29 / 238
28.エアガンの講習(5月6日)
しおりを挟む
まずは娘達を風呂に向かわせる。
俺は一通り屋内を点検するが、特に異常は見つからない。
屋外も点検するが、魔物に襲われたり予期せぬ訪問客があった気配はない。
外の畑も田んぼも無事だった。
いや、異常があるとすれば畑と田んぼだ。
生育が妙に早い気がする。
今はまだ5月初旬。田植えが終わって2週間ほど。つい先日までは、ようやく葉が伸びてきたぐらいだった稲が、今では30センチを超えるまでに成長している。
畑に植えていたトウモロコシが、既に穂を出している。
ようやく葉が出揃い間引き時期だったほうれん草などの葉物野菜も、そろそろ収穫できそうになっている。
概ね2ヶ月ぐらい前倒しになっている雰囲気だ。
これは詳しい人に聞いてみないとなんとも言えないが、この世界にあるという魔素が関係しているのだろうか。
ちなみに虫食いのような跡はほとんど残っていない。わざわざ人口の畑など荒らさなくても、周囲にたくさん餌があるということだろう。
アリシアの見よう見まねの防壁結界を、畑と田んぼに掛けてみる。
しかし見えない防壁を張るというのもなかなか難しい。
例えば許可がないモノが近づいた時にだけ発動する柵とかのほうがいいのだろうか。
上手くできたかはアリシアに見てもらう事にして、家に戻る。
エアガンのバッテリーをチェックし、マガジンに給弾し終わったところへ、洗面所が騒がしくなった。アリシア達が風呂から上がってきたようだ。
しばらくすると洗面所のドアが開き、アリシアが顔を出した。
「カズヤさん!またアレお願いしてもいいですか?」
アレね。ドライヤーですね。
こういう場合は髪が短くて時間を要しないほうからやったほうがいいのだろうか。それとも髪が長くて時間もかかるが、その後で能動的に動ける人を先に仕上げたほうがいいのか。
そんな事を考えながら、3人の髪を乾かす。
結局、アリシアを先に仕上げても、そのまま3人でお喋りしてるだけだった。つまりは誰からやっても同じ事だったらしい。
「まだ日暮れには時間あるよね!一狩り行きたい!」
お風呂でテンションが上がったらしいイザベルが、そわそわしている。
「それなら私も同行します。カズヤ殿、いいだろうか?」
「アイダが一緒なら大丈夫だろう。ただ洗濯は間に合ってないから、Tシャツと短パンで行ける範囲でな」
「了解です!行ってきます!!」
やれやれ、元気な子達だ。
「アリシアはどうする?」
アリシアは長くて赤い髪を顔の横で指に巻き付けては解く仕草をずっとしている。
この仕草の意味ってなんだっけ??
「あの!カズヤさんの魔道具……貸してもらえませんか?」
先ほどのマンティコレ狩りでも、その前の一角オオカミの時にも何の役にも立たなかったことが悔しくて仕方ないらしい。
「だって、いきなり実戦で借りてもどうしていいかわかんないですよ!だからちゃんと練習して!次こそはちゃんと魔物狩りに参加します!」
アリシアは努力家なんだなあ。
「了解だ。じゃあ外でとりあえず撃ってみよう」
アリシアを伴ってガレージに行き、家庭菜園用の支柱と鳥避けの円盤(古いCD-Rのような、田んぼでキラキラしてるやつ)を持って外に出た。
アリシアにも手伝ってもらい、敷地の角から放射状に、5メートル、10メートル、20メートル、30メートルの位置に支柱を立て、鳥避けの円盤を結びつける。
サバゲーフィールドのシューティングレンジでは、地面に打った杭にお鍋の蓋なんかが固定してあって、BB弾が当たると良い音がするものだが、残念ながら杭も鍋の蓋もないからな。
「よし。準備はこれでいいだろう。じゃあアリシア、ここに立って」
アリシアを放射状に広がる標的の起点に立たせる。
「まずはこれを撃ってみよう」
アリシアに渡したのはUSPハンドガン。
いつも俺のヒップホルスターに収まっている、10禁の銀ダン鉄砲を除けば手持ちのエアガンでは最も小さい部類のエアガンだ。
マガジンを抜いて空撃ちし、セーフティを解除しセミオートをセレクトして渡す。
「アリシア利き手は右だよな?右手で銃把を握り、左手を添える。そうそう、上手いぞ。的の正面に立って、的に向かって両手を真っ直ぐに伸ばす。
照門と照星、ここの凹とこっちの凸な。この凹の切り欠き部分に凸の出っ張った部分が重なるように的に合わせて、引き金に人差し指を掛けて、人差し指を引く」
タンっと良い音はするが、当然BB弾は出ない。
「え?今の何ですか?」
「空撃ちだ。弓の練習でも、いきなり矢をつがえて放つわけじゃないだろう?」
「あ……確かに」
「じゃあ次はいよいよ撃ってみるぞ。引き金には撃つ直前まで指を掛けるなよ?」
アリシアからエアガンを受け取り、セレクトスイッチをセーフティに入れてからマガジンをセットする。
「いいか?ここにレバーがあるのがわかるか?このレバーでこっちの印が隠れているときは、引き金を引いても発射はできない。1つ押し下げるとセミオート、つまり一発だけ発射する。もう一段下げるとフルオートで連発だ。だからさっきの手順に1つ追加する」
「はい!」
「右手で銃把を握り、レバーを操作してセーフティを解除しセミオートに合わせる。銃把を握る右手に左手を添える。的の正面に立って、的に向かって両手を真っ直ぐに伸ばす。
照門と照星が重なるように的に合わせて、引き金に人差し指を掛けて、人差し指を引く」
タンっ!
コンっ!
えっっという顔でアリシアが俺を見る。
うん、俺も驚いた。5メートルとはいえ、初弾を命中させるか。
「上手いなあアリシア。じゃあ次は10メートルいってみよう!」
10メートル、20メートル、30メートルの的にも、アリシアは次々と命中させた。
真後ろから見ていても弾道が見えにくいから、初速はやはり速い。それにほとんど速度が落ちることなく的に当たってる。
だが初速を法律ギリギリまで上げたとしても、所詮はバネで撃ち出すプラスティックの球だ。
至近距離ならアルミ缶を貫通することもあるらしいが、大型の生き物の頭蓋骨を貫通するような力はない。
例えば弾が金属製で、初速が500m/sとかなら納得できるのだが、まあそんなスペックは実銃でしかあり得ない。
しかし、これはエアガンだ。
「アリシア。どうだ。ほぼ全弾命中だな」
マガジン1つを空にしたアリシアが、銃を下ろしてこちらを見る。
「そうですね!礫を撃つよりは魔力消費は少ないみたいですけど、軌道を安定させたり速度を落とさないようにするとか、やることは多いですね」
ん?今さらっとアリシアがこの現象を解説しなかったか?
そういえば魔法勝負を挑まれた時に、土で作った礫を飛ばす競争をした。
結果は飛距離と速射性で俺が優ったのだが、その礫を飛ばすのと同じなのか。
「はい。この弾の発射までは魔道具がやってくれるので、ある程度の距離、そうですね……7メートルぐらいはまっすぐ飛びますね。その後で軌道を安定させて真っ直ぐに飛ばすのは、礫撃ちと一緒です。ただ礫撃ちの消費魔力の大半は礫の形成と発射ですから、発射までをやってくれるこの魔道具……えあがん?ですか?このエアガンのほうが遥かに楽です」
なるほど……つまり発射されたBB弾を、風魔法で運んでいるというわけか。
アリシアにリロードの仕方を教え、次のマガジンを手渡す。
「あとは……この白い球が獲物を貫通するか、体内で弾けたらいいんですよね。それなら……」
何やら呟いて、30メートルの的を狙う。
「撃ちます!」
タンっ!
パンッ!!
ありゃあ…鳥避け円盤が見事に真っ二つになっている。
「アリシア?今何をした?」
「えへへ。貫通魔法を掛けて見ました!次は炸裂です!!」
結局アリシアは残り4つの円盤を全て貫通か炸裂で破壊した。
「いやあ、これはいい魔道具ですね!もっと早く使い方を教わっていれば、私も狩りで活躍できたのに!カズヤさん!この魔道具借りっぱなしでもいいですか?もちろん大事にしますから!」
「えっと……それならこっちにしない?そのエアガンより少し大きいし重いけど、BB弾の装填数も多いし、自衛武器としても攻撃武器としても最適かも」
アリシアにMP5Kを渡す。
「基本的な使い方はさっきのエアガンと同じだ。BB弾は50発入っている。このセットで貸すから、使いこなしてみ。あとBB弾は無駄遣いしないように」
「ありがとう!これで次の魔物狩りではVenganzaです!」
ん??なんぞまた知らない単語を。雰囲気的にはリベンジ、復讐か報復ってところか。
俺は一通り屋内を点検するが、特に異常は見つからない。
屋外も点検するが、魔物に襲われたり予期せぬ訪問客があった気配はない。
外の畑も田んぼも無事だった。
いや、異常があるとすれば畑と田んぼだ。
生育が妙に早い気がする。
今はまだ5月初旬。田植えが終わって2週間ほど。つい先日までは、ようやく葉が伸びてきたぐらいだった稲が、今では30センチを超えるまでに成長している。
畑に植えていたトウモロコシが、既に穂を出している。
ようやく葉が出揃い間引き時期だったほうれん草などの葉物野菜も、そろそろ収穫できそうになっている。
概ね2ヶ月ぐらい前倒しになっている雰囲気だ。
これは詳しい人に聞いてみないとなんとも言えないが、この世界にあるという魔素が関係しているのだろうか。
ちなみに虫食いのような跡はほとんど残っていない。わざわざ人口の畑など荒らさなくても、周囲にたくさん餌があるということだろう。
アリシアの見よう見まねの防壁結界を、畑と田んぼに掛けてみる。
しかし見えない防壁を張るというのもなかなか難しい。
例えば許可がないモノが近づいた時にだけ発動する柵とかのほうがいいのだろうか。
上手くできたかはアリシアに見てもらう事にして、家に戻る。
エアガンのバッテリーをチェックし、マガジンに給弾し終わったところへ、洗面所が騒がしくなった。アリシア達が風呂から上がってきたようだ。
しばらくすると洗面所のドアが開き、アリシアが顔を出した。
「カズヤさん!またアレお願いしてもいいですか?」
アレね。ドライヤーですね。
こういう場合は髪が短くて時間を要しないほうからやったほうがいいのだろうか。それとも髪が長くて時間もかかるが、その後で能動的に動ける人を先に仕上げたほうがいいのか。
そんな事を考えながら、3人の髪を乾かす。
結局、アリシアを先に仕上げても、そのまま3人でお喋りしてるだけだった。つまりは誰からやっても同じ事だったらしい。
「まだ日暮れには時間あるよね!一狩り行きたい!」
お風呂でテンションが上がったらしいイザベルが、そわそわしている。
「それなら私も同行します。カズヤ殿、いいだろうか?」
「アイダが一緒なら大丈夫だろう。ただ洗濯は間に合ってないから、Tシャツと短パンで行ける範囲でな」
「了解です!行ってきます!!」
やれやれ、元気な子達だ。
「アリシアはどうする?」
アリシアは長くて赤い髪を顔の横で指に巻き付けては解く仕草をずっとしている。
この仕草の意味ってなんだっけ??
「あの!カズヤさんの魔道具……貸してもらえませんか?」
先ほどのマンティコレ狩りでも、その前の一角オオカミの時にも何の役にも立たなかったことが悔しくて仕方ないらしい。
「だって、いきなり実戦で借りてもどうしていいかわかんないですよ!だからちゃんと練習して!次こそはちゃんと魔物狩りに参加します!」
アリシアは努力家なんだなあ。
「了解だ。じゃあ外でとりあえず撃ってみよう」
アリシアを伴ってガレージに行き、家庭菜園用の支柱と鳥避けの円盤(古いCD-Rのような、田んぼでキラキラしてるやつ)を持って外に出た。
アリシアにも手伝ってもらい、敷地の角から放射状に、5メートル、10メートル、20メートル、30メートルの位置に支柱を立て、鳥避けの円盤を結びつける。
サバゲーフィールドのシューティングレンジでは、地面に打った杭にお鍋の蓋なんかが固定してあって、BB弾が当たると良い音がするものだが、残念ながら杭も鍋の蓋もないからな。
「よし。準備はこれでいいだろう。じゃあアリシア、ここに立って」
アリシアを放射状に広がる標的の起点に立たせる。
「まずはこれを撃ってみよう」
アリシアに渡したのはUSPハンドガン。
いつも俺のヒップホルスターに収まっている、10禁の銀ダン鉄砲を除けば手持ちのエアガンでは最も小さい部類のエアガンだ。
マガジンを抜いて空撃ちし、セーフティを解除しセミオートをセレクトして渡す。
「アリシア利き手は右だよな?右手で銃把を握り、左手を添える。そうそう、上手いぞ。的の正面に立って、的に向かって両手を真っ直ぐに伸ばす。
照門と照星、ここの凹とこっちの凸な。この凹の切り欠き部分に凸の出っ張った部分が重なるように的に合わせて、引き金に人差し指を掛けて、人差し指を引く」
タンっと良い音はするが、当然BB弾は出ない。
「え?今の何ですか?」
「空撃ちだ。弓の練習でも、いきなり矢をつがえて放つわけじゃないだろう?」
「あ……確かに」
「じゃあ次はいよいよ撃ってみるぞ。引き金には撃つ直前まで指を掛けるなよ?」
アリシアからエアガンを受け取り、セレクトスイッチをセーフティに入れてからマガジンをセットする。
「いいか?ここにレバーがあるのがわかるか?このレバーでこっちの印が隠れているときは、引き金を引いても発射はできない。1つ押し下げるとセミオート、つまり一発だけ発射する。もう一段下げるとフルオートで連発だ。だからさっきの手順に1つ追加する」
「はい!」
「右手で銃把を握り、レバーを操作してセーフティを解除しセミオートに合わせる。銃把を握る右手に左手を添える。的の正面に立って、的に向かって両手を真っ直ぐに伸ばす。
照門と照星が重なるように的に合わせて、引き金に人差し指を掛けて、人差し指を引く」
タンっ!
コンっ!
えっっという顔でアリシアが俺を見る。
うん、俺も驚いた。5メートルとはいえ、初弾を命中させるか。
「上手いなあアリシア。じゃあ次は10メートルいってみよう!」
10メートル、20メートル、30メートルの的にも、アリシアは次々と命中させた。
真後ろから見ていても弾道が見えにくいから、初速はやはり速い。それにほとんど速度が落ちることなく的に当たってる。
だが初速を法律ギリギリまで上げたとしても、所詮はバネで撃ち出すプラスティックの球だ。
至近距離ならアルミ缶を貫通することもあるらしいが、大型の生き物の頭蓋骨を貫通するような力はない。
例えば弾が金属製で、初速が500m/sとかなら納得できるのだが、まあそんなスペックは実銃でしかあり得ない。
しかし、これはエアガンだ。
「アリシア。どうだ。ほぼ全弾命中だな」
マガジン1つを空にしたアリシアが、銃を下ろしてこちらを見る。
「そうですね!礫を撃つよりは魔力消費は少ないみたいですけど、軌道を安定させたり速度を落とさないようにするとか、やることは多いですね」
ん?今さらっとアリシアがこの現象を解説しなかったか?
そういえば魔法勝負を挑まれた時に、土で作った礫を飛ばす競争をした。
結果は飛距離と速射性で俺が優ったのだが、その礫を飛ばすのと同じなのか。
「はい。この弾の発射までは魔道具がやってくれるので、ある程度の距離、そうですね……7メートルぐらいはまっすぐ飛びますね。その後で軌道を安定させて真っ直ぐに飛ばすのは、礫撃ちと一緒です。ただ礫撃ちの消費魔力の大半は礫の形成と発射ですから、発射までをやってくれるこの魔道具……えあがん?ですか?このエアガンのほうが遥かに楽です」
なるほど……つまり発射されたBB弾を、風魔法で運んでいるというわけか。
アリシアにリロードの仕方を教え、次のマガジンを手渡す。
「あとは……この白い球が獲物を貫通するか、体内で弾けたらいいんですよね。それなら……」
何やら呟いて、30メートルの的を狙う。
「撃ちます!」
タンっ!
パンッ!!
ありゃあ…鳥避け円盤が見事に真っ二つになっている。
「アリシア?今何をした?」
「えへへ。貫通魔法を掛けて見ました!次は炸裂です!!」
結局アリシアは残り4つの円盤を全て貫通か炸裂で破壊した。
「いやあ、これはいい魔道具ですね!もっと早く使い方を教わっていれば、私も狩りで活躍できたのに!カズヤさん!この魔道具借りっぱなしでもいいですか?もちろん大事にしますから!」
「えっと……それならこっちにしない?そのエアガンより少し大きいし重いけど、BB弾の装填数も多いし、自衛武器としても攻撃武器としても最適かも」
アリシアにMP5Kを渡す。
「基本的な使い方はさっきのエアガンと同じだ。BB弾は50発入っている。このセットで貸すから、使いこなしてみ。あとBB弾は無駄遣いしないように」
「ありがとう!これで次の魔物狩りではVenganzaです!」
ん??なんぞまた知らない単語を。雰囲気的にはリベンジ、復讐か報復ってところか。
44
お気に入りに追加
1,711
あなたにおすすめの小説
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
突然だけど、空間魔法を頼りに生き延びます
ももがぶ
ファンタジー
俺、空田広志(そらたひろし)23歳。
何故だか気が付けば、見も知らぬ世界に立っていた。
何故、そんなことが分かるかと言えば、自分の目の前には木の棒……棍棒だろうか、それを握りしめた緑色の醜悪な小人っぽい何か三体に囲まれていたからだ。
それに俺は少し前までコンビニに立ち寄っていたのだから、こんな何もない平原であるハズがない。
そして振り返ってもさっきまでいたはずのコンビニも見えないし、建物どころかアスファルトの道路も街灯も何も見えない。
見えるのは俺を取り囲む醜悪な小人三体と、遠くに森の様な木々が見えるだけだ。
「えっと、とりあえずどうにかしないと多分……死んじゃうよね。でも、どうすれば?」
にじり寄ってくる三体の何かを警戒しながら、どうにかこの場を切り抜けたいと考えるが、手元には武器になりそうな物はなく、持っているコンビニの袋の中は発泡酒三本とツナマヨと梅干しのおにぎり、後はポテサラだけだ。
「こりゃ、詰みだな」と思っていると「待てよ、ここが異世界なら……」とある期待が沸き上がる。
「何もしないよりは……」と考え「ステータス!」と呟けば、目の前に半透明のボードが現れ、そこには自分の名前と性別、年齢、HPなどが表記され、最後には『空間魔法Lv1』『次元の隙間からこぼれ落ちた者』と記載されていた。
チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい
616號
ファンタジー
不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。
せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います
霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。
得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。
しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。
傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。
基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。
が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。
異世界に転移した僕、外れスキルだと思っていた【互換】と【HP100】の組み合わせで最強になる
名無し
ファンタジー
突如、異世界へと召喚された来栖海翔。自分以外にも転移してきた者たちが数百人おり、神父と召喚士から並ぶように指示されてスキルを付与されるが、それはいずれもパッとしなさそうな【互換】と【HP100】という二つのスキルだった。召喚士から外れ認定され、当たりスキル持ちの右列ではなく、外れスキル持ちの左列のほうに並ばされる来栖。だが、それらは組み合わせることによって最強のスキルとなるものであり、来栖は何もない状態から見る見る成り上がっていくことになる。
悪役貴族の四男に転生した俺は、怠惰で自由な生活がしたいので、自由気ままな冒険者生活(スローライフ)を始めたかった。
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
俺は何もしてないのに兄達のせいで悪役貴族扱いされているんだが……
アーノルドは名門貴族クローリー家の四男に転生した。家の掲げる独立独行の家訓のため、剣技に魔術果ては鍛冶師の技術を身に着けた。
そして15歳となった現在。アーノルドは、魔剣士を育成する教育機関に入学するのだが、親戚や上の兄達のせいで悪役扱いをされ、付いた渾名は【悪役公子】。
実家ではやりたくもない【付与魔術】をやらされ、学園に通っていても心の無い言葉を投げかけられる日々に嫌気がさした俺は、自由を求めて冒険者になる事にした。
剣術ではなく刀を打ち刀を使う彼は、憧れの自由と、美味いメシとスローライフを求めて、時に戦い。時にメシを食らい、時に剣を打つ。
アーノルドの第二の人生が幕を開ける。しかし、同級生で仲の悪いメイザース家の娘ミナに学園での態度が演技だと知られてしまい。アーノルドの理想の生活は、ハチャメチャなものになって行く。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
神様との賭けに勝ったので、スキルを沢山貰えた件。
猫丸
ファンタジー
ある日の放課後。突然足元に魔法陣が現れると、気付けば目の前には神を名乗る存在が居た。
そこで神は異世界に送るからスキルを1つ選べと言ってくる。
あれ?これもしかして頑張ったらもっと貰えるパターンでは?
そこで彼は思った――もっと欲しい!
欲をかいた少年は神様に賭けをしないかと提案した。
神様とゲームをすることになった悠斗はその結果――
※過去に投稿していたものを大きく加筆修正したものになります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる