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絶体絶命からの逆転劇
第二手……"おまいう"なんてことはわかってて出す指示
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しかしまず第一手を打った。
やるなら一気にやらないといけない。
バカ王子、王妃、宰相、それに財務大臣とあとは王家を食い物にする悪役商会だな。
「誰か」
「「「はっ……」」」
3人の汚い顔をどう切り刻むか考えながら部下に声をかけたら、ちゃんと3人で来るとは、良い教育がなされているな。
「リジュとのやり取りを伺っておりました。ついに動くのですな」
「あぁ」
あっぶね。いつから見てたんだ?
こいつら3人はめちゃくちゃ真面目で、真面目過ぎて王城の闇とか暴いてきてしまうから適当に宰相とか大臣とかの権威あるやつらを探らせていたんだ。
最も黒いのは私自身だがな……。
「財務大臣は徴税権を悪用して私腹を肥やし、それを宰相に賄賂として送って便宜をはからせていました。宰相はその金を使って商国と内通し、王国を牛耳る機会を探っていました。バロア商会は商国の手先です」
調べるまでもなく全てそろっていた乙。
くっくっくっく。明日が楽しみだ。
バカには全員思い知らせてやるぞ!
「陛下。あとはエルシリア様を慕っている貴族たちを抑える必要があります」
「いつから私の後ろに立っていたんだリュート……」
そんな気配はなかったはずだろ?
なんだ?
私が何も動かなかったらもしかして刺されていたとかか?
怖すぎるだろう、息子よ。
「いつからもなにも、最初からここにいましたよ? それにしても陛下。ようやく動かれたのですね。てっきりエルシリア様を捨て駒にしたのかと思いましたが、そうではないようで安心しました」
「もちろんだ。あの娘は優秀だ」
「まさか陛下からそのような言葉があるなど。ゴミを見るような目をしていたので、彼女もいつも思い悩んでいたのですよ?」
……まずい。そうだった。
国王は自らの安寧……と言う名の散財、豪遊のために優秀なものを遠ざけていた。
なぜか賄賂だけは嫌いと言う意味不明な性格だったためにそれを行ったものは悉く解雇されたが、正当な豪遊が大好きだった。
つまり予算配分で国王と王妃のものがとても重大なものとして考慮されてしまっていた。
そういえばゲームでもリュートだけは高潔な王族として民衆に迎えられ、王国が滅んだあともリーダーとして活躍するらしかった。
らしかったというのは、ゲームではこれ以降の描写がないからわからない。
「ふん。だからといって婚約破棄に加えて投獄というのはやりすぎだ。そんなこと許していない」
「そうでしたか……」
「聞いていたなら話は早い。あのバカは廃嫡して、お前を王太子にする」
「ありがとうございます。では、私も"内密"に彼女の支援者たちを抑えに行きます」」
「あぁ……」
頼む、とは言えなかった。
その理由が自分の保身だからだ。
なんであいつはあんなに極まった目をしてるんだ?
もしかしてエルシリアに気でもあったのだろうか。
それをみすみす帝国に取られることが気に入らないとか?
まずいな……うまくいってもずっと次代の国王に恨まれるとか、私の安寧が脅かされてしまう……。
やるなら一気にやらないといけない。
バカ王子、王妃、宰相、それに財務大臣とあとは王家を食い物にする悪役商会だな。
「誰か」
「「「はっ……」」」
3人の汚い顔をどう切り刻むか考えながら部下に声をかけたら、ちゃんと3人で来るとは、良い教育がなされているな。
「リジュとのやり取りを伺っておりました。ついに動くのですな」
「あぁ」
あっぶね。いつから見てたんだ?
こいつら3人はめちゃくちゃ真面目で、真面目過ぎて王城の闇とか暴いてきてしまうから適当に宰相とか大臣とかの権威あるやつらを探らせていたんだ。
最も黒いのは私自身だがな……。
「財務大臣は徴税権を悪用して私腹を肥やし、それを宰相に賄賂として送って便宜をはからせていました。宰相はその金を使って商国と内通し、王国を牛耳る機会を探っていました。バロア商会は商国の手先です」
調べるまでもなく全てそろっていた乙。
くっくっくっく。明日が楽しみだ。
バカには全員思い知らせてやるぞ!
「陛下。あとはエルシリア様を慕っている貴族たちを抑える必要があります」
「いつから私の後ろに立っていたんだリュート……」
そんな気配はなかったはずだろ?
なんだ?
私が何も動かなかったらもしかして刺されていたとかか?
怖すぎるだろう、息子よ。
「いつからもなにも、最初からここにいましたよ? それにしても陛下。ようやく動かれたのですね。てっきりエルシリア様を捨て駒にしたのかと思いましたが、そうではないようで安心しました」
「もちろんだ。あの娘は優秀だ」
「まさか陛下からそのような言葉があるなど。ゴミを見るような目をしていたので、彼女もいつも思い悩んでいたのですよ?」
……まずい。そうだった。
国王は自らの安寧……と言う名の散財、豪遊のために優秀なものを遠ざけていた。
なぜか賄賂だけは嫌いと言う意味不明な性格だったためにそれを行ったものは悉く解雇されたが、正当な豪遊が大好きだった。
つまり予算配分で国王と王妃のものがとても重大なものとして考慮されてしまっていた。
そういえばゲームでもリュートだけは高潔な王族として民衆に迎えられ、王国が滅んだあともリーダーとして活躍するらしかった。
らしかったというのは、ゲームではこれ以降の描写がないからわからない。
「ふん。だからといって婚約破棄に加えて投獄というのはやりすぎだ。そんなこと許していない」
「そうでしたか……」
「聞いていたなら話は早い。あのバカは廃嫡して、お前を王太子にする」
「ありがとうございます。では、私も"内密"に彼女の支援者たちを抑えに行きます」」
「あぁ……」
頼む、とは言えなかった。
その理由が自分の保身だからだ。
なんであいつはあんなに極まった目をしてるんだ?
もしかしてエルシリアに気でもあったのだろうか。
それをみすみす帝国に取られることが気に入らないとか?
まずいな……うまくいってもずっと次代の国王に恨まれるとか、私の安寧が脅かされてしまう……。
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