上 下
113 / 238

112.アルカンダラへの帰還①(6月19日)

しおりを挟む
寝ていたイザベルを起こし、全員でトローの亡骸を回収する。イザベルを起こすアリシアとの間で一悶着ありはしたのだが、アイダもビビアナも半ば呆れた感じだったので大事になることはなかった。
トロー戦で1番緊張していたのは、以前追い回されたことがあるというイザベルだった。それが魔物の襲撃もなく日当たりの良い場所にポイっと置かれたのだ。緊張の糸が切れて眠くもなるだろう。

それはさて置き、トローの亡骸を回収するといっても、トローが身に着けていた貴金属を取り外したうえで亡骸は収納魔法で収納していくだけだから、大した労力ではない。
腕輪や耳飾りは一部をカディスや近隣の村の復興資金に供出することにした。
破壊された南門の修復はもちろんのこと、汚損された倉庫群やゴブリン達の亡骸の処置にも多額の金銭が必要なのは目に見えている。もちろん街の人達は進んで協力してはくれているが、その間の生活の補償はいずれにせよ必要なのだ。

◇◇◇

「この洞窟どうしようか。一度魔石が生じた場所は、次の魔石を産みやすいともいうからね。また魔物の巣窟にでもなったら困る」

出立前にノエさんが口にしたのは、トローの巣窟の後始末であった。

「街道からも外れているので、入口を塞ぐだけでいいかもしれません」

「じゃあ私達を助けてくれた洞窟と同じように、入口を埋めちゃえばいいんじゃないですか?」

アリシアの提案が妥当だろう。これが街道沿いのシェルター代わりに使われている洞窟などなら潰してしまうと後が厄介そうだが、ここは手っ取り早く落盤させてしまおう。

◇◇◇

「なるほど。土魔法で洞窟の天井を崩すのか。これなら大鬼なんかを使役しても簡単には掘り起こせそうにないね」

「大鬼を使役するような奴の相手はしたくないです。ですが掘り起こすぐらいなら入口を別に掘っちゃうほうが早そうです」

入口を埋められた洞窟の前で、ノエさんとビビアナが唸っている。

「ノエさん、ビビアナ。そろそろ出発します」

2人を合流させ、カディスへの帰途につく。
手っ取り早く転移してもいいのだが、まあ焦る旅でもないし、まだ発見できていない何かの痕跡を見つけるかもしれない。それにトロー殲滅を心待ちにしている村人達には直接報告したい。

「一旦カディスに寄って衛兵隊長さんに報告して、あとは存在感のなかった連絡所にも顔は出しておかないとね」

「ええ。カディスの一件はアルカンダラにも伝わっているでしょうから、どんな尾鰭がついているやら」

「ビビアナも有名人になったから、一気に卒業しちゃうんじゃない?」

養成所とは学校とは異なり、純粋に実力主義なのだろう。幼い頃から魔物を狩ったり魔法を修めていたような者は、特に養成所を卒業しなくても狩人として活動してもいいらしい。だが一応国が認めた機関に登録しておけば何かと便利だという事と、手っ取り早く仲間が見つかる事から、狩人を志すほとんどの若者が養成所に入るということだ。

「皆さんの足を引っ張ることはないのでしょうか」

そんな不安を口にするビビアナの腕をイザベルが掴んで攫っていく。

「大丈夫じゃない?少なくともうちのパーティードは歓迎するよねえアイダちゃん!」

「ああ。追跡術も確かだし、イザベルほどムラっけはないし、文句無しだな」

「ちょい待ちアイダちゃん。ムラっけってどういう意味かなあ?」

「ビビアナさんの範囲魔法攻撃も強力だしね。あ!でも同じパーティードになるんなら服なんとかしなきゃ!カズヤさんと一緒だと藪漕ぎはするし地面を這うしで、すぐ泥だらけになっちゃうからね!」

何故か俺が悪者になってないか?

正直なところ敵が銃やそれに類する武器を使わないのなら、匍匐前進や塹壕戦などに意味はないのだ。
槍や刀を構えて突撃してくるだけの敵に対してならば、鉄条網でも張り巡らせた陣地に自動小銃を何挺も配備して、前方に突撃破砕線でも設定すればいい。
俺が迷彩服を着て前線に潜み魔物に忍び寄ろうとしているのは、どう考えても俺の自己満足に過ぎない。
とすれば娘達に負担を強いている俺はやっぱり悪者なのだろうか。

「ま~たイトー君は面白くもない事を考えてそうだね」

どうやら思考が顔に現れていたらしい。道すがらノエさんが話しかけてきた。

「それにしても、いいパーティードじゃないか。ここにならビビアナを預けられるな。今後ともあの子をよろしく頼むよ」

突然このお兄さんは何を言い出すのだろうか。

「女の狩人ってのはとにかく誘惑も危険も多いからね。さっさと彼氏なり旦那なりを作ってしまうか、有力なパーティードに潜り込むか、そうでなければ女だけのパーティードを組んで力をつけるか。そうでもしなければ身を滅ぼす。イトー君はビビアナがそうなるのを見過ごせる男ではないって、ボクは思ってるんだけどね」

ノエさんが軽くウインクなどしてみせる。男から受けるウインクなどぞっとしないが、信頼しているという意味だろう。

「まあ……乗り掛かった船ですから、皆の目的の港までは連れて行かねばならないのでしょうね」

「イトー君の目的地はあるのかい?」

「いや、それがもうさっぱりです」

「あっはっは。まあ普通でも人生40年とか50年はあるんだ。魔力を練り上げる術を持つ者なら、もっと長生きするものだからね。イトー君がどういう人生を歩んできて、これからどういう道を行くのかはボクにはわからない。でもあの子達、ビビアナも含めた4人が、何か道標になってくれるかもしれないよ」

ノエさんは薄々感づいているのだ。俺が単なる魔導師などではないということに。
そんな得体の知れない男に幼馴染みの少女を預ける、その気持ちはいったいどういうものなのだろう。

「わかりました。お預かりしましょう。それで、ビビアナはその事を?」

「ん?いやボクは話していない。だからビビアナがカディスやアルカンダラで別行動を取るっていうんなら、この話は無しだ。でもね」

話を切ってノエさんが4人娘の方を見る。

「あの子達、今更離れ離れになると思うかい?」

ビビアナとアリシア、アイダ、イザベルの4人が一緒に旅をするようになってから、まだ1ヶ月も経っていない。にも関わらず4人は息の合った狩りを見せるし、日常生活でも仲良くしている。
生真面目なビビアナはイザベルと多少反発する時もあるが、アリシアやアイダが仲裁すれば大抵は落とし所を見つけている。誰が欠けても上手くは回らないだろう。

「そうですね。答えは出ていると思います」

「それにね」

ノエさんが悪戯っぽく笑って話を続ける。

「カディスの件もトローの件も、イトー君達は目立ち過ぎた。ビビアナの魔法のおかげで勝てたって事にすれば話は丸く収まると思うんだよね」

それは間違いない。
検分の結果、カディスで倒したゴブリンやオーガの多くに致命傷を与えたのは、空から降った氷の礫であった。
卵大の大きさの氷の塊が広範囲に無数に降ったのだ。
車のフロントガラスを叩き割るような勢いの氷の直撃を受ければ、人間サイズの魔物などひとたまりもなかったのである。

「ビビアナのおかげで勝てたというのは、誇張でも嘘でもないですからね。今回の殊勲賞はあの子ですよ」

「シュクンショーってのが何かは分からないけど、あんまり調子には乗らせないであげてね。といってもあの子達と一緒にいれば大丈夫だろうけど」

「どうしてですか?」

「だって考えてもみてよ。近接戦闘ではアイダちゃんやイザベルちゃんに敵わないし、追跡術でもイザベルちゃんと同等ぐらい。遠距離攻撃の精度ではイザベルちゃんのほうが上。広範囲攻撃ならビビアナに軍配が上がるけど、アリシアちゃんやイトー君の魔道具を使えば同じ事ができる。となるとビビアナが増長する理由がない」

これは手厳しい意見だ。
身内に厳しく見ているとしても、ビビアナに聞かせれば凹んでしまうに違いない。

「でも逆に言えば、近接戦闘では俺やアリシアに勝り、遠距離攻撃ではアイダに勝り、広範囲攻撃ではイザベルに勝るという事でしょう?それだけでも立派なものだと思いますよ」

「そうだね。そうやってあの子の長所を伸ばしてやってくれると嬉しいな。やっぱりイトー君は教官向きなんだね。収まるべき所に剣は収まるものなのさ」

なんだか上手く丸め込まれたような気もするが、まあ悪い気はしない。
結局のところ、人は1人では生きてはいけないのだ。

◇◇◇

「カズヤさん!村が見えます!」

日が陰りだす前には、カディスとの間にある村へとたどり着いた。俺達がカディスに来る前に、トローによる被害が出ていた村だ。
ビビアナがノエさんと共に真っ先に村長の所に報告に行くのを、俺達は村の中心部の井戸の傍らで待つ事にした。
あまり大人数で押し掛けるのもかえって迷惑だろうし、ここは2人に任せよう。

村の片隅にあった破壊された家屋の取り壊しが進み、新しく家が建つ様子を見せている。
イザベルが自分より少し幼く見える子供達を集めて、ドライフルーツなどを配り出した。普段は甘えっ子キャラの癖に、自分より年下にはお姉さんぶりたいらしい。いや、そういう一面もイザベルの良いところなのだ。

「カズヤさん。怪我をした人とか体調を崩してる人がいないか見てきますね」

「ああ。アイダもアリシアに付いてやってくれ」

「わかりました。カズヤ殿はまだしばらくここに?」

「イザベルを見ていないとな。俺までいなくなったら、イザベルが探し回らないといけなくなる」

「そうですね。では行ってきます」

駆け出すアリシアとアイダを見送り、改めて井戸の縁に腰掛ける。
一通りドライフルーツを配り終えたイザベルが戻ってきて、俺の膝の上にちょこんと座る。

「お兄ちゃん。あの家の跡地には、身寄りを無くした人達がまとまって暮らすんだって。カディスからの応援も来てるらしいけど、これからが大変よね。でもみんな明るくて良かった」

そうか。ゴブリンの大群に襲われたカディスの街でも、グサーノの襲撃を受けたイリョラ村でも、アメフラシの化け物が押し寄せたナバテヘラでも、街や村の人々は泣き言も言わずに復興にあたっていた。
このポジティブさはどこから来るのだろう。

例えば俺が何かの災害に見舞われて、家も家財も家族も失ったらどうするのだろう。悲観して自殺でもするだろうか。或いは誰かを恨み、行政や国に文句を言いながら沈んだ暮らしを送るのだろうか。

この世界の人々は現代人の俺から見れば驚くほど質素な生活を営んでいる。
夜明けと共に起き、働き、日が沈めば寝る。
電気や水道、ガスも無く、当然テレビや漫画もない。
失って困るのは畑や家畜、小舟や漁網、そして自分の命だ。
そんな生活から、俺がこの世界に持ち込んでしまった自宅での生活にどっぷりと浸かってしまった娘達の価値観や優先順位がどのように変わってしまったかを思う時、正直空恐ろしくなる。
俺はこの娘達の人生そのものを破壊してしまったのかもしれない。

「お兄ちゃんどうしたの?髪撫でてくれるのは嬉しいけど、顔がちょっと怖いよ?」

イザベルが俺の顔を覗き込んできた。
半ば無意識のうちに、イザベルのキャップから覗く銀髪を弄んでいたらしい。

「大丈夫。私はずっとお兄ちゃんのそばに居るから。私はって言ったらみんなに怒られちゃうか。“私達は”ね?」

「ああ。すまないな」

イザベルが少し困ったように笑う。

「どうして謝るの?こんな美少女に囲まれて、そこは喜ぶところでしょ?あ!アリシアちゃん達が帰ってきたよ!」

イザベルが手を振る先には、走って戻ってくるアリシアとアイダの姿があった。

「イザベルちゃんズルい!じゃなくって、カズヤさん手伝ってください!腰を痛めたお爺さんがいるんですけど、私の治癒魔法じゃどうにも効き目が弱くって」

「何でも倒れた柱を持ち上げようとして、そのまま倒れてしまったようです。“もう儂はダメじゃあ”とか言っています」

ぎっくり腰か。
安静にしていれば回復するのだろうが、苦しんでいる人を放っておくわけにもいくまい。

この夜は村長の招きに甘える形で、この村で一泊した。
ビビアナとイザベルが身振り手振りを駆使して語る武勇伝で村人達を大いに湧かせたのは言うまでもない。
しおりを挟む
感想 230

あなたにおすすめの小説

劣等生のハイランカー

双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
ダンジョンが当たり前に存在する世界で、貧乏学生である【海斗】は一攫千金を夢見て探索者の仮免許がもらえる周王学園への入学を目指す! 無事内定をもらえたのも束の間。案内されたクラスはどいつもこいつも金欲しさで集まった探索者不適合者たち。通称【Fクラス】。 カーストの最下位を指し示すと同時、そこは生徒からサンドバッグ扱いをされる掃き溜めのようなクラスだった。 唯一生き残れる道は【才能】の覚醒のみ。 学園側に【将来性】を示せねば、一方的に搾取される未来が待ち受けていた。 クラスメイトは全員ライバル! 卒業するまで、一瞬たりとも油断できない生活の幕開けである! そんな中【海斗】の覚醒した【才能】はダンジョンの中でしか発現せず、ダンジョンの外に出れば一般人になり変わる超絶ピーキーな代物だった。 それでも【海斗】は大金を得るためダンジョンに潜り続ける。 難病で眠り続ける、余命いくばくかの妹の命を救うために。 かくして、人知れず大量のTP(トレジャーポイント)を荒稼ぎする【海斗】の前に不審に思った人物が現れる。 「おかしいですね、一学期でこの成績。学年主席の私よりも高ポイント。この人は一体誰でしょうか?」 学年主席であり【氷姫】の二つ名を冠する御堂凛華から注目を浴びる。 「おいおいおい、このポイントを叩き出した【MNO】って一体誰だ? プロでもここまで出せるやつはいねーぞ?」 時を同じくゲームセンターでハイスコアを叩き出した生徒が現れた。 制服から察するに、近隣の周王学園生であることは割ている。 そんな噂は瞬く間に【学園にヤバい奴がいる】と掲示板に載せられ存在しない生徒【ゴースト】の噂が囁かれた。 (各20話編成) 1章:ダンジョン学園【完結】 2章:ダンジョンチルドレン【完結】 3章:大罪の権能【完結】 4章:暴食の力【完結】 5章:暗躍する嫉妬【完結】 6章:奇妙な共闘【完結】 7章:最弱種族の下剋上【完結】

日本帝国陸海軍 混成異世界根拠地隊

北鴨梨
ファンタジー
太平洋戦争も終盤に近付いた1944(昭和19)年末、日本海軍が特攻作戦のため終結させた南方の小規模な空母機動部隊、北方の輸送兼対潜掃討部隊、小笠原増援輸送部隊が突如として消失し、異世界へ転移した。米軍相手には苦戦続きの彼らが、航空戦力と火力、機動力を生かして他を圧倒し、図らずも異世界最強の軍隊となってしまい、その情勢に大きく関わって引っ掻き回すことになる。

クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される

こたろう文庫
ファンタジー
日頃からいじめにあっていた影宮 灰人は授業中に突如現れた転移陣によってクラスごと転移されそうになるが、咄嗟の機転により転移を一人だけ回避することに成功する。しかし女神の説得?により結局異世界転移するが、転移先の国王から職業[逃亡者]が無能という理由にて処刑されることになる 初執筆作品になりますので日本語などおかしい部分があるかと思いますが、温かい目で読んで頂き、少しでも面白いと思って頂ければ幸いです。 なろう・カクヨム・アルファポリスにて公開しています こちらの作品も宜しければお願いします [イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で学園最強に・・・]

【本編完結済み/後日譚連載中】巻き込まれた事なかれ主義のパシリくんは争いを避けて生きていく ~生産系加護で今度こそ楽しく生きるのさ~

みやま たつむ
ファンタジー
【本編完結しました(812話)/後日譚を書くために連載中にしています。ご承知おきください】 事故死したところを別の世界に連れてかれた陽キャグループと、巻き込まれて事故死した事なかれ主義の静人。 神様から強力な加護をもらって魔物をちぎっては投げ~、ちぎっては投げ~―――なんて事をせずに、勢いで作ってしまったホムンクルスにお店を開かせて面倒な事を押し付けて自由に生きる事にした。 作った魔道具はどんな使われ方をしているのか知らないまま「のんびり気ままに好きなように生きるんだ」と魔物なんてほっといて好き勝手生きていきたい静人の物語。 「まあ、そんな平穏な生活は転移した時点で無理じゃけどな」と最高神は思うのだが―――。 ※「小説家になろう」と「カクヨム」で同時掲載しております。

クラス転移、異世界に召喚された俺の特典が外れスキル『危険察知』だったけどあらゆる危険を回避して成り上がります

まるせい
ファンタジー
クラスごと集団転移させられた主人公の鈴木は、クラスメイトと違い訓練をしてもスキルが発現しなかった。 そんな中、召喚されたサントブルム王国で【召喚者】と【王候補】が協力をし、王選を戦う儀式が始まる。 選定の儀にて王候補を選ぶ鈴木だったがここで初めてスキルが発動し、数合わせの王族を選んでしまうことになる。 あらゆる危険を『危険察知』で切り抜けツンデレ王女やメイドとイチャイチャ生活。 鈴木のハーレム生活が始まる!

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

元34才独身営業マンの転生日記 〜もらい物のチートスキルと鍛え抜いた処世術が大いに役立ちそうです〜

ちゃぶ台
ファンタジー
彼女いない歴=年齢=34年の近藤涼介は、プライベートでは超奥手だが、ビジネスの世界では無類の強さを発揮するスーパーセールスマンだった。 社内の人間からも取引先の人間からも一目置かれる彼だったが、不運な事故に巻き込まれあっけなく死亡してしまう。 せめて「男」になって死にたかった…… そんなあまりに不憫な近藤に神様らしき男が手を差し伸べ、近藤は異世界にて人生をやり直すことになった! もらい物のチートスキルと持ち前のビジネスセンスで仲間を増やし、今度こそ彼女を作って幸せな人生を送ることを目指した一人の男の挑戦の日々を綴ったお話です!

鑑定能力で恩を返す

KBT
ファンタジー
 どこにでもいる普通のサラリーマンの蔵田悟。 彼ははある日、上司の悪態を吐きながら深酒をし、目が覚めると見知らぬ世界にいた。 そこは剣と魔法、人間、獣人、亜人、魔物が跋扈する異世界フォートルードだった。  この世界には稀に異世界から《迷い人》が転移しており、悟もその1人だった。  帰る方法もなく、途方に暮れていた悟だったが、通りすがりの商人ロンメルに命を救われる。  そして稀少な能力である鑑定能力が自身にある事がわかり、ブロディア王国の公都ハメルンの裏通りにあるロンメルの店で働かせてもらう事になった。  そして、ロンメルから店の番頭を任された悟は《サト》と名前を変え、命の恩人であるロンメルへの恩返しのため、商店を大きくしようと鑑定能力を駆使して、海千山千の商人達や荒くれ者の冒険者達を相手に日夜奮闘するのだった。

処理中です...