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70.モスカスと遭遇する(5月20日)
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飛び回る昆虫型の魔物はモスカスというらしい。
響きからして蚊とか蝿といった意味のようだが、俺は奴の正体に心当たりがある。
大きな複眼に尖った口吻、黄色と黒の毛で覆われた胴体。大きな鉤爪を持つ太い脚。
肉食性のムシヒキアブの一種だろう。
シオヤアブ の仲間と表現すれば、ピンとくるだろうか。
自分の体長を遙かに超える甲虫類やカマキリ、果てはスズメバチなども襲い体液を吸う、獰猛な昆虫だ。
そのモスカスが4匹、同じ所を周回している。
「ねえ、あのモスカス達って、何してるんだろ」
イザベルの問いに答えが見つからない。
地表に何かがあるから周回しているのだとは思うが、今の位置からは地表を覗き見る事ができない。
「ゆっくり近寄る。イザベルとアリシアは周辺警戒。アイダは俺についてきてくれ」
「わかった。剣を背負い直すからちょっと待ってくれ」
アイダが木の陰に隠れたまま器用に腰の剣を外し、背中に背負う。このまま匍匐前進することを悟ってくてたようだ。
「よし。行ける」
アイダの合図を聞いて、俺は匍匐前進を開始する。
丘の上から麓までの緩やかな傾斜地には、ところどころに生えている低木の他は膝下ほどの高さでしか草が生えていない。
そんな悪条件ではあるが、地表の凹凸を使いながら可能な限りのスピードで斜面を下る。
距離にすればたった10メートルほどだろうが、たっぷり5分はかけてようやく様子が窺える位置にたどり着いた。
アイダも慣れない匍匐前進によく付いてきてくれた。
「はあ…はあ……何なのですかこの移動方法は……物凄く疲れます……」
剣士という特性上、地に伏せて移動するなど訓練したこともないだろう。こんな訓練をするのは、銃の使用を前提とした近代軍か、あるいは暗殺者か忍者ぐらいのものだ。
「すまんな。お陰で状況が把握できそうだが……あれって何だと思う?」
低木の茂みをG36Cの筒先で掻き分け、その先を示す。
「あれは……馬の死体ですね」
そうなのだ。首の付け根から血を流したまま動かない馬の死体が、草地にポツンと置かれている。
4匹のモスカスはその周囲を一定の距離を保って周回しているのだ。その様子はさながら事件現場を上空から撮影している報道ヘリのようにも見える。
「あの馬を狙っているのでしょうか。でもそれならサッサと喰らってしまえばいいのに」
アイダの言うとおりだ。お互いが牽制しあっているというよりも、何かを待っているのか。
「アイダ。動物の死体に反応する大型の生き物や魔物。心当たりはあるか?」
「え?それはもう幾らでも。例えば小鬼などは屍肉あさりで有名ですし、虫の魔物も……まさか……」
この世界での初めてのゴブリン戦の時、森の中で討ち果たしたため回収できなかったゴブリンの死体は、翌日には綺麗さっぱり消えていた。よほど大食漢の掃除人スカベンジャーがいるものだと思ったものだが、やはり魔物化した虫がその役目を果たしているようだ。
「あれは罠に置いている餌だな。奴らは馬の死体を喰えるぐらいの大きさの魔物が現れるのを待っているのではないだろうか」
「ですが、あれほどの羽音を立てていれば、警戒して何も近づいては来ないのでは?」
「地上からはな。地下からならどうだろう」
「地下って……グサーノ!?」
「その可能性が高い。しばらく様子を見よう」
「了解です。あとの2人も呼びますか?」
「いや、ここで露見すれば四方を囲まれる。一旦森の際まで戻るぞ」
「了解です……」
実は匍匐前進は登りの方が少しは楽だ。いや、単に敵が見えないから必死に登るしかないだけなのかもしれないが。
何とかアリシア達の所に引き返した俺達の姿を見て、イザベルが吹き出す。
「アイダちゃん服が草木染めみたいになってる!」
「仕方ないだろう!まさか地べたを這うとは思わなかったし!」
「こらイザベル。匍匐前進は基本的な戦闘技術だ。馬鹿にしない。今度はイザベルにもやってもらうからな」
「私は木に登るからいいよ!!」
「ほう?木に登ってモスカスに近づけるのか?」
「ここじゃ無理だけど……」
「お前が得意としている短剣も、敵に接近しなければ使えないだろう?いつでも自分に有利な戦場が選べるとは限らない。不得手な戦場でも、少しでも自分に有利な位置を占めて攻撃しなければ、強かに反撃を受ける。わかるだろう?」
「はい……アイダちゃん。笑ってごめん」
「それよりアイダちゃん怪我は?草で切ったりしてない?」
「ちょっと擦り傷ぐらいはあるかもしれないけど……いや、薬草は勘弁してくれ」
道中で採取したアルテミサとヘンフィアナを取り出すアリシアを、慌ててアイダが止める。
「いいならいいけど。それで、モスカスは何を?」
「ああ。たぶん、より大きな獲物を狙って罠を張っているようだ。馬の死体が落ちていた」
「まさかそんな……虫型の魔物にそんな知恵が……」
昆虫には脳と呼ばれる器官はない。だから知性も無いと思われがちだが、そんな昆虫は他の脊椎動物にはない構造がある。身体中に張り巡らされた神経と神経節だ。そのおかげで、脊椎動物にはない感覚を得て、素早い動きも可能なのだ。
とまあそんな解説をしている場合ではないな。
「奴らが獲物に集中しているうちに、少し近づこう。どうやら上方への警戒は強くないようだ」
「了解です。イザベルちゃんは弓を肩から下ろして。なるべく姿勢を低くね」
「わかってるよ!」
「先頭は俺。その後ろにイザベル、アリシア。殿しんがりはアイダに任せる。行くぞ!」
◇◇◇
「うへえ…アイダちゃん、さっきは笑ってごめん……」
先ほどアイダと2人で来た時はいわゆる第四匍匐、ほぼ完全に地に伏せた状態での前進だったが、今回はもう少し大胆に第三匍匐での前進を行った。左肘と左側面を地に付け、右足の力で前進する方法だ。第四匍匐よりもだいぶスピードは上がるのだが、いずれにせよイザベル達には辛い移動方法だったようだ。
「いや……わかってくれればいい……」
イザベルに応えるアイダの声も疲れている。
今いる場所は先ほどもいた草むらだ。前進中にモスカスの一匹がこちらをチラッと気にしたように見えたが、結局近寄ってくることはなかった。
「確かに馬の死体だね。胴体にもひっかき傷があるみたいだけど……まさかモスカスが運んできたの?」
「まさかあ。たまたまあそこにいたのを、モスカスが狩ったんじゃない?」
「それにしては周りの草が荒れていない。やはりあそこにポイっと置かれたんじゃないか?」
双眼鏡で回し見しながら、3人娘が小声で意見交換している。
アリシアとアイダが言うとおり、馬の死体の状況から推測するにモスカスが狩って運んできたと考えるのが自然だろう。この世界の馬はサラブレッドよりは小型ではあるが、それでも体重数百キロはあるはずだ。その死体を運ぶとすれば奴らの揚力はどれほどあるのやら。小柄なイザベルや、俺でさえ簡単に攫われてしまうだろう。
「どうする?一気にやっちゃう?」
「いや、様子を見よう。各自戦闘準備。相手は空を飛ぶ魔物だ。アイダもエアガンを使ってくれ」
そう言ってアイダにMP5A5を手渡す。受け取ったアイダは慣れた手つきでマガジンを挿し、ゼンマイをそっと巻き上げる。
「私は?弓矢でいい?」
「いや、たぶん奴らは鳥よりも素早く動くのだろう?弓矢では少々心許ない。イザベルはG36Cを持ってろ。俺はこっちを使う」
俺はG36Cをイザベルに渡し、G36Vを取り出す。二脚付きの軽機関銃タイプのエアガンだ。
「了解。あ~いつまで見てればいいのかな。グサーノも出るならさっさと出ればいいのに」
「イザベルちゃんはすぐそういう事を言う……悪い癖だっ……へっ……へっ……」
アリシアの呼吸が乱れた。まさか……
「へっくしょん!!!」
隣にいたアイダがアリシアの口元に手を伸ばすが時すでに遅し。
盛大なクシャミが辺りに響き渡った。
モスカス達が一斉にこちらを見る。
次の瞬間、馬の死体の周囲の土が盛り上がり、何かが地を割って躍り出た。
「なにあれ……あれがグサーノ?」
その何かを形容するならば、巨大なムカデあるいはゴカイといったところか。
黄土色の胴体はいくつもの節に分かれ、側面にはいくつもの足のようなものが生えている。胴体の太さは人間の一抱えよりも遥かに太く、長さは地表に躍り出た部分だけでも優に3メートルは越えている。その口元に生えている一対の牙が、カチカチと不気味な音を立てている。
「私が知っているグサーノは、もっと小さなミミズの魔物だったぞ!せいぜい2メートル級だ!」
アイダが言う2メートルのミミズも見たくはないが、確かに目の前にいる魔物は2メートルのミミズよりも数倍恐ろしい。
そのグサーノは馬の死体に喰いつき、そのまま地中へとまるで逆再生するかのようにスルスルと戻っていく。
一瞬遅れてモスカスが殺到するが、時既に遅し。
グサーノは完全に地中に潜り、取り残された4匹のモスカスが互いに衝突を避けるように飛び離れていく。
「あちゃあ……せっかくずっと待ってたのにねえ。残念でした」
イザベルが大して同情もしていなさそうな声で呟く。
「みんなごめん……って!モスカスが戻ってくるよ!!」
「まさか私達を狙っている?」
響きからして蚊とか蝿といった意味のようだが、俺は奴の正体に心当たりがある。
大きな複眼に尖った口吻、黄色と黒の毛で覆われた胴体。大きな鉤爪を持つ太い脚。
肉食性のムシヒキアブの一種だろう。
シオヤアブ の仲間と表現すれば、ピンとくるだろうか。
自分の体長を遙かに超える甲虫類やカマキリ、果てはスズメバチなども襲い体液を吸う、獰猛な昆虫だ。
そのモスカスが4匹、同じ所を周回している。
「ねえ、あのモスカス達って、何してるんだろ」
イザベルの問いに答えが見つからない。
地表に何かがあるから周回しているのだとは思うが、今の位置からは地表を覗き見る事ができない。
「ゆっくり近寄る。イザベルとアリシアは周辺警戒。アイダは俺についてきてくれ」
「わかった。剣を背負い直すからちょっと待ってくれ」
アイダが木の陰に隠れたまま器用に腰の剣を外し、背中に背負う。このまま匍匐前進することを悟ってくてたようだ。
「よし。行ける」
アイダの合図を聞いて、俺は匍匐前進を開始する。
丘の上から麓までの緩やかな傾斜地には、ところどころに生えている低木の他は膝下ほどの高さでしか草が生えていない。
そんな悪条件ではあるが、地表の凹凸を使いながら可能な限りのスピードで斜面を下る。
距離にすればたった10メートルほどだろうが、たっぷり5分はかけてようやく様子が窺える位置にたどり着いた。
アイダも慣れない匍匐前進によく付いてきてくれた。
「はあ…はあ……何なのですかこの移動方法は……物凄く疲れます……」
剣士という特性上、地に伏せて移動するなど訓練したこともないだろう。こんな訓練をするのは、銃の使用を前提とした近代軍か、あるいは暗殺者か忍者ぐらいのものだ。
「すまんな。お陰で状況が把握できそうだが……あれって何だと思う?」
低木の茂みをG36Cの筒先で掻き分け、その先を示す。
「あれは……馬の死体ですね」
そうなのだ。首の付け根から血を流したまま動かない馬の死体が、草地にポツンと置かれている。
4匹のモスカスはその周囲を一定の距離を保って周回しているのだ。その様子はさながら事件現場を上空から撮影している報道ヘリのようにも見える。
「あの馬を狙っているのでしょうか。でもそれならサッサと喰らってしまえばいいのに」
アイダの言うとおりだ。お互いが牽制しあっているというよりも、何かを待っているのか。
「アイダ。動物の死体に反応する大型の生き物や魔物。心当たりはあるか?」
「え?それはもう幾らでも。例えば小鬼などは屍肉あさりで有名ですし、虫の魔物も……まさか……」
この世界での初めてのゴブリン戦の時、森の中で討ち果たしたため回収できなかったゴブリンの死体は、翌日には綺麗さっぱり消えていた。よほど大食漢の掃除人スカベンジャーがいるものだと思ったものだが、やはり魔物化した虫がその役目を果たしているようだ。
「あれは罠に置いている餌だな。奴らは馬の死体を喰えるぐらいの大きさの魔物が現れるのを待っているのではないだろうか」
「ですが、あれほどの羽音を立てていれば、警戒して何も近づいては来ないのでは?」
「地上からはな。地下からならどうだろう」
「地下って……グサーノ!?」
「その可能性が高い。しばらく様子を見よう」
「了解です。あとの2人も呼びますか?」
「いや、ここで露見すれば四方を囲まれる。一旦森の際まで戻るぞ」
「了解です……」
実は匍匐前進は登りの方が少しは楽だ。いや、単に敵が見えないから必死に登るしかないだけなのかもしれないが。
何とかアリシア達の所に引き返した俺達の姿を見て、イザベルが吹き出す。
「アイダちゃん服が草木染めみたいになってる!」
「仕方ないだろう!まさか地べたを這うとは思わなかったし!」
「こらイザベル。匍匐前進は基本的な戦闘技術だ。馬鹿にしない。今度はイザベルにもやってもらうからな」
「私は木に登るからいいよ!!」
「ほう?木に登ってモスカスに近づけるのか?」
「ここじゃ無理だけど……」
「お前が得意としている短剣も、敵に接近しなければ使えないだろう?いつでも自分に有利な戦場が選べるとは限らない。不得手な戦場でも、少しでも自分に有利な位置を占めて攻撃しなければ、強かに反撃を受ける。わかるだろう?」
「はい……アイダちゃん。笑ってごめん」
「それよりアイダちゃん怪我は?草で切ったりしてない?」
「ちょっと擦り傷ぐらいはあるかもしれないけど……いや、薬草は勘弁してくれ」
道中で採取したアルテミサとヘンフィアナを取り出すアリシアを、慌ててアイダが止める。
「いいならいいけど。それで、モスカスは何を?」
「ああ。たぶん、より大きな獲物を狙って罠を張っているようだ。馬の死体が落ちていた」
「まさかそんな……虫型の魔物にそんな知恵が……」
昆虫には脳と呼ばれる器官はない。だから知性も無いと思われがちだが、そんな昆虫は他の脊椎動物にはない構造がある。身体中に張り巡らされた神経と神経節だ。そのおかげで、脊椎動物にはない感覚を得て、素早い動きも可能なのだ。
とまあそんな解説をしている場合ではないな。
「奴らが獲物に集中しているうちに、少し近づこう。どうやら上方への警戒は強くないようだ」
「了解です。イザベルちゃんは弓を肩から下ろして。なるべく姿勢を低くね」
「わかってるよ!」
「先頭は俺。その後ろにイザベル、アリシア。殿しんがりはアイダに任せる。行くぞ!」
◇◇◇
「うへえ…アイダちゃん、さっきは笑ってごめん……」
先ほどアイダと2人で来た時はいわゆる第四匍匐、ほぼ完全に地に伏せた状態での前進だったが、今回はもう少し大胆に第三匍匐での前進を行った。左肘と左側面を地に付け、右足の力で前進する方法だ。第四匍匐よりもだいぶスピードは上がるのだが、いずれにせよイザベル達には辛い移動方法だったようだ。
「いや……わかってくれればいい……」
イザベルに応えるアイダの声も疲れている。
今いる場所は先ほどもいた草むらだ。前進中にモスカスの一匹がこちらをチラッと気にしたように見えたが、結局近寄ってくることはなかった。
「確かに馬の死体だね。胴体にもひっかき傷があるみたいだけど……まさかモスカスが運んできたの?」
「まさかあ。たまたまあそこにいたのを、モスカスが狩ったんじゃない?」
「それにしては周りの草が荒れていない。やはりあそこにポイっと置かれたんじゃないか?」
双眼鏡で回し見しながら、3人娘が小声で意見交換している。
アリシアとアイダが言うとおり、馬の死体の状況から推測するにモスカスが狩って運んできたと考えるのが自然だろう。この世界の馬はサラブレッドよりは小型ではあるが、それでも体重数百キロはあるはずだ。その死体を運ぶとすれば奴らの揚力はどれほどあるのやら。小柄なイザベルや、俺でさえ簡単に攫われてしまうだろう。
「どうする?一気にやっちゃう?」
「いや、様子を見よう。各自戦闘準備。相手は空を飛ぶ魔物だ。アイダもエアガンを使ってくれ」
そう言ってアイダにMP5A5を手渡す。受け取ったアイダは慣れた手つきでマガジンを挿し、ゼンマイをそっと巻き上げる。
「私は?弓矢でいい?」
「いや、たぶん奴らは鳥よりも素早く動くのだろう?弓矢では少々心許ない。イザベルはG36Cを持ってろ。俺はこっちを使う」
俺はG36Cをイザベルに渡し、G36Vを取り出す。二脚付きの軽機関銃タイプのエアガンだ。
「了解。あ~いつまで見てればいいのかな。グサーノも出るならさっさと出ればいいのに」
「イザベルちゃんはすぐそういう事を言う……悪い癖だっ……へっ……へっ……」
アリシアの呼吸が乱れた。まさか……
「へっくしょん!!!」
隣にいたアイダがアリシアの口元に手を伸ばすが時すでに遅し。
盛大なクシャミが辺りに響き渡った。
モスカス達が一斉にこちらを見る。
次の瞬間、馬の死体の周囲の土が盛り上がり、何かが地を割って躍り出た。
「なにあれ……あれがグサーノ?」
その何かを形容するならば、巨大なムカデあるいはゴカイといったところか。
黄土色の胴体はいくつもの節に分かれ、側面にはいくつもの足のようなものが生えている。胴体の太さは人間の一抱えよりも遥かに太く、長さは地表に躍り出た部分だけでも優に3メートルは越えている。その口元に生えている一対の牙が、カチカチと不気味な音を立てている。
「私が知っているグサーノは、もっと小さなミミズの魔物だったぞ!せいぜい2メートル級だ!」
アイダが言う2メートルのミミズも見たくはないが、確かに目の前にいる魔物は2メートルのミミズよりも数倍恐ろしい。
そのグサーノは馬の死体に喰いつき、そのまま地中へとまるで逆再生するかのようにスルスルと戻っていく。
一瞬遅れてモスカスが殺到するが、時既に遅し。
グサーノは完全に地中に潜り、取り残された4匹のモスカスが互いに衝突を避けるように飛び離れていく。
「あちゃあ……せっかくずっと待ってたのにねえ。残念でした」
イザベルが大して同情もしていなさそうな声で呟く。
「みんなごめん……って!モスカスが戻ってくるよ!!」
「まさか私達を狙っている?」
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