38 / 176
開拓編
38.隣の集落について
しおりを挟む
住人達全員に食事が行き渡った事を確認して、俺達も食事にする。
同じすいとんを食べることに、恐らく意味がある。
食べながら、各家の代表者とその親達高齢者に話を聞く。
この集落は近くの神社を祀りながら、炭焼きと稲作、畑作を行い生活してきた。
年貢は炭で納め、農作物の足りない分は近隣の集落との物々交換で補う。
物々交換の対価は主に木炭と毛皮、鮭の遡上時には漁をし、干物も作る。
そうやって長年生活してきたらしい。
高齢者の若い頃は人口30人足らずで安定していたので、農地の開墾にも力を入れる必要がなかった。木炭の生産のほうが実入りが良かったのだ。
人口が増加し始めたのは10年ほど前。
ある家族で双子が生まれたことをきっかけに、残り4家族でも次々と子供が誕生した。
しかも一家の長だけでなく、その娘にも子が生まれるといった具合で、あっという間に人口が増えた。
輪をかけて、去年の夏の大水で4基あった炭焼き窯のうち1基が流され、1家族の長は窯と運命を共にする。
これで木炭の生産が3/4に減少、田畑も水害に遭い去年の米の収穫は10石程度。
年貢は木炭で納めていたから、減少した木炭の生産量では年貢を納めるとほぼ在庫が枯渇。
物々交換で食料を確保しようにも、近隣の集落も水害に遭っていたから、全く入手できず。
更には5家族のうち炭焼きを行わず狩猟を生業にしていた一家の長が、崖を滑落し死亡。
まだ若い長男では父親ほど獲物を獲れず、こちらも手詰まり。
こうしてたった半年で困窮する集落になってしまった。
年長組がまじめな話をしている横で、黒がもう一回すいとんと重湯を作り始めている。
次は鹿の干し肉を入れ、卵とじにするようだ。全く気の利くお母さんだ。
それにしても、行き当たりばったりというか何ともいい加減な運営をしていたものだ。
これでは青の言うとおり、遅かれ早かれ破綻していただろう。
今まで長い間生活が成り立ってきたのは、石高と人口のバランスが取れていただけのこと。
俺達のクニ造りの教訓とするならば、食料自給率は100%を超えるよう運営すること、食料備蓄を増やすこと、そして年貢や物々交換の対価は可能なら食料以外の物で行うことだろうか。
それはさておき、目下この集落をどのように立て直すかだ。
ある一家の代表者である喜平が発言する。
「石高を増やせばいいのだろう。今から皆で開墾し、田畑を増やせばどうだ」
王道ではある。ただし、今から開墾していたのでは到底間に合わない。すでに春の植え付けは終わっており、秋の収穫まで農作物が取れない半年間があるのだ。
少ない大人たちで山野草を集め、狩りを行い、川で漁をしながら開墾を行う。到底不可能だ。
もちろん失った田畑の復旧と開墾は必要だ。
だがそれを今から行っていたのでは、集落の崩壊は防げない。
炭焼きのリーダー格である松太郎の意見。
「炭焼き窯を治せば、今年の年貢分は今からでも確保できる。まずは炭焼き窯を治すべきだ」
産業の復興は大事だ。今年の年貢を納められないと、冬にはひどいことになる。
逆に本来の木炭の生産量を確保できるなら、今年の冬の物々交換は捗るだろう。
だが、それも即効性はない。今飢えた住民を救う目的は果たせない。
最後の代表者である伝次郎が、俯きながら言う。
「働き手にならない子供たちを……口減らしするしかない。うちの一番小さい子は昨日死んだ。あと3人いなくなれば、うちはやっていける……お前たちの家も何人か子供を減らせば、前の生活に戻れるだろう?子供はまた作ればいい。でも俺たちが死ねば皆死ぬ!」
ほかの2人の代表者と高齢者、そして村長も一堂に黙り俯く。反対意見はない。
「ほらごらんなさい。結局そういう結論に行き着くのです。人口整理が必要と私が言ったとき、あなた方はどうしようとしましたか。あの殺気は私たちに向けられたものですか?それとも自分たちの家族に向けたものですか?」
青が冷静に、しかし滲み出る怒りを抑えきれずに言う。
小夜がぎゅっと俺の袖を掴んでいる。
「村長さん。今の意見は皆の総意ということでいいですか?子供たちを本当に……殺すつもりですか?」
村長はしばらく黙ったあと、天を仰いで応える。
「仕方ない……仕方ないんじゃ……この集落を絶えさせるわけにはいかん……」
「ならば、その子供たちは俺が引き取ります。乳幼児もいるでしょうから、乳母になる女性も合わせて引き取ります。対価は秋の収穫までの食料支援。支援できるのは麦と雑穀を合わせて10石。一括でも毎月2石づつでもいいです。狩りや漁の獲物が余れば一緒に届けましょう。いかがですか?」
そう村長に尋ねる。村長達の目に希望が灯る。
「それと、一旦引き取った子供は成人してもお返ししません。預かるのではなく、引き取るのです。俺の小作人として使うのでそのつもりで。子供たちが望めば里帰りは認めますが、あなた達が里に踏み入るのは許しません。それでいいですか?」
「はい……人買いに出そうが、奉公に出そうが、口減らししようが……結局は二度と会えない子供達です。異存はございません」
村長がそう言い切る。各家の代表者たちも同意する。
「では決まりです。人選は任せますが、決まったら一人ずつ連れてきてください」
そう代表者たちに伝え、皆を解散させる。
小夜と式神たちを少し離れた場所に誘い、車座に座る。
「皆、勝手に決めてしまい、すまん」
そう謝ると、皆が口々に言う。
「旦那様、私が考えていた救済策と同じです。どのみち人手は必要でしたし、何の問題もありません」
「いやどんな奴が来るか楽しみだな!でもこの集落の連中に獲物をおすそ分けするのか?なんか嫌だな……」
「タケル兄さん、助けてくれてありがとう!小夜も農作業頑張るよ!」
「白も頑張って子供たちの面倒みる!でもタケル兄さんに甘える時間が減るのは嫌だ……」
「タケル……家事が大変になるかな……?」
皆おおむね好意的な意見だ。
「みんなありがとう。どんな子供が選ばれてくるか、今から一人ずつ面接するが、基本的には里の囲いの近くか外に家を建て、自分たちで生活してもらうつもりだ。生活の上で黒には迷惑はかけない。むしろ農作業計画や里の拡張で迷惑をかけると思う。よろしく頼む」
そう頭を下げると、皆口を揃えて応えてくれた。
『任しとけ』
全く頼もしい仲間たちだ。
同じすいとんを食べることに、恐らく意味がある。
食べながら、各家の代表者とその親達高齢者に話を聞く。
この集落は近くの神社を祀りながら、炭焼きと稲作、畑作を行い生活してきた。
年貢は炭で納め、農作物の足りない分は近隣の集落との物々交換で補う。
物々交換の対価は主に木炭と毛皮、鮭の遡上時には漁をし、干物も作る。
そうやって長年生活してきたらしい。
高齢者の若い頃は人口30人足らずで安定していたので、農地の開墾にも力を入れる必要がなかった。木炭の生産のほうが実入りが良かったのだ。
人口が増加し始めたのは10年ほど前。
ある家族で双子が生まれたことをきっかけに、残り4家族でも次々と子供が誕生した。
しかも一家の長だけでなく、その娘にも子が生まれるといった具合で、あっという間に人口が増えた。
輪をかけて、去年の夏の大水で4基あった炭焼き窯のうち1基が流され、1家族の長は窯と運命を共にする。
これで木炭の生産が3/4に減少、田畑も水害に遭い去年の米の収穫は10石程度。
年貢は木炭で納めていたから、減少した木炭の生産量では年貢を納めるとほぼ在庫が枯渇。
物々交換で食料を確保しようにも、近隣の集落も水害に遭っていたから、全く入手できず。
更には5家族のうち炭焼きを行わず狩猟を生業にしていた一家の長が、崖を滑落し死亡。
まだ若い長男では父親ほど獲物を獲れず、こちらも手詰まり。
こうしてたった半年で困窮する集落になってしまった。
年長組がまじめな話をしている横で、黒がもう一回すいとんと重湯を作り始めている。
次は鹿の干し肉を入れ、卵とじにするようだ。全く気の利くお母さんだ。
それにしても、行き当たりばったりというか何ともいい加減な運営をしていたものだ。
これでは青の言うとおり、遅かれ早かれ破綻していただろう。
今まで長い間生活が成り立ってきたのは、石高と人口のバランスが取れていただけのこと。
俺達のクニ造りの教訓とするならば、食料自給率は100%を超えるよう運営すること、食料備蓄を増やすこと、そして年貢や物々交換の対価は可能なら食料以外の物で行うことだろうか。
それはさておき、目下この集落をどのように立て直すかだ。
ある一家の代表者である喜平が発言する。
「石高を増やせばいいのだろう。今から皆で開墾し、田畑を増やせばどうだ」
王道ではある。ただし、今から開墾していたのでは到底間に合わない。すでに春の植え付けは終わっており、秋の収穫まで農作物が取れない半年間があるのだ。
少ない大人たちで山野草を集め、狩りを行い、川で漁をしながら開墾を行う。到底不可能だ。
もちろん失った田畑の復旧と開墾は必要だ。
だがそれを今から行っていたのでは、集落の崩壊は防げない。
炭焼きのリーダー格である松太郎の意見。
「炭焼き窯を治せば、今年の年貢分は今からでも確保できる。まずは炭焼き窯を治すべきだ」
産業の復興は大事だ。今年の年貢を納められないと、冬にはひどいことになる。
逆に本来の木炭の生産量を確保できるなら、今年の冬の物々交換は捗るだろう。
だが、それも即効性はない。今飢えた住民を救う目的は果たせない。
最後の代表者である伝次郎が、俯きながら言う。
「働き手にならない子供たちを……口減らしするしかない。うちの一番小さい子は昨日死んだ。あと3人いなくなれば、うちはやっていける……お前たちの家も何人か子供を減らせば、前の生活に戻れるだろう?子供はまた作ればいい。でも俺たちが死ねば皆死ぬ!」
ほかの2人の代表者と高齢者、そして村長も一堂に黙り俯く。反対意見はない。
「ほらごらんなさい。結局そういう結論に行き着くのです。人口整理が必要と私が言ったとき、あなた方はどうしようとしましたか。あの殺気は私たちに向けられたものですか?それとも自分たちの家族に向けたものですか?」
青が冷静に、しかし滲み出る怒りを抑えきれずに言う。
小夜がぎゅっと俺の袖を掴んでいる。
「村長さん。今の意見は皆の総意ということでいいですか?子供たちを本当に……殺すつもりですか?」
村長はしばらく黙ったあと、天を仰いで応える。
「仕方ない……仕方ないんじゃ……この集落を絶えさせるわけにはいかん……」
「ならば、その子供たちは俺が引き取ります。乳幼児もいるでしょうから、乳母になる女性も合わせて引き取ります。対価は秋の収穫までの食料支援。支援できるのは麦と雑穀を合わせて10石。一括でも毎月2石づつでもいいです。狩りや漁の獲物が余れば一緒に届けましょう。いかがですか?」
そう村長に尋ねる。村長達の目に希望が灯る。
「それと、一旦引き取った子供は成人してもお返ししません。預かるのではなく、引き取るのです。俺の小作人として使うのでそのつもりで。子供たちが望めば里帰りは認めますが、あなた達が里に踏み入るのは許しません。それでいいですか?」
「はい……人買いに出そうが、奉公に出そうが、口減らししようが……結局は二度と会えない子供達です。異存はございません」
村長がそう言い切る。各家の代表者たちも同意する。
「では決まりです。人選は任せますが、決まったら一人ずつ連れてきてください」
そう代表者たちに伝え、皆を解散させる。
小夜と式神たちを少し離れた場所に誘い、車座に座る。
「皆、勝手に決めてしまい、すまん」
そう謝ると、皆が口々に言う。
「旦那様、私が考えていた救済策と同じです。どのみち人手は必要でしたし、何の問題もありません」
「いやどんな奴が来るか楽しみだな!でもこの集落の連中に獲物をおすそ分けするのか?なんか嫌だな……」
「タケル兄さん、助けてくれてありがとう!小夜も農作業頑張るよ!」
「白も頑張って子供たちの面倒みる!でもタケル兄さんに甘える時間が減るのは嫌だ……」
「タケル……家事が大変になるかな……?」
皆おおむね好意的な意見だ。
「みんなありがとう。どんな子供が選ばれてくるか、今から一人ずつ面接するが、基本的には里の囲いの近くか外に家を建て、自分たちで生活してもらうつもりだ。生活の上で黒には迷惑はかけない。むしろ農作業計画や里の拡張で迷惑をかけると思う。よろしく頼む」
そう頭を下げると、皆口を揃えて応えてくれた。
『任しとけ』
全く頼もしい仲間たちだ。
0
お気に入りに追加
237
あなたにおすすめの小説
放逐された転生貴族は、自由にやらせてもらいます
長尾 隆生
ファンタジー
旧題:放逐された転生貴族は冒険者として生きることにしました
★第2回次世代ファンタジーカップ『痛快大逆転賞』受賞★
★現在三巻まで絶賛発売中!★
「穀潰しをこのまま養う気は無い。お前には家名も名乗らせるつもりはない。とっとと出て行け!」
苦労の末、突然死の果てに異世界の貴族家に転生した山崎翔亜は、そこでも危険な辺境へ幼くして送られてしまう。それから十年。久しぶりに会った兄に貴族家を放逐されたトーアだったが、十年間の命をかけた修行によって誰にも負けない最強の力を手に入れていた。
トーアは貴族家に自分から三行半を突きつけると憧れの冒険者になるためギルドへ向かう。しかしそこで待ち受けていたのはギルドに潜む暗殺者たちだった。かるく暗殺者を一蹴したトーアは、その裏事情を知り更に貴族社会への失望を覚えることになる。そんな彼の前に冒険者ギルド会員試験の前に出会った少女ニッカが現れ、成り行きで彼女の親友を助けに新しく発見されたというダンジョンに向かうことになったのだが――
俺に暗殺者なんて送っても意味ないよ?
※22/02/21 ファンタジーランキング1位 HOTランキング1位 ありがとうございます!
ReBirth 上位世界から下位世界へ
小林誉
ファンタジー
ある日帰宅途中にマンホールに落ちた男。気がつくと見知らぬ部屋に居て、世界間のシステムを名乗る声に死を告げられる。そして『あなたが落ちたのは下位世界に繋がる穴です』と説明された。この世に現れる天才奇才の一部は、今のあなたと同様に上位世界から落ちてきた者達だと。下位世界に転生できる機会を得た男に、どのような世界や環境を希望するのか質問される。男が出した答えとは――
※この小説の主人公は聖人君子ではありません。正義の味方のつもりもありません。勝つためならどんな手でも使い、売られた喧嘩は買う人物です。他人より仲間を最優先し、面倒な事が嫌いです。これはそんな、少しずるい男の物語。
1~4巻発売中です。
クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される
こたろう文庫
ファンタジー
日頃からいじめにあっていた影宮 灰人は授業中に突如現れた転移陣によってクラスごと転移されそうになるが、咄嗟の機転により転移を一人だけ回避することに成功する。しかし女神の説得?により結局異世界転移するが、転移先の国王から職業[逃亡者]が無能という理由にて処刑されることになる
初執筆作品になりますので日本語などおかしい部分があるかと思いますが、温かい目で読んで頂き、少しでも面白いと思って頂ければ幸いです。
なろう・カクヨム・アルファポリスにて公開しています
こちらの作品も宜しければお願いします
[イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で学園最強に・・・]
加護とスキルでチートな異世界生活
どど
ファンタジー
高校1年生の新崎 玲緒(にいざき れお)が学校からの帰宅中にトラックに跳ねられる!?
目を覚ますと真っ白い世界にいた!
そこにやってきた神様に転生か消滅するかの2択に迫られ転生する!
そんな玲緒のチートな異世界生活が始まる
初めての作品なので誤字脱字、ストーリーぐだぐだが多々あると思いますが気に入って頂けると幸いです
ノベルバ様にも公開しております。
※キャラの名前や街の名前は基本的に私が思いついたやつなので特に意味はありません
イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で最強に・・・(旧:学園最強に・・・)
こたろう文庫
ファンタジー
カクヨムにて日間・週間共に総合ランキング1位!
死神が間違えたせいで俺は死んだらしい。俺にそう説明する神は何かと俺をイラつかせる。異世界に転生させるからスキルを選ぶように言われたので、神にイラついていた俺は1回しか使えない強奪スキルを神相手に使ってやった。
閑散とした村に子供として転生した為、強奪したスキルのチート度合いがわからず、学校に入学後も無自覚のまま周りを振り回す僕の話
2作目になります。
まだ読まれてない方はこちらもよろしくおねがいします。
「クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される」
ゴミスキルでもたくさん集めればチートになるのかもしれない
兎屋亀吉
ファンタジー
底辺冒険者クロードは転生者である。しかしチートはなにひとつ持たない。だが救いがないわけじゃなかった。その世界にはスキルと呼ばれる力を後天的に手に入れる手段があったのだ。迷宮の宝箱から出るスキルオーブ。それがあればスキル無双できると知ったクロードはチートスキルを手に入れるために、今日も薬草を摘むのであった。
異世界あるある 転生物語 たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?
よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する!
土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。
自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。
『あ、やべ!』
そして・・・・
【あれ?ここは何処だ?】
気が付けば真っ白な世界。
気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ?
・・・・
・・・
・・
・
【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】
こうして剛史は新た生を異世界で受けた。
そして何も思い出す事なく10歳に。
そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。
スキルによって一生が決まるからだ。
最低1、最高でも10。平均すると概ね5。
そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。
しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。
そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで
ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。
追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。
だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。
『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』
不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。
そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。
その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。
前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。
但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。
転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。
これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな?
何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが?
俺は農家の4男だぞ?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる