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237.アスタ①(11月7日)
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意識を取り戻したホアキンには早速事情聴取が行われた。担当はソフィア、カミラとビビアナが付き添う。
その間にイザベルとルイサ、ルツはフェルを伴って偵察に出る。周辺300m圏内に魔物の反応は無いが、元々魔物の密度が高い地域である。狩人達がこぞってトロー狩りに向かったのであれば留守を狙って侵入する小物がいるかもしれない。俺はアリシアとアイダを連れて街の境界に常駐型結界を構築する。通過できる対象は馬よりも小さな動物と人間のみ。この世界の馬はいわゆるサラブレッド種ほど体高が高くないから、この条件でならトローや大鬼は通過できない。一角オオカミや牙イノシシ、小鬼などは素通りしてしまうが、それぐらいは自力で対処できるはずだ。
アスタは街とは名ばかりの小さな集落だ。結界を構築しながら堀と板塀に囲まれた外周を歩いても1時間程度しか掛からなかった。外周はおよそ3km、街が円形ならば半径は500m弱。とすれば人口密度は1,400ぐらいか。人口密度だけで元の世界と比較すればそう高いほうではない。例えば江戸時代の江戸の街には10km四方ぐらいの地域に100万人余りが住んでいたという。人口密度にすれば実に10,000だ。しかしアスタの住民のほとんどは壮年の狩人であり、老人も子供も少ない。この歪な人口構成が、街を一層窮屈に感じさせている。
それにしてもトローの襲撃か。
カディスでもトローを狩ったが、襲撃したのは俺達の方だった。カディス周辺の森の中にトローの巣を発見した俺達は、奴等の巣を襲い殲滅したのだ。今回は俺達が襲われる方なのだが、アスタを訪れたその日に襲撃されるのは単なる偶然なのか。
偵察に出ているイザベルとルイサから通信が入る。
「お兄ちゃん!街の狩人達がトローと接触したよ!」
「結構やられちゃってますけど、手伝ってもいいですか?」
どうやら戦況は芳しくないらしい。養成所のモンロイは“森の木々の上に潜んでトローを狩る”と表現していたが、群れたトローにその方法は効かないか。
「イザベル、ルイサ。二人とも無事だな?場所はどこだ?」
「街の南西、ちょっとした丘があって森が開けてるんだけど、そこで襲撃を受けたみたい」
「街の狩人さん達が丘の上に集まっていたところを南から横撃されたみたいです。あ、また一人倒れました!」
「お前達はどこにいる?」
「森の切れ目に生えてる大きな木に登ってるよ!」
「わかった。そこから減らせるだけ減らして撤退してくれ。ルイサ!絶対にイザベルから離れるなよ」
いざとなればルイサは自身の転移魔法で俺の背後に転移できる。イザベルも自力で戻って来れはするだろうが、リスクは少ないに越したことはない。ルツはフェルと一緒にそこいらのトローを狩り出しているのだろう。
「わかりました!イザベル姉さんは任せてください!」
「ちょっとそれ私のセリフだけど!?ほら、狙撃開始するよ!」
通信機の向こう側でスラッグ弾をぶっ放す重い音が聞こえだす。イザベルは狙撃から近接戦闘まで熟すが、こと狙撃となるとAT弾を使うG36VやPS-1だけでなく特殊弾頭を使用するへカートⅡやM870も愛用している。今回は樹上という不安定な場所であることを考慮して、スラッグ弾を装填したM870を選択したのだろう。
「よし。アリシア、アイダ。結界を維持したままさっきの酒場まで戻るぞ。そろそろ情報を整理できているだろう」
「了解です。カズヤ殿、先行した狩人は全滅でしょうか」
「彼等だって百戦錬磨の猛者だろう。そうそう遅れは取らないと思う」
そうアイダに答えながらも、それが望み薄なのは自覚している。そもそも魔物を狩るのに何だって丘の上なんぞに集まっていたのか。巻狩りで追いやられたイノシシじゃないんだぞ。
酒場への道を走りながら、イザベル達に呼び掛ける。
「イザベル!状況は?ルツ達は見えているか?」
「今6匹目のトローを倒したところ!ルツ姉はフェルに跨ってトローを狩ってるよ!」
「カズヤよ!1匹づつ狩るのも面倒だ。まとめてそっちに連れて行くからお前が始末しろ!」
イザベルとの通信にルツが割り込む。巨大な狼を駆る少女。物怪のお姫様が白い狼の背に跨って戦う映画のワンシーンが頭をよぎる。
「わかった。トローを1箇所に集めてくれ。結界で逃げられなくしてから片付ける」
「承知!」
耳に掛けた骨伝導イヤホンからフェルとトローの咆哮が聞こえる。ルツが通信を切るのを忘れているようだ。
◇◇◇
酒場に戻ると事情聴取を終えたビビアナ達が待っていた。
負傷したホアキンは鎧を脱がされて何故か床に正座している。
「カズヤさん、この方ったら暴れて大変でしたのよ」
「違う!暴れてなんかない!僕はただ……」
「恐怖で錯乱したんだよな。無理もない」
「恐怖?ソフィア、お前いったい何をしたんだ?」
「嫌ですわカズヤさん。私がそんな無体なことをするとお思いですの?」
「思わなくもないが。それで、状況は?」
「トローが南西の森に現れたのは事実です。彼の偵察隊は不意を突かれ壊滅。彼だけが命からがら戻ってきたようです」
「そうか。トローに襲われた場所は特定出来ているか?」
「狩人の遺体か」
「ああ。放置はできない」
「とっくに喰われてるんじゃないか?それか苗床に……」
そこまで言ってカミラが黙る。ここには危うく苗床にされかけたアリシアとアイダがいることに思い当たったのだろう。
「もちろんわかってる。南西だけじゃなく、この辺りの森は熟知している。案内できる」
「そうか。トローを殲滅してから他の狩人と一緒に連れて帰ろう。出撃した狩人は何人ぐらいだ?ホアキン、わかるか?」
「えっと、すぐに動ける狩人なら100人は出たと思う」
100人か。多いな。まさかそれだけの人数が一箇所に固まっていたとは思えない。ある程度は分散して行動しているはずだ。
とりあえず酒場から出て偵察隊を呼び出す。
「ルツ、イザベル!状況は?」
通信機を通して2人に呼び掛ける。カミラとソフィアを含めた娘達も一斉にイヤホンに指を当てる。
「お兄ちゃん!こっちは15匹倒して撤退中!あと少しで酒場に辿り着くよ!」
イヤホンから伝わるイザベルの呼吸は落ち着いているが、風切り音が激しい。どうやら全力ダッシュをしているようだ。
「カズヤ!フェルと我が眷属がトロー共を丘の上に追い立てておる。そこらじゅうに倒れている狩人が邪魔じゃ!」
「わかった。イザベル達が戻り次第、回収に向かう。その場はフェルに任せてルツも戻れ!」
「承知した!フェル、後を任せるぞ!生き残りを踏み潰させるな!」
フェルの咆哮とほとんど同時にルツが転移してくる。
続いてイザベルとルイサが飛ぶような速度で駆けてきた。
「揃ったな。アイダ、カミラは俺と一緒にルツと転移して負傷者を救出する。イザベルとビビアナ、ルイサはこの場の周辺警戒、アリシアとソフィアは転移させた負傷者の応急処置。負傷者の救出が終わり次第、トローを殲滅する。いいな」
「了解です。カズヤさん、トローが逃げ出さないように結界魔法で網を掛けますか?」
「そうだな。そうしてくれると助かるが、網を掛ける範囲を指定するためにお前も前線に出なければならんだろう」
「あ、それは大丈夫です。だいたいの距離と方角、それに範囲がわかれば、網状の結界魔法を射出できます」
「ヘカートⅡにそんな使い方があったなんてねぇ。私知らなかったよ」
俺も知らないぞそんなこと。あの対物狙撃銃はそんなことが出来るのか。まあ“AT弾に込めた魔法を遠くに運んで発現させるための魔道具”として捉えれば、確かに正しい使い方なのかもしれないが。
「それにしても行ったり来たり、ちょっとは年長者を敬うがよいぞ」
「姐御はルツ婆さんって呼ばれたいのですか?」
アイダがM870にスラッグ弾を装填しながら嘯く。
「吐かせ小娘。婆さんと呼ばれるには千年早いわ」
ルツが毒付きながらアイダとカミラの腰に手を回す。必然的に俺はルツの肩に手を置くことになった。
「背後から抱きしめてくれてもよいのじゃぞ?」
わざわざ娘達に聞こえるように言っているルツの戯言は無視して、転移するよう促す。
「ルツ、早く向かうぞ。一刻一秒が惜しい」
「ふん。変な表現をするのう。行くぞ!」
小さな掛け声と共にルツの転移魔法が発動した。
その間にイザベルとルイサ、ルツはフェルを伴って偵察に出る。周辺300m圏内に魔物の反応は無いが、元々魔物の密度が高い地域である。狩人達がこぞってトロー狩りに向かったのであれば留守を狙って侵入する小物がいるかもしれない。俺はアリシアとアイダを連れて街の境界に常駐型結界を構築する。通過できる対象は馬よりも小さな動物と人間のみ。この世界の馬はいわゆるサラブレッド種ほど体高が高くないから、この条件でならトローや大鬼は通過できない。一角オオカミや牙イノシシ、小鬼などは素通りしてしまうが、それぐらいは自力で対処できるはずだ。
アスタは街とは名ばかりの小さな集落だ。結界を構築しながら堀と板塀に囲まれた外周を歩いても1時間程度しか掛からなかった。外周はおよそ3km、街が円形ならば半径は500m弱。とすれば人口密度は1,400ぐらいか。人口密度だけで元の世界と比較すればそう高いほうではない。例えば江戸時代の江戸の街には10km四方ぐらいの地域に100万人余りが住んでいたという。人口密度にすれば実に10,000だ。しかしアスタの住民のほとんどは壮年の狩人であり、老人も子供も少ない。この歪な人口構成が、街を一層窮屈に感じさせている。
それにしてもトローの襲撃か。
カディスでもトローを狩ったが、襲撃したのは俺達の方だった。カディス周辺の森の中にトローの巣を発見した俺達は、奴等の巣を襲い殲滅したのだ。今回は俺達が襲われる方なのだが、アスタを訪れたその日に襲撃されるのは単なる偶然なのか。
偵察に出ているイザベルとルイサから通信が入る。
「お兄ちゃん!街の狩人達がトローと接触したよ!」
「結構やられちゃってますけど、手伝ってもいいですか?」
どうやら戦況は芳しくないらしい。養成所のモンロイは“森の木々の上に潜んでトローを狩る”と表現していたが、群れたトローにその方法は効かないか。
「イザベル、ルイサ。二人とも無事だな?場所はどこだ?」
「街の南西、ちょっとした丘があって森が開けてるんだけど、そこで襲撃を受けたみたい」
「街の狩人さん達が丘の上に集まっていたところを南から横撃されたみたいです。あ、また一人倒れました!」
「お前達はどこにいる?」
「森の切れ目に生えてる大きな木に登ってるよ!」
「わかった。そこから減らせるだけ減らして撤退してくれ。ルイサ!絶対にイザベルから離れるなよ」
いざとなればルイサは自身の転移魔法で俺の背後に転移できる。イザベルも自力で戻って来れはするだろうが、リスクは少ないに越したことはない。ルツはフェルと一緒にそこいらのトローを狩り出しているのだろう。
「わかりました!イザベル姉さんは任せてください!」
「ちょっとそれ私のセリフだけど!?ほら、狙撃開始するよ!」
通信機の向こう側でスラッグ弾をぶっ放す重い音が聞こえだす。イザベルは狙撃から近接戦闘まで熟すが、こと狙撃となるとAT弾を使うG36VやPS-1だけでなく特殊弾頭を使用するへカートⅡやM870も愛用している。今回は樹上という不安定な場所であることを考慮して、スラッグ弾を装填したM870を選択したのだろう。
「よし。アリシア、アイダ。結界を維持したままさっきの酒場まで戻るぞ。そろそろ情報を整理できているだろう」
「了解です。カズヤ殿、先行した狩人は全滅でしょうか」
「彼等だって百戦錬磨の猛者だろう。そうそう遅れは取らないと思う」
そうアイダに答えながらも、それが望み薄なのは自覚している。そもそも魔物を狩るのに何だって丘の上なんぞに集まっていたのか。巻狩りで追いやられたイノシシじゃないんだぞ。
酒場への道を走りながら、イザベル達に呼び掛ける。
「イザベル!状況は?ルツ達は見えているか?」
「今6匹目のトローを倒したところ!ルツ姉はフェルに跨ってトローを狩ってるよ!」
「カズヤよ!1匹づつ狩るのも面倒だ。まとめてそっちに連れて行くからお前が始末しろ!」
イザベルとの通信にルツが割り込む。巨大な狼を駆る少女。物怪のお姫様が白い狼の背に跨って戦う映画のワンシーンが頭をよぎる。
「わかった。トローを1箇所に集めてくれ。結界で逃げられなくしてから片付ける」
「承知!」
耳に掛けた骨伝導イヤホンからフェルとトローの咆哮が聞こえる。ルツが通信を切るのを忘れているようだ。
◇◇◇
酒場に戻ると事情聴取を終えたビビアナ達が待っていた。
負傷したホアキンは鎧を脱がされて何故か床に正座している。
「カズヤさん、この方ったら暴れて大変でしたのよ」
「違う!暴れてなんかない!僕はただ……」
「恐怖で錯乱したんだよな。無理もない」
「恐怖?ソフィア、お前いったい何をしたんだ?」
「嫌ですわカズヤさん。私がそんな無体なことをするとお思いですの?」
「思わなくもないが。それで、状況は?」
「トローが南西の森に現れたのは事実です。彼の偵察隊は不意を突かれ壊滅。彼だけが命からがら戻ってきたようです」
「そうか。トローに襲われた場所は特定出来ているか?」
「狩人の遺体か」
「ああ。放置はできない」
「とっくに喰われてるんじゃないか?それか苗床に……」
そこまで言ってカミラが黙る。ここには危うく苗床にされかけたアリシアとアイダがいることに思い当たったのだろう。
「もちろんわかってる。南西だけじゃなく、この辺りの森は熟知している。案内できる」
「そうか。トローを殲滅してから他の狩人と一緒に連れて帰ろう。出撃した狩人は何人ぐらいだ?ホアキン、わかるか?」
「えっと、すぐに動ける狩人なら100人は出たと思う」
100人か。多いな。まさかそれだけの人数が一箇所に固まっていたとは思えない。ある程度は分散して行動しているはずだ。
とりあえず酒場から出て偵察隊を呼び出す。
「ルツ、イザベル!状況は?」
通信機を通して2人に呼び掛ける。カミラとソフィアを含めた娘達も一斉にイヤホンに指を当てる。
「お兄ちゃん!こっちは15匹倒して撤退中!あと少しで酒場に辿り着くよ!」
イヤホンから伝わるイザベルの呼吸は落ち着いているが、風切り音が激しい。どうやら全力ダッシュをしているようだ。
「カズヤ!フェルと我が眷属がトロー共を丘の上に追い立てておる。そこらじゅうに倒れている狩人が邪魔じゃ!」
「わかった。イザベル達が戻り次第、回収に向かう。その場はフェルに任せてルツも戻れ!」
「承知した!フェル、後を任せるぞ!生き残りを踏み潰させるな!」
フェルの咆哮とほとんど同時にルツが転移してくる。
続いてイザベルとルイサが飛ぶような速度で駆けてきた。
「揃ったな。アイダ、カミラは俺と一緒にルツと転移して負傷者を救出する。イザベルとビビアナ、ルイサはこの場の周辺警戒、アリシアとソフィアは転移させた負傷者の応急処置。負傷者の救出が終わり次第、トローを殲滅する。いいな」
「了解です。カズヤさん、トローが逃げ出さないように結界魔法で網を掛けますか?」
「そうだな。そうしてくれると助かるが、網を掛ける範囲を指定するためにお前も前線に出なければならんだろう」
「あ、それは大丈夫です。だいたいの距離と方角、それに範囲がわかれば、網状の結界魔法を射出できます」
「ヘカートⅡにそんな使い方があったなんてねぇ。私知らなかったよ」
俺も知らないぞそんなこと。あの対物狙撃銃はそんなことが出来るのか。まあ“AT弾に込めた魔法を遠くに運んで発現させるための魔道具”として捉えれば、確かに正しい使い方なのかもしれないが。
「それにしても行ったり来たり、ちょっとは年長者を敬うがよいぞ」
「姐御はルツ婆さんって呼ばれたいのですか?」
アイダがM870にスラッグ弾を装填しながら嘯く。
「吐かせ小娘。婆さんと呼ばれるには千年早いわ」
ルツが毒付きながらアイダとカミラの腰に手を回す。必然的に俺はルツの肩に手を置くことになった。
「背後から抱きしめてくれてもよいのじゃぞ?」
わざわざ娘達に聞こえるように言っているルツの戯言は無視して、転移するよう促す。
「ルツ、早く向かうぞ。一刻一秒が惜しい」
「ふん。変な表現をするのう。行くぞ!」
小さな掛け声と共にルツの転移魔法が発動した。
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