234 / 243
233.御前試合の顛末(10月13日〜11月2日)
しおりを挟む
王宮の中庭で急遽開催された御前試合は、いや、試合と呼べるようなものでもなかったのだが、こうして幕を下ろした。
負傷者31名。その全ては喧嘩を売ってきたマイヨール侯デブルー側のものだ。彼等が振るった大剣も槍の切先も、娘達の柔肌を傷付けることはなかった。それどころか鍔迫り合いすらさせてもらえずに、彼等は地面をのたうち回っている。意気揚々と準備していたアイダとイザベルのM870もカミラの三八式歩兵銃も1発も放たれることはなかった。援護するはずだった俺とアリシアも何もすることが無かった。それほどまでにデブルー達と娘達との間には実力差があったのだ。
「プラード殿。既に勝敗は決したように思うが」
呆気に取られていたプラードが俺の言葉に立ち直る。
「陛下、オリエンタリス伯の勝利と判定いたします」
プラードがロデリック王に恭しく一礼する。
王は満足そうに頷き右手を上げた。いや、上げようとした。
その時、抗議の声が上がったのだ。他ならぬデブルー本人から。
「待て……お待ちください陛下!」
デブルーはふらつく両足を踏ん張り、誰かの槍に縋ってようやく立っている状態だ。その頬は赤く腫れ上がっている。他の兵と違って切り傷や刺し傷はなさそうだから、アイダの剣の腹で張り飛ばされたのだろう。
「待てとは、いったい何を待つのかねマイヨール候。オリエンタリス伯の言うとおり、既に勝敗は決しているのではないか」
ロデリック王の口調には不快感が滲んでいる。
だがそんな事を気にした様子もなくデブルーが続ける。
「確かに我が騎士小隊はそこの女共に負けました。それは認めます。しかしそこの男!そこの男は参戦しておりません!そこの男に負けたわけではございません!我は一騎打ちを所望いたします!」
観客がどよめく。勝手に始められた賭けでは結構な大金が動いていたから当然と言えば当然か。どれぐらいの金を賭けたのか知らないが、まったく自業自得である。
しかし重ね重ね面倒な奴だ。
いいだろう。一騎打ちをお望みなら受けてやろう。
手にしていたG36Cをアリシアに渡し、せいぜい恭しく王に一礼する。
「一騎打ちを御所望とのこと、お受け致します。これ以上血が流れるのは不本意の極みではございますが、何卒ご容赦くださいますよう」
「うむ。許すぞオリエンタリス伯」
その言葉を得て、再び王に向かって一礼する。
これで仁義は尽くしたはずだ。槍に縋って立っている男がどうなろうと知ったことではないが、まあ死なずに済めばそれに越したことはないか。
「カズヤ殿!」
心配そうにしているアイダや娘達に軽く手を振り、デブルーに向かって歩き出す。
「さて、マイヨール侯、私は下賤な狩人ゆえ、一騎打ちの作法など心得ておりませぬ。つきましては先に我の一手を御覧いただきたく。如何ですかな?」
「よかろう。どれほどのものか見せてみよ。つまらぬ物であれば一瞬で突き殺してくれる!」
彼は縋っていたはずの槍を構える。
明確な殺意。試合ではなく死合である表明。上等である。
白いガンベルトからUSPハンドガンを抜き、セレクターをセミオートに合わせる。ちょうどデブルーの足元に誰かの兜が転がっている。アイダかカミラに張り飛ばされた騎士の物だろうか。金属製のバケツをひっくり返したような堅牢なものだ。中世ヨーロッパであればヘルムと呼ばれたであろうその兜に照準を合わせる。AT弾に掛ける魔法は貫通、そして直後の炸裂。0.2gぽっちの赤土の塊が蒸発したところで本来なら大した威力は持たないはずなのだが、この世界の魔法では大層な威力となる。デモンストレーションには丁度いいはずだ。
そう、これは示威活動なのだ。その結果として俺達に手出ししなくなるなら重畳である。
「さて、これを見ても同じことが言えますかな?」
軽い発射音、それに続く金属に穴が開く鈍い音、直後に生じた轟音は炸裂魔法によるものだ。数秒後に吹き飛んだヘルムの残骸が落下し乾いた音を立てる。
あらかじめ起きる事がわかっていた俺達は平然としているが、観客席のほうでは悲鳴と怒号が上がっている。それもそうだろう。炸裂音など花火や爆竹はおろか火薬すらないこの世界では聞いたこともない者も多いはずだ。物体が衝突する轟音とも違う大きな音は、もしかしたら雷鳴のように聞こえたかもしれない。
そして見るも無残な姿を晒したのはデブルーであった。至近距離の炸裂で吹き飛ばされたのだろう。尻餅をつき、顎がガチガチと音を立てるほど震えている。
「さて、マイヨール侯。次は卿の頭が吹き飛ぶ番ですな」
本来、卿とは君主が臣下に対して親しみを込めて呼び掛ける呼び方、ないしは男が同輩に敬意を込めて呼び掛ける呼び方だ。つまりはこの時点で“お前は俺と同等ないしは格下”である表明だったのだが、果たして伝わっているのかどうか。
まあいいか。わざとらしくそう伝え、ゆっくりと照準を合わせる。
「ま……待て!待ってくれ!」
デブルーは手にしていた槍を放り出し、地面に両手をついて額を擦り付ける勢いで頭を下げた。
「降参だ……降参する!」
やれやれ。娘達に歯が立たないとわかった時点でその言葉を口に出来ていれば、こうまで無様な姿を晒さずに済んだだろうに。
デブルーの眉間から照準を逸らし、審判役のプラードを見る。プラードの宣言を、今度は誰も邪魔しなかった。
◇◇◇
こうして御前試合は今度こそ幕を下ろした。
結果はもちろん俺達の圧勝だったわけだが、思わぬ副産物を得られた。ロデリック王からの報奨金と直参の身分、そして求めていた人材の目処である。
報奨金は有り難く頂戴し、集まってきた人材の雇用費などに充てることにした。
直参とは王直属の部下、つまり公爵や侯爵の仲介が無くとも王に直接面会することができる権利である。そもそも王宮内に転移できるのだから今更という気もするが、これで公式に侯爵に準じる立場である事を王自らが内外に示したということに大きな意味があったらしい。
だからこそと言うべきか、冷ややかな、或いは無関心を装っていた貴族達が軒並み好意的になったのは思わぬ収穫だった。大貴族の元で不遇を託っていた小貴族や一代貴族達が挙って面会を求めて来るようになったのだ。
そのせいで最も迷惑を被ったのはビビアナとソフィアであった。彼女達は3週間ほどの間王宮に留まり、面会希望者達の調整を引き受けてくれたのだ。いや、実に得難い才能だ。
ちなみに賭けの結果はサラ校長の一人勝ちとはならなかったようである。ビビアナの父であるオリバレス侯とシドニア伯ガスパール、王の侍従のブランカ プラード、それにホフレ バルガスは俺達に賭けていたらしい。俺達の勝利で一番喜んでいたのはバルガスだったかもしれない。
アイダが旧友と再会したのもこの頃のことである。アイダは王国騎士ローラン家の娘、王直轄の騎士団員を父に持つのだが、その旧友も王国騎士の家柄であった。名をジーナ アステラス。後に両名はオリエンタリスの双璧と謳われることになるのだが、それはもう少し後のことである。
負傷者31名。その全ては喧嘩を売ってきたマイヨール侯デブルー側のものだ。彼等が振るった大剣も槍の切先も、娘達の柔肌を傷付けることはなかった。それどころか鍔迫り合いすらさせてもらえずに、彼等は地面をのたうち回っている。意気揚々と準備していたアイダとイザベルのM870もカミラの三八式歩兵銃も1発も放たれることはなかった。援護するはずだった俺とアリシアも何もすることが無かった。それほどまでにデブルー達と娘達との間には実力差があったのだ。
「プラード殿。既に勝敗は決したように思うが」
呆気に取られていたプラードが俺の言葉に立ち直る。
「陛下、オリエンタリス伯の勝利と判定いたします」
プラードがロデリック王に恭しく一礼する。
王は満足そうに頷き右手を上げた。いや、上げようとした。
その時、抗議の声が上がったのだ。他ならぬデブルー本人から。
「待て……お待ちください陛下!」
デブルーはふらつく両足を踏ん張り、誰かの槍に縋ってようやく立っている状態だ。その頬は赤く腫れ上がっている。他の兵と違って切り傷や刺し傷はなさそうだから、アイダの剣の腹で張り飛ばされたのだろう。
「待てとは、いったい何を待つのかねマイヨール候。オリエンタリス伯の言うとおり、既に勝敗は決しているのではないか」
ロデリック王の口調には不快感が滲んでいる。
だがそんな事を気にした様子もなくデブルーが続ける。
「確かに我が騎士小隊はそこの女共に負けました。それは認めます。しかしそこの男!そこの男は参戦しておりません!そこの男に負けたわけではございません!我は一騎打ちを所望いたします!」
観客がどよめく。勝手に始められた賭けでは結構な大金が動いていたから当然と言えば当然か。どれぐらいの金を賭けたのか知らないが、まったく自業自得である。
しかし重ね重ね面倒な奴だ。
いいだろう。一騎打ちをお望みなら受けてやろう。
手にしていたG36Cをアリシアに渡し、せいぜい恭しく王に一礼する。
「一騎打ちを御所望とのこと、お受け致します。これ以上血が流れるのは不本意の極みではございますが、何卒ご容赦くださいますよう」
「うむ。許すぞオリエンタリス伯」
その言葉を得て、再び王に向かって一礼する。
これで仁義は尽くしたはずだ。槍に縋って立っている男がどうなろうと知ったことではないが、まあ死なずに済めばそれに越したことはないか。
「カズヤ殿!」
心配そうにしているアイダや娘達に軽く手を振り、デブルーに向かって歩き出す。
「さて、マイヨール侯、私は下賤な狩人ゆえ、一騎打ちの作法など心得ておりませぬ。つきましては先に我の一手を御覧いただきたく。如何ですかな?」
「よかろう。どれほどのものか見せてみよ。つまらぬ物であれば一瞬で突き殺してくれる!」
彼は縋っていたはずの槍を構える。
明確な殺意。試合ではなく死合である表明。上等である。
白いガンベルトからUSPハンドガンを抜き、セレクターをセミオートに合わせる。ちょうどデブルーの足元に誰かの兜が転がっている。アイダかカミラに張り飛ばされた騎士の物だろうか。金属製のバケツをひっくり返したような堅牢なものだ。中世ヨーロッパであればヘルムと呼ばれたであろうその兜に照準を合わせる。AT弾に掛ける魔法は貫通、そして直後の炸裂。0.2gぽっちの赤土の塊が蒸発したところで本来なら大した威力は持たないはずなのだが、この世界の魔法では大層な威力となる。デモンストレーションには丁度いいはずだ。
そう、これは示威活動なのだ。その結果として俺達に手出ししなくなるなら重畳である。
「さて、これを見ても同じことが言えますかな?」
軽い発射音、それに続く金属に穴が開く鈍い音、直後に生じた轟音は炸裂魔法によるものだ。数秒後に吹き飛んだヘルムの残骸が落下し乾いた音を立てる。
あらかじめ起きる事がわかっていた俺達は平然としているが、観客席のほうでは悲鳴と怒号が上がっている。それもそうだろう。炸裂音など花火や爆竹はおろか火薬すらないこの世界では聞いたこともない者も多いはずだ。物体が衝突する轟音とも違う大きな音は、もしかしたら雷鳴のように聞こえたかもしれない。
そして見るも無残な姿を晒したのはデブルーであった。至近距離の炸裂で吹き飛ばされたのだろう。尻餅をつき、顎がガチガチと音を立てるほど震えている。
「さて、マイヨール侯。次は卿の頭が吹き飛ぶ番ですな」
本来、卿とは君主が臣下に対して親しみを込めて呼び掛ける呼び方、ないしは男が同輩に敬意を込めて呼び掛ける呼び方だ。つまりはこの時点で“お前は俺と同等ないしは格下”である表明だったのだが、果たして伝わっているのかどうか。
まあいいか。わざとらしくそう伝え、ゆっくりと照準を合わせる。
「ま……待て!待ってくれ!」
デブルーは手にしていた槍を放り出し、地面に両手をついて額を擦り付ける勢いで頭を下げた。
「降参だ……降参する!」
やれやれ。娘達に歯が立たないとわかった時点でその言葉を口に出来ていれば、こうまで無様な姿を晒さずに済んだだろうに。
デブルーの眉間から照準を逸らし、審判役のプラードを見る。プラードの宣言を、今度は誰も邪魔しなかった。
◇◇◇
こうして御前試合は今度こそ幕を下ろした。
結果はもちろん俺達の圧勝だったわけだが、思わぬ副産物を得られた。ロデリック王からの報奨金と直参の身分、そして求めていた人材の目処である。
報奨金は有り難く頂戴し、集まってきた人材の雇用費などに充てることにした。
直参とは王直属の部下、つまり公爵や侯爵の仲介が無くとも王に直接面会することができる権利である。そもそも王宮内に転移できるのだから今更という気もするが、これで公式に侯爵に準じる立場である事を王自らが内外に示したということに大きな意味があったらしい。
だからこそと言うべきか、冷ややかな、或いは無関心を装っていた貴族達が軒並み好意的になったのは思わぬ収穫だった。大貴族の元で不遇を託っていた小貴族や一代貴族達が挙って面会を求めて来るようになったのだ。
そのせいで最も迷惑を被ったのはビビアナとソフィアであった。彼女達は3週間ほどの間王宮に留まり、面会希望者達の調整を引き受けてくれたのだ。いや、実に得難い才能だ。
ちなみに賭けの結果はサラ校長の一人勝ちとはならなかったようである。ビビアナの父であるオリバレス侯とシドニア伯ガスパール、王の侍従のブランカ プラード、それにホフレ バルガスは俺達に賭けていたらしい。俺達の勝利で一番喜んでいたのはバルガスだったかもしれない。
アイダが旧友と再会したのもこの頃のことである。アイダは王国騎士ローラン家の娘、王直轄の騎士団員を父に持つのだが、その旧友も王国騎士の家柄であった。名をジーナ アステラス。後に両名はオリエンタリスの双璧と謳われることになるのだが、それはもう少し後のことである。
112
お気に入りに追加
1,730
あなたにおすすめの小説

ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

明日を信じて生きていきます~異世界に転生した俺はのんびり暮らします~
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生した主人公は、新たな冒険が待っていることを知りながらも、のんびりとした暮らしを選ぶことに決めました。
彼は明日を信じて、異世界での新しい生活を楽しむ決意を固めました。
最初の仲間たちと共に、未知の地での平穏な冒険が繰り広げられます。
一種の童話感覚で物語は語られます。
童話小説を読む感じで一読頂けると幸いです

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい
616號
ファンタジー
不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。

【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~
石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。
ありがとうございます
主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。
転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。
ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。
『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。
ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする
「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!

凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる