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58.養成所に就職する(5月15日)
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そこからは俺がどんな魔法が使えるのか質問責めにあった。
とはいえ、どんな魔法がこの世界にあるのか、その全貌を俺自身が分かっていないために、質問に対する答えが要領を得ない。
「怪我人の治療はできるの?骨折や切り傷などは?」
「添え木を当てた上で治癒魔法を掛ければ、骨折は治せると思います。切り傷も深ければ縫合と治癒魔法を併用したほうがいいかと」
「添え木を当てて固定するのは普通のやり方ね。縫合というのは?傷口を縫う?」
「ええ。絹糸や細い木綿糸などで……あれ?縫合って一般的じゃないのですか?」
「深い傷なら清潔な布で抑えながら治癒魔法を重ね掛けするのが一般的ね……ただその方法では術者の魔法残量次第では助けられないこともある」
それはそうだろう。治癒魔法とは自然治癒力を高めて自己修復する手助けをしているようだからな。
しかし、この世界の医療行為ってある意味で凄いのかもしれない。何でもかんでも治癒魔法なのだ。歯痛にも腹痛にも正露丸みたいなものだ。
「えっと……開放性損傷で怖いのは失血と感染症です。失血を抑える方法は幾つかありますが、その内の一つが直接圧迫止血法、つまり先ほど校長先生が仰った“清潔な布などで傷口を抑える”方法です。もう一つは止血帯などで心臓に近い部分を縛り出血を止める方法です。傷口を冷やすのも効果はありますね。出血が止まれば、あとは傷口を洗って各組織を繋ぎ合わせていきます。例えば骨ごと断たれているのならまずは骨を正しい位置で繋ぎ、次に筋肉や血管、神経、そして最後に皮膚を。要所で感染症を防ぐための消毒は必要です。全部を一気にやろうとすれば膨大な魔力を消費するでしょうが、順番に行使していけば、局所的な魔力行使で済むはずなので……ってあれ?どうしました?」
何やら懸命にメモを取っていたカミラさんの動きが止まっている。
「カズヤ君は導師?いや今は違っても、導師になる気はない?」
カミラさんが真っ直ぐ俺の目を見て言う。
冗談などではないらしい。
「それは今から養成所に入所してという事ですか?」
俺の質問にカミラさんが頭を振る。
「まさか。私達がカズヤ君に教えることは無さそうよ。あるとしたら私達の常識や知識はこんな感じだけど、どう思う?ってことぐらいね。だから、カズヤ君には養成所所属の魔導師として登録してもらって、私達と対等の立場になって欲しいの。校長先生はどうお考えですか?」
「そうですね。カズヤ君も含めた4人の身の振り方は決めなければね。マンティコレの処置はダナに任せて、校長室へ戻りましょう」
そうである。
俺が質問責めに合っている間に、中庭に取り出したマンティコレの遺骸の処置をダナさんが進めてくれていた。
3頭のマンティコレは養成所が買い取ってくれることになった。買取金額は一頭あたり金貨20枚、総額60枚だが、この中から20枚をアリシア達の喪った仲間達への補償金に加えてもらう事にした。
その結果、俺達の取り分は一人当たり10枚とキリのいい数字になった。
ティラボーン2頭から得られた金額と比較すれば見劣りしてしまうが、十分に破格の収入だろう。
◇◇◇
校長室に戻った俺達は、最初に座っていたのと同じように着席する。
新たに届けられたらしい報告書のような羊皮紙を見ながら、校長先生が口を開いた。
「さて、マンティコレを狩ったという事実は証明されたわけですが、この4人をどのように遇するべきか、先生方の意見を聞かせてください」
真っ先に手を挙げたのはバルトロメ寮監だ。
「はっきりさせておかねばならんのは、この者達が紛れもなく獅子狩人であるという事実だ。この事実だけでも、この者達を魔物狩人に認定するべきだと思う」
「そうですな。卒業には少々早いが、この者達を更に1年間この養成所に留めておくことが世の為になるとは思えません。特例として卒業を認めてはいかがでしょう」
「それにカズヤ君は魔導師として登録して、私のパートナーになっていただかないと」
モンロイ師の発言に意味不明な言葉を被せてきたのはカミラさんだ。
「ちょっと待ってください!パートナーってどういう意味ですか?カズヤさんはこのまま私達と同じパーティードでいてもらう約束です!」
「あら?別にそれは構わないわよ?日中は私も講義があるし、夜に帰って来てさえくれればね」
「夜に…帰って……なんだか一緒に住むように聞こえますけど……?」
「それもいいわねえ!カズヤ君どうかしら?」
「はあああ??いくら先生でも今のは聞き捨てならないよ!?お兄ちゃんは渡さないからね!?」
「“お兄ちゃん”ねえ。カズヤ君。こんな小娘達の世話をしていても仕方ないでしょう?私と大人のお付き合いをしませんか?」
「お兄ちゃんこそこんな“おばちゃん”の相手しないよね!?」
やれやれ……曲がりなりにも魔法師や魔導師と呼ばれているのだから、もう少しクレバーな会話にならないのだろうか。
「残念ながら俺は誰のものでもありませんし、イザベル達の世話を焼いていたわけでもありません。きっかけはどうあれ、この子達を護りたいという一心でここまで来ました。カミラさんのお誘いは大変魅力的ですが、俺はこの子達と共にいます」
俺の言葉を聞いて、イザベルとアリシア、アイダがガッツポーズをする。
「あ~あ…振られちゃったかあ……」
「カミラはそういう言い方がダメなのですよ。3人の先生方の意見を聞きましたが、結論は一つのようです。まずアイダ、アリシア、イザベルの3名は王立アルカンダラ狩人養成所の全課程を修了したものと見做し、本日を持って卒業とします。イトー カズヤ殿は、本日付で当養成所が教官待遇魔導師として採用します。主任務はルシタニア周辺の探索と効率的に魔物を撃退するための魔道具や魔法の開発、駆け出しの狩人達の指導とします。当面はアリシア達のパーティードに入っていただくということで異論はありませんか?」
「あの…それはカズヤ殿が先生になるという事でしょうか?」
「そうです。そうでもしなければ、国軍や騎士団に攫われてしまいそうですからね。その点、教官待遇の狩人ならば、その身分だけで衛兵隊や国軍には優位に立てます。厄介なのは騎士団との関係ですが、王国を守るという点においては同格ですから、遜る必要はありません。魔道具の開発を行う魔導師ということであれば、誰も見たことがない魔道具を持っていても当然です。それらを踏まえた上で、カズヤ君には当養成所の教官になっていただきたいと思います」
教官、つまりモンロイ師やカミラさんと同じく先生と呼ばれる立場ということか。そんな呼び方をされるのは学生時代の塾講師のアルバイト以来だが、悪くはない。
「承知しました。お受けします」
俺は校長先生に向かって頭を下げる。
「ありがとうございます。この判断はカズヤ君だけの為ではなく、私達にとっても益がある事です。カズヤ君の独特の魔法の使い方や医学の知識は、私達にとっても喉から手が出るほど欲しいものですから」
校長先生の言葉にモンロイ師とカミラさんが大きく頷く。
「あの……お兄ちゃん、じゃないお兄ちゃん先生はアルカンダラに住むんですよね?」
イザベルその呼び方は止めよう。何だか気持ち悪い。
「そうでした。街中に住むと少々悪目立ちしそうですね。背も高いし、何よりとにかく人目を引きます。そうですね……どこか郊外に空き家があれば……」
校長先生がバルトロメ寮監を見る。
「そういえば演習場の端に、放棄された猟師小屋がありますな。ここまでは徒歩でも30分足らず。魔物は出ますが、カズヤ殿ならば問題ないでしょう」
「ノレステの森のお化け屋敷の事だ!」
「あそこかあ!あそこはいいよね!お昼寝にもぴったり!」
「森の中ですが周囲は伐採されて日当たりもいいですし、井戸も泉もあります。私達も訓練の合間によく休憩していました」
バルトロメ寮監の言葉にイザベル達が手を取り合うように喜んでいる。
お化け屋敷と聞くと朽ち果てた廃墟をイメージしてしまうが、この娘達には拒否反応はないようだ。
「あなた達もこの宿舎を出なければいけないから、カズヤ君と一緒に住まわせてもらいなさい。カズヤ君の待遇だけど、毎月金貨10枚を支給します。もちろん自分達で狩った魔物から得られる利益は自分達の物です。あとはそのお化け屋敷と周囲の土地ね。これはアリシア達を無事に送り届けてくれた事に対する褒賞の意味も含まれます。これでどうかしら?」
「はい。一点確認ですが、教官になるという事は毎日出勤しなければならないという事ですか?」
「あら?仕事熱心ねえ。今のところやって欲しい仕事も無いし、来てもカミラの玩具になるだけでしょうから止めておきましょう。来て欲しい時はこちらから連絡します。馬を走らせれば15分といったところでしょうしね」
なんと素敵な職場だろうか。在宅ワークで収入が入るだと?
まあ在宅ワークと言いつつも狩りはしなければならないし、食料を得るには周囲の開墾が必要だろう。
家庭菜園と狩りをしながら生活し固定収入もある。この世界の平均年収が幾らか知らないが、ティラボーンとマンティコレから得られた現金もあるから、しばらくは生きていけるだろう。
「内容は正式に文書にして、明後日には届けます。あなた達3人は今日から数えて1週間以内に宿舎を出ること。これは通常の卒業と同じね。他に聞きたい事は?」
「俺は特には……アリシア達は?」
アリシア達も顔を見合わせ、何かを思い出したように手を叩く。
「あの!魔力測定をしていただけませんか?カズヤさんに会って、魔力の使い方が変わったと思うんです」
「そういえば鑑定!洞窟で回収した魔石やら武器の鑑定をお願いします!」
「カズヤ殿自身の魔力測定も未だでした!」
そういえばそうだった。すっかり忘れていた。
とはいえ、どんな魔法がこの世界にあるのか、その全貌を俺自身が分かっていないために、質問に対する答えが要領を得ない。
「怪我人の治療はできるの?骨折や切り傷などは?」
「添え木を当てた上で治癒魔法を掛ければ、骨折は治せると思います。切り傷も深ければ縫合と治癒魔法を併用したほうがいいかと」
「添え木を当てて固定するのは普通のやり方ね。縫合というのは?傷口を縫う?」
「ええ。絹糸や細い木綿糸などで……あれ?縫合って一般的じゃないのですか?」
「深い傷なら清潔な布で抑えながら治癒魔法を重ね掛けするのが一般的ね……ただその方法では術者の魔法残量次第では助けられないこともある」
それはそうだろう。治癒魔法とは自然治癒力を高めて自己修復する手助けをしているようだからな。
しかし、この世界の医療行為ってある意味で凄いのかもしれない。何でもかんでも治癒魔法なのだ。歯痛にも腹痛にも正露丸みたいなものだ。
「えっと……開放性損傷で怖いのは失血と感染症です。失血を抑える方法は幾つかありますが、その内の一つが直接圧迫止血法、つまり先ほど校長先生が仰った“清潔な布などで傷口を抑える”方法です。もう一つは止血帯などで心臓に近い部分を縛り出血を止める方法です。傷口を冷やすのも効果はありますね。出血が止まれば、あとは傷口を洗って各組織を繋ぎ合わせていきます。例えば骨ごと断たれているのならまずは骨を正しい位置で繋ぎ、次に筋肉や血管、神経、そして最後に皮膚を。要所で感染症を防ぐための消毒は必要です。全部を一気にやろうとすれば膨大な魔力を消費するでしょうが、順番に行使していけば、局所的な魔力行使で済むはずなので……ってあれ?どうしました?」
何やら懸命にメモを取っていたカミラさんの動きが止まっている。
「カズヤ君は導師?いや今は違っても、導師になる気はない?」
カミラさんが真っ直ぐ俺の目を見て言う。
冗談などではないらしい。
「それは今から養成所に入所してという事ですか?」
俺の質問にカミラさんが頭を振る。
「まさか。私達がカズヤ君に教えることは無さそうよ。あるとしたら私達の常識や知識はこんな感じだけど、どう思う?ってことぐらいね。だから、カズヤ君には養成所所属の魔導師として登録してもらって、私達と対等の立場になって欲しいの。校長先生はどうお考えですか?」
「そうですね。カズヤ君も含めた4人の身の振り方は決めなければね。マンティコレの処置はダナに任せて、校長室へ戻りましょう」
そうである。
俺が質問責めに合っている間に、中庭に取り出したマンティコレの遺骸の処置をダナさんが進めてくれていた。
3頭のマンティコレは養成所が買い取ってくれることになった。買取金額は一頭あたり金貨20枚、総額60枚だが、この中から20枚をアリシア達の喪った仲間達への補償金に加えてもらう事にした。
その結果、俺達の取り分は一人当たり10枚とキリのいい数字になった。
ティラボーン2頭から得られた金額と比較すれば見劣りしてしまうが、十分に破格の収入だろう。
◇◇◇
校長室に戻った俺達は、最初に座っていたのと同じように着席する。
新たに届けられたらしい報告書のような羊皮紙を見ながら、校長先生が口を開いた。
「さて、マンティコレを狩ったという事実は証明されたわけですが、この4人をどのように遇するべきか、先生方の意見を聞かせてください」
真っ先に手を挙げたのはバルトロメ寮監だ。
「はっきりさせておかねばならんのは、この者達が紛れもなく獅子狩人であるという事実だ。この事実だけでも、この者達を魔物狩人に認定するべきだと思う」
「そうですな。卒業には少々早いが、この者達を更に1年間この養成所に留めておくことが世の為になるとは思えません。特例として卒業を認めてはいかがでしょう」
「それにカズヤ君は魔導師として登録して、私のパートナーになっていただかないと」
モンロイ師の発言に意味不明な言葉を被せてきたのはカミラさんだ。
「ちょっと待ってください!パートナーってどういう意味ですか?カズヤさんはこのまま私達と同じパーティードでいてもらう約束です!」
「あら?別にそれは構わないわよ?日中は私も講義があるし、夜に帰って来てさえくれればね」
「夜に…帰って……なんだか一緒に住むように聞こえますけど……?」
「それもいいわねえ!カズヤ君どうかしら?」
「はあああ??いくら先生でも今のは聞き捨てならないよ!?お兄ちゃんは渡さないからね!?」
「“お兄ちゃん”ねえ。カズヤ君。こんな小娘達の世話をしていても仕方ないでしょう?私と大人のお付き合いをしませんか?」
「お兄ちゃんこそこんな“おばちゃん”の相手しないよね!?」
やれやれ……曲がりなりにも魔法師や魔導師と呼ばれているのだから、もう少しクレバーな会話にならないのだろうか。
「残念ながら俺は誰のものでもありませんし、イザベル達の世話を焼いていたわけでもありません。きっかけはどうあれ、この子達を護りたいという一心でここまで来ました。カミラさんのお誘いは大変魅力的ですが、俺はこの子達と共にいます」
俺の言葉を聞いて、イザベルとアリシア、アイダがガッツポーズをする。
「あ~あ…振られちゃったかあ……」
「カミラはそういう言い方がダメなのですよ。3人の先生方の意見を聞きましたが、結論は一つのようです。まずアイダ、アリシア、イザベルの3名は王立アルカンダラ狩人養成所の全課程を修了したものと見做し、本日を持って卒業とします。イトー カズヤ殿は、本日付で当養成所が教官待遇魔導師として採用します。主任務はルシタニア周辺の探索と効率的に魔物を撃退するための魔道具や魔法の開発、駆け出しの狩人達の指導とします。当面はアリシア達のパーティードに入っていただくということで異論はありませんか?」
「あの…それはカズヤ殿が先生になるという事でしょうか?」
「そうです。そうでもしなければ、国軍や騎士団に攫われてしまいそうですからね。その点、教官待遇の狩人ならば、その身分だけで衛兵隊や国軍には優位に立てます。厄介なのは騎士団との関係ですが、王国を守るという点においては同格ですから、遜る必要はありません。魔道具の開発を行う魔導師ということであれば、誰も見たことがない魔道具を持っていても当然です。それらを踏まえた上で、カズヤ君には当養成所の教官になっていただきたいと思います」
教官、つまりモンロイ師やカミラさんと同じく先生と呼ばれる立場ということか。そんな呼び方をされるのは学生時代の塾講師のアルバイト以来だが、悪くはない。
「承知しました。お受けします」
俺は校長先生に向かって頭を下げる。
「ありがとうございます。この判断はカズヤ君だけの為ではなく、私達にとっても益がある事です。カズヤ君の独特の魔法の使い方や医学の知識は、私達にとっても喉から手が出るほど欲しいものですから」
校長先生の言葉にモンロイ師とカミラさんが大きく頷く。
「あの……お兄ちゃん、じゃないお兄ちゃん先生はアルカンダラに住むんですよね?」
イザベルその呼び方は止めよう。何だか気持ち悪い。
「そうでした。街中に住むと少々悪目立ちしそうですね。背も高いし、何よりとにかく人目を引きます。そうですね……どこか郊外に空き家があれば……」
校長先生がバルトロメ寮監を見る。
「そういえば演習場の端に、放棄された猟師小屋がありますな。ここまでは徒歩でも30分足らず。魔物は出ますが、カズヤ殿ならば問題ないでしょう」
「ノレステの森のお化け屋敷の事だ!」
「あそこかあ!あそこはいいよね!お昼寝にもぴったり!」
「森の中ですが周囲は伐採されて日当たりもいいですし、井戸も泉もあります。私達も訓練の合間によく休憩していました」
バルトロメ寮監の言葉にイザベル達が手を取り合うように喜んでいる。
お化け屋敷と聞くと朽ち果てた廃墟をイメージしてしまうが、この娘達には拒否反応はないようだ。
「あなた達もこの宿舎を出なければいけないから、カズヤ君と一緒に住まわせてもらいなさい。カズヤ君の待遇だけど、毎月金貨10枚を支給します。もちろん自分達で狩った魔物から得られる利益は自分達の物です。あとはそのお化け屋敷と周囲の土地ね。これはアリシア達を無事に送り届けてくれた事に対する褒賞の意味も含まれます。これでどうかしら?」
「はい。一点確認ですが、教官になるという事は毎日出勤しなければならないという事ですか?」
「あら?仕事熱心ねえ。今のところやって欲しい仕事も無いし、来てもカミラの玩具になるだけでしょうから止めておきましょう。来て欲しい時はこちらから連絡します。馬を走らせれば15分といったところでしょうしね」
なんと素敵な職場だろうか。在宅ワークで収入が入るだと?
まあ在宅ワークと言いつつも狩りはしなければならないし、食料を得るには周囲の開墾が必要だろう。
家庭菜園と狩りをしながら生活し固定収入もある。この世界の平均年収が幾らか知らないが、ティラボーンとマンティコレから得られた現金もあるから、しばらくは生きていけるだろう。
「内容は正式に文書にして、明後日には届けます。あなた達3人は今日から数えて1週間以内に宿舎を出ること。これは通常の卒業と同じね。他に聞きたい事は?」
「俺は特には……アリシア達は?」
アリシア達も顔を見合わせ、何かを思い出したように手を叩く。
「あの!魔力測定をしていただけませんか?カズヤさんに会って、魔力の使い方が変わったと思うんです」
「そういえば鑑定!洞窟で回収した魔石やら武器の鑑定をお願いします!」
「カズヤ殿自身の魔力測定も未だでした!」
そういえばそうだった。すっかり忘れていた。
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