました。
「私と結婚してほしい」
「えっ?」
突然のことで驚きましたが、なんとラーズ王子は昔から私のことが好きだったと。顔を合わせると緊張してしまっていたと、仰いました。
そして私たちは新たに婚約し、幸せな未来に向けて歩み始めました。
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