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188.マルチェナにたどり着く(8月16日)
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昨夜の話題はもう一つあった。
ソフィアがルイサに伝えた想い或いは思い付き。
アルカンダラで孤児院を開いて狩人に育てるという話である。
俺は与太話の類いと決め付けていたのだが、娘達は大層乗り気であった。
「資金は十分にあります。ルイサのおかげで指導する自信も付きました。カズヤ殿さえ良ければ、是非お手伝いさせてください!」
「まぁ妹とか弟の世話をするのは苦じゃないし。私をお姉ちゃんと呼ぶ子が増えるのは大歓迎だよ!」
「私も賛成。でも魔法が使えない子はどうするの?それに狩人になる道しか示してあげられないのは良くないよね」
「それなら私の出番ですわ。貴族の前でも恥ずかしくない礼儀作法を叩き込んで、どこかの屋敷に使わしますわ!それなら安心ではなくって?」
「職人になりたいならツテはあるしな。アリシアの言うとおり、狩人になるだけが選択肢じゃない。別の道も選べるようにしてあげないとな!いいだろうかカズヤ殿」
「あ!お兄ちゃんの家の畑で採れた野菜とか作ったら売れるんじゃない?見たことないお芋とかあったし。じゅるり」
「いや、イザベルは農家って柄じゃないだろ」
「作るのはアイダちゃんとアリシアちゃんね。私は食べる専門だから」
サツマイモの味を思い出したのか舌舐めずりするイザベルは置いておくとしても、娘達にも狩人以外の生き方を選ばせてあげられるなら……
◇◇◇
孤児院を開くかどうかはさて置き、俺達は順調に進み目的地であるマルチェナの街が見える場所にたどり着いた。
人口は1000人程度と聞いていたが、なかなかどうして立派な壁に守られた街だ。もっともアルカンダラやエルヴァスのように大きな石組みではなく、基礎の部分だけが石でその上にぐるりと木製の囲いがあるようだ。
茂みにアンブッシュして門の様子を伺う。先行しているのはイザベル、ビビアナ、カミラと俺の4人だ。ルイサとグロリア、ソフィアは荷馬車で待機。アリシアとアイダ、フェルの2人と1頭が護衛である。
「門は……当然閉ざされてるね。門の外にあるのは……あ、見ちゃいけないやつだ」
と言いながらイザベルが双眼鏡をカミラに押し付ける。
「見ちゃいけないやつって……」
不審そうな声を上げながら、カミラが双眼鏡を覗く。
「ああ……これは確かに……」
今度はカミラが俺に双眼鏡を押し付けてくる。
接眼レンズに写し出されたのは、門の外に吊るされた2つの物体であった。
「首を落とされた遺体だな。それも赤翼隊の」
「未帰還の8人のうち3人の所在は明らかになったわけだ。それでどうする?」
「どうするもこうするもない。下ろして埋葬する。当然だろう」
俺の手から双眼鏡を引ったくったビビアナが青ざめている。
「酷い……いったい誰がこんな……」
「魔物の仕業じゃあないな。住民だろう。魔除けか呪いか、いずれにせよ効果はあるようだ」
「効果あるの?あんなので?」
「同じ種類の魔物にはな。ただ小鬼や大鬼、トローのような中途半端に知性がある奴らには逆効果になるが……」
「どうして効果があるなんてわかるんですか」
疑問形にもなっていない震える声は双眼鏡を下ろしたビビアナのものだ。
「ビビアナ、冷静に観察し状況を整理しろ。養成所で教わったことだろう」
こういう時、カミラは元教官の顔に戻る。そして娘達は年相応の子供達になる。
「ん~と、あ!門の周辺にネクロファゴがいない!」
「それは昼間だからでは?ネクロファゴは陽の光を嫌います。今日みたいに晴れた日に昼間から活動するとは思えません」
「一昨日は雨降ったよね。この辺りも雨だったんじゃない?」
「そうだな。恐らくは雨か曇空だっただろう。日中だからネクロファゴがいないという推測は正しそうだ。だが夜ならどうだ?夜の間に奴らが押し寄せた痕跡はあるか?」
イザベルとカミラの言葉にビビアナが押し黙る。
「少なくとも偵察隊がここにたどり着いたのは昼間だったはずだ。いくら赤翼隊でも私達より足が速いことはないだろう。途中で野営の跡もあったし、多少の時間差はあれど日中だったのは間違いない」
「そして門に取り付くネクロファゴを見つけた。時間は日暮れ近くから夜間」
「偵察隊を率いていたイバンは隊を2つに分け、背後から急襲した」
「んで返り討ちにあった。あれ?じゃあ兵士の首を刎ねたのは誰だ。街の人?」
「辻褄が合いませんわ。もし仮に街の住民がネクロファゴになった兵士の首を刎ねて門に吊るしたのなら、そんな事ができる人がいるのに籠城なんてするでしょうか」
「多勢に無勢だからってことじゃない?やっぱりネクロファゴが吊るしたのかも?」
「だったら何で同類になった兵士を殺す必要があるの?同士討ちする魔物なんて聞いたことありませんわ」
「いや、だからネクロファゴになった同胞を討ったのは偵察隊の誰かで、ってこともないか。スパっと落とせるぐらいの使い手がいたような気がしない」
イザベルとビビアナの疑問に答える言葉を、俺もカミラも持っていなかった。
「それも踏まえて、現時点で私達が取るべき行動は?」
カミラからの問い掛けにビビアナとイザベルが顔を見合わせ、揃って俺を見る。
やれやれ……俺も口頭試問を受けている気分だ。
「監視の継続。そのために夜間でも安全を確保できるベースを構築することだな」
俺の言葉に娘達が急に活気付く。
「そうですわ!あのドローンを飛ばしましょう。門の向こうに人がいるかどうか、それで判断できますわ!」
「安全を確保……前にお兄ちゃんがやった、土魔法の壁を作って立て篭ったらいいんじゃない?堀も作って水を溜めればもっと安心!」
「お前達……結局カズヤ任せか」
カミラの呟きは俺の心情の代弁ではない。決してないのだ。
◇◇◇
結局、最初に門を目視確認した場所、つまり馬車を待たせていた所が最も監視に適した場所だった。森の切れ目であり門までは一本の街道と周囲の畑があるのみ。マルチェナはエルレエラと同様に突き当たりの街のようだ。
アリシアが操縦するドローンが映し出した街の様子は、異様なほど静まり返っていた。
中央の広場にも広場に続く路地にも出歩く人影はない。
広場の井戸の周辺が濡れているように見えるから、使われてはいるのだろう。とすれば息を潜めて過ごす人々がいるという事だ。
「ねえ。あっちの家って焼け落ちてない?」
イザベルがモニターの隅を指差す。
回頭したドローンが映し出した映像には、確かに黒焦げの石積みだけが残った廃墟がぽつんとある。
「火事か?それにしても見事に焼け落ちているな」
「魔物のせいではないな。壁は無事だし、他の家に被害はないようだ」
「遺体を吊るしたのが住民だとすれば、少なくとも数日前までは衛兵かそれに近い立場の人間が生きているってことよね」
モニターを見ながらソフィアが呟く。
「魔物が吊るしたとは考えられませんの?」
「それはないだろう。何のために、どうやって。この2つがないと、あんな芸当はできない」
「でもネクロファゴは武器を使うんですわよね。だったら道具も使える、その知性があるということではないかしら」
「剣を振り回すだけなら小鬼でもやれる。大鬼やトローだって棍棒を使うし、縄で獲物を縛り上げもする。だが……」
「可能性はありますでしょ?」
「それはまあ……な。だが何のために?戦果の誇示?まさか」
ソフィアとカミラの答えの出ないやり取りを止めたのは、ディスプレイを注視していたアイダであった。
「鎧戸が動いた!アリシア!ここだ!」
ドローンが一度通り過ぎたエリアへと、アリシアが巧みな操作で回頭させる。
「風じゃないの?」
「いいや、風はそう強くない。絶対に内側から動いたんだ」
皆がディスプレイの前で画面を注視する。
「この窓だ。ほら!」
アイダが指差す先、石造りの建物の2階の窓に嵌められた木製の鎧戸がゆっくりと開いた。
中からこちらを覗いていたのは……
「子供だ!女の子だぞ!」
ドローンの飛翔音を聞きつけたのだろう。引き攣った顔の女の子がカメラに映し出された。かなり痩せて顔色も悪い。
と、急に女の子が画面から消えて窓が閉められた。女の子が自分で取った行動ではない。
「生存者がいる。それも複数だ」
目の前で確定した事項に、誰も異論を唱えなかった。
ソフィアがルイサに伝えた想い或いは思い付き。
アルカンダラで孤児院を開いて狩人に育てるという話である。
俺は与太話の類いと決め付けていたのだが、娘達は大層乗り気であった。
「資金は十分にあります。ルイサのおかげで指導する自信も付きました。カズヤ殿さえ良ければ、是非お手伝いさせてください!」
「まぁ妹とか弟の世話をするのは苦じゃないし。私をお姉ちゃんと呼ぶ子が増えるのは大歓迎だよ!」
「私も賛成。でも魔法が使えない子はどうするの?それに狩人になる道しか示してあげられないのは良くないよね」
「それなら私の出番ですわ。貴族の前でも恥ずかしくない礼儀作法を叩き込んで、どこかの屋敷に使わしますわ!それなら安心ではなくって?」
「職人になりたいならツテはあるしな。アリシアの言うとおり、狩人になるだけが選択肢じゃない。別の道も選べるようにしてあげないとな!いいだろうかカズヤ殿」
「あ!お兄ちゃんの家の畑で採れた野菜とか作ったら売れるんじゃない?見たことないお芋とかあったし。じゅるり」
「いや、イザベルは農家って柄じゃないだろ」
「作るのはアイダちゃんとアリシアちゃんね。私は食べる専門だから」
サツマイモの味を思い出したのか舌舐めずりするイザベルは置いておくとしても、娘達にも狩人以外の生き方を選ばせてあげられるなら……
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孤児院を開くかどうかはさて置き、俺達は順調に進み目的地であるマルチェナの街が見える場所にたどり着いた。
人口は1000人程度と聞いていたが、なかなかどうして立派な壁に守られた街だ。もっともアルカンダラやエルヴァスのように大きな石組みではなく、基礎の部分だけが石でその上にぐるりと木製の囲いがあるようだ。
茂みにアンブッシュして門の様子を伺う。先行しているのはイザベル、ビビアナ、カミラと俺の4人だ。ルイサとグロリア、ソフィアは荷馬車で待機。アリシアとアイダ、フェルの2人と1頭が護衛である。
「門は……当然閉ざされてるね。門の外にあるのは……あ、見ちゃいけないやつだ」
と言いながらイザベルが双眼鏡をカミラに押し付ける。
「見ちゃいけないやつって……」
不審そうな声を上げながら、カミラが双眼鏡を覗く。
「ああ……これは確かに……」
今度はカミラが俺に双眼鏡を押し付けてくる。
接眼レンズに写し出されたのは、門の外に吊るされた2つの物体であった。
「首を落とされた遺体だな。それも赤翼隊の」
「未帰還の8人のうち3人の所在は明らかになったわけだ。それでどうする?」
「どうするもこうするもない。下ろして埋葬する。当然だろう」
俺の手から双眼鏡を引ったくったビビアナが青ざめている。
「酷い……いったい誰がこんな……」
「魔物の仕業じゃあないな。住民だろう。魔除けか呪いか、いずれにせよ効果はあるようだ」
「効果あるの?あんなので?」
「同じ種類の魔物にはな。ただ小鬼や大鬼、トローのような中途半端に知性がある奴らには逆効果になるが……」
「どうして効果があるなんてわかるんですか」
疑問形にもなっていない震える声は双眼鏡を下ろしたビビアナのものだ。
「ビビアナ、冷静に観察し状況を整理しろ。養成所で教わったことだろう」
こういう時、カミラは元教官の顔に戻る。そして娘達は年相応の子供達になる。
「ん~と、あ!門の周辺にネクロファゴがいない!」
「それは昼間だからでは?ネクロファゴは陽の光を嫌います。今日みたいに晴れた日に昼間から活動するとは思えません」
「一昨日は雨降ったよね。この辺りも雨だったんじゃない?」
「そうだな。恐らくは雨か曇空だっただろう。日中だからネクロファゴがいないという推測は正しそうだ。だが夜ならどうだ?夜の間に奴らが押し寄せた痕跡はあるか?」
イザベルとカミラの言葉にビビアナが押し黙る。
「少なくとも偵察隊がここにたどり着いたのは昼間だったはずだ。いくら赤翼隊でも私達より足が速いことはないだろう。途中で野営の跡もあったし、多少の時間差はあれど日中だったのは間違いない」
「そして門に取り付くネクロファゴを見つけた。時間は日暮れ近くから夜間」
「偵察隊を率いていたイバンは隊を2つに分け、背後から急襲した」
「んで返り討ちにあった。あれ?じゃあ兵士の首を刎ねたのは誰だ。街の人?」
「辻褄が合いませんわ。もし仮に街の住民がネクロファゴになった兵士の首を刎ねて門に吊るしたのなら、そんな事ができる人がいるのに籠城なんてするでしょうか」
「多勢に無勢だからってことじゃない?やっぱりネクロファゴが吊るしたのかも?」
「だったら何で同類になった兵士を殺す必要があるの?同士討ちする魔物なんて聞いたことありませんわ」
「いや、だからネクロファゴになった同胞を討ったのは偵察隊の誰かで、ってこともないか。スパっと落とせるぐらいの使い手がいたような気がしない」
イザベルとビビアナの疑問に答える言葉を、俺もカミラも持っていなかった。
「それも踏まえて、現時点で私達が取るべき行動は?」
カミラからの問い掛けにビビアナとイザベルが顔を見合わせ、揃って俺を見る。
やれやれ……俺も口頭試問を受けている気分だ。
「監視の継続。そのために夜間でも安全を確保できるベースを構築することだな」
俺の言葉に娘達が急に活気付く。
「そうですわ!あのドローンを飛ばしましょう。門の向こうに人がいるかどうか、それで判断できますわ!」
「安全を確保……前にお兄ちゃんがやった、土魔法の壁を作って立て篭ったらいいんじゃない?堀も作って水を溜めればもっと安心!」
「お前達……結局カズヤ任せか」
カミラの呟きは俺の心情の代弁ではない。決してないのだ。
◇◇◇
結局、最初に門を目視確認した場所、つまり馬車を待たせていた所が最も監視に適した場所だった。森の切れ目であり門までは一本の街道と周囲の畑があるのみ。マルチェナはエルレエラと同様に突き当たりの街のようだ。
アリシアが操縦するドローンが映し出した街の様子は、異様なほど静まり返っていた。
中央の広場にも広場に続く路地にも出歩く人影はない。
広場の井戸の周辺が濡れているように見えるから、使われてはいるのだろう。とすれば息を潜めて過ごす人々がいるという事だ。
「ねえ。あっちの家って焼け落ちてない?」
イザベルがモニターの隅を指差す。
回頭したドローンが映し出した映像には、確かに黒焦げの石積みだけが残った廃墟がぽつんとある。
「火事か?それにしても見事に焼け落ちているな」
「魔物のせいではないな。壁は無事だし、他の家に被害はないようだ」
「遺体を吊るしたのが住民だとすれば、少なくとも数日前までは衛兵かそれに近い立場の人間が生きているってことよね」
モニターを見ながらソフィアが呟く。
「魔物が吊るしたとは考えられませんの?」
「それはないだろう。何のために、どうやって。この2つがないと、あんな芸当はできない」
「でもネクロファゴは武器を使うんですわよね。だったら道具も使える、その知性があるということではないかしら」
「剣を振り回すだけなら小鬼でもやれる。大鬼やトローだって棍棒を使うし、縄で獲物を縛り上げもする。だが……」
「可能性はありますでしょ?」
「それはまあ……な。だが何のために?戦果の誇示?まさか」
ソフィアとカミラの答えの出ないやり取りを止めたのは、ディスプレイを注視していたアイダであった。
「鎧戸が動いた!アリシア!ここだ!」
ドローンが一度通り過ぎたエリアへと、アリシアが巧みな操作で回頭させる。
「風じゃないの?」
「いいや、風はそう強くない。絶対に内側から動いたんだ」
皆がディスプレイの前で画面を注視する。
「この窓だ。ほら!」
アイダが指差す先、石造りの建物の2階の窓に嵌められた木製の鎧戸がゆっくりと開いた。
中からこちらを覗いていたのは……
「子供だ!女の子だぞ!」
ドローンの飛翔音を聞きつけたのだろう。引き攣った顔の女の子がカメラに映し出された。かなり痩せて顔色も悪い。
と、急に女の子が画面から消えて窓が閉められた。女の子が自分で取った行動ではない。
「生存者がいる。それも複数だ」
目の前で確定した事項に、誰も異論を唱えなかった。
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