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グラジオラス大陸の祭壇と、過去の記憶
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暴れん坊さながらに剣を振ろうとする勇者サクラを何とか抑え、俺は腰を抜かしているヘザーに話しかける。
「どうやって脱獄した? こんな遠くまで逃げて来るとは驚きだよ」
「いやいや! 確かに脱獄なのかもしれないが、これには深いワケがあるのだよ。まずは私の話を聞きたまえ」
四角形に揃えられた長テーブルには、既にイベリス盗賊団の幹部、カレンとインリッツが座っていた。
「勇者ちゃん! いきなり暴れるなんてダメよ~。男には色々な事情があるものよ」
「ワシはこの際バッサリやっちゃっても良いと思うけどな。アッハッハ!」
不意に背後にあったドアが開き、幾つもの足音が聞こえてくる。何と兵士達に続いて、女王様が直々に来られるとは! 全く予想していなかったから驚いた。普通は、庶民と同じ高さで話すのを嫌がるものだが。
「あら、勇者様。どうなされたのですか? 剣など持って」
「女王様! ここに犯罪者がいます。下着泥棒より悪質ですっ」
ヘザーは慌てて首を横に振っている。どうでもいいけど、まだ立ち上がれない辺り、本気でビビっているようだ。
「滅相もございません女王様! 私は脱獄と言うよりも、あの大陸から脱出したのです。フリージアもルゴサも、もうほとんど人がいない地獄と化しました。ゾンビが歩き回っているのですよ。私は命からがら……あ、いや! この世界を何とかせねばならぬと言う気持ちで、馳せ参じたまででございます」
この世界の変わりようを見れば、ヘザーが嘘を言っていないことが分かる。なんてことだ……俺の故郷でゾンビが徘徊しているなんて。やっとサクラは剣を納め、みんなはそれぞれ席に着いた。
女王様はホッとしつつ俺の右隣に座る。
「はい! じゃあ皆さん、聞いて下さい。僕が勇者サクラです」
「それならみんな知ってるぞ」
左隣でいきなり立ち上がったサクラが、自己紹介を始めそうになったので俺は止めた。彼女は一瞬キョとんとしたが、直ぐに我に帰って話し出す。
「あ、そうだったね。じゃあ早速本題に入りますよ! 僕達は始祖の大地で魔王セツアと戦って敗北しました。彼は始めてのお祭り……じゃなくて始まりの祭壇で赤い月を召喚して、神殿ごと破壊しちゃってます! それからはもうこの世界が大きく変わってしまったのはご存知でしょう。そしてあの月が満月になったら、今度こそ世界は滅びちゃうとか……そうですよね? 女王様」
いきなり呼ばれたので、普段からおっとりした感じの女王様は驚いている。
「はい? え、ええ。賢者ティアンナの書物によれば、赤い月は世界を滅ぼす確実な剣であると明記されています。最も恐ろしい所業だとも。しかしながら、実際に何が起こるのかは記載されておりません」
本当は大したことは起こらない……ってことならどれほど良いだろう。俺の向かい側にいるコドランを見る限り、やっぱりまずいことが起こるみたいだ。真面目な顔でパタパタ飛んでいる。
「皆の者。実はな、我も赤い月が満月になった時、本当に何が起こるのかは知らぬ。ただ……万能神からは絶対に行ってはならぬと約束をされていたのだ。恐ろしいほど念を押された」
俺以上に興味深くコドランの話を聞いていたのは、斜向かいにいるカレンだった。
「えー! お前、万能神に会ったことがあるのか? 信じられぬ話じゃのう」
「むうう! 小娘、我は聖龍だぞ。会っていたに決まっておろうが。実は我も先程ティアンナの書物を読ませてもらった。そして色々と合点がいった。やっと全てが理解できたのだ。満月になるまでは非常に長い時間が掛かるものだが、実は早める方法がある。小望月にだけできる一つの儀式がな」
また儀式か。胡散臭いとか通り越した連中だな、あの魔王達は。コドランの右隣に座っていたランティスが首を傾げている。
「それはどんな儀式ですか?」
「満月までの時間を短縮させる為には、それ相応のエネルギーを外部から受け取る必要がある。余りにも膨大なエネルギーだ。ただ一つの力以外では供給できまい」
「ただ一つの力ってなんだ? 夢や希望ってんなら、今の世界にはほとんどないけどな」
カレンの隣にいるレオンハルトが、怠そうに左肘をテーブルにつけてコドランを見上げる。
「……ヒロイックストーンだ。グラジオラス大陸には元々四つの祭壇が配置されている。それらは遥か昔、万能神の言いつけを破ろうとした愚者共が作り上げた装置らしい。全ての祭壇にヒロイックストーンを設置し、魔力を供給するだけで、赤い月に途方もないエネルギーが送られる仕組みだ」
あの謎に包まれた大陸には、神すら争う怖いもの知らず達がいたらしい。レオンハルトの隣にいたミカが、心配そうに呟く。
「ヒロイックストーンの力を使ってすることなら、きっと恐ろしい事態を招くに違いないわ。要するに四カ所の祭壇それぞれから、ヒロイックストーンのエネルギーを送るのよね?」
「うむ。だがな、実は四カ所も必要ないのだ。ヒロイックストーンの秘められた力は、一個あれば事が足りる。つまり他三個は保険に過ぎぬ」
次にコドランに話しかけたのは俺だった。返答次第では絶望するしかない。
「待ってくれ。一個で赤い月は満月にできる? だったらもう防ぎようがないんじゃないか?」
コドランの次の言葉を待っていた。少しでも希望のある返答が欲しい。
「いいや……防ぎようならある。四つの祭壇を、分散した我々が同時に破壊すればいいのだ。まあ、どれか一つでも残してしまえば終わりだがな」
三百年以上前。並みいる魔物達が世に溢れつつも、人々は懸命に生きていた時代。森の中で太陽の光を避けるように、少女が木陰に隠れていた。
少女の腕には大事そうに、一匹の小さな動物が抱き抱えられている。モコモコとした体毛に覆われた動物は怯えていた。
「……大丈夫よ。きっとあなたには、助けが来る」
優しく頭を撫でる指先が震えていた。少女の周りには巨大な熊の魔物や、キマイラ、骸骨剣士達が倒れている。自身の魔力を使い果たして敵を殲滅したが、魔力が尽きたところで脇腹を斬られてしまった。
「キューン。キューン……」
小さな生き物は少女を心配している。少しずつ流れる血、蒼白な顔、全てが絶望的だった。ふと森の奥から、何かが歩いて来る音が聞こえる。
「……逃げなさい。早く」
少女は消え入るような声で促そうとするが、小さな生き物は離れようとしない。足音は少しずつ大きくなってきて、一人と一匹の絶望を膨らませていく。
「誰かいるのか? 君達は……」
「……?」
やってきたのは少女が予想していた魔物達でも、獰猛な野獣でもない人間だった。長い髪に整った顔、高い身長の青年は少女を見ると、足を早めて側でしゃがみ込む。
「……酷い怪我だな。治療をするから、じっとしていなさい」
「あ、あの……」
青年は少女の脇腹に、暖かいエメラルドグリーンの光を照らし始める。余程高位の回復魔法なのか、瀕死だったはずの肉体は嘘のように元どおりになっていく。彼の真剣な眼差しをみて、少女は白い顔を朱に染める。
「これでもう大丈夫だ。何があったのかは知らないが、私の仲間も近くにいる。荒っぽい戦士と、とても気の強い女賢者。それから聖騎士だ。みんな頼りになる連中だよ。安全な所まで私達が同行しよう」
「……ありがとう。その……この子も連れていってほしいの」
青年は小さな動物を見つめて、まるで風のように爽やかに微笑んだ。
「勿論大丈夫だよ。私は勇者セツア。君の名前は?」
少女は恥ずかしそうに、少しだけ顔を上げて青年を見つめる。
「私は……ティアンナ」
これらは皆、遥か昔の遠い記憶。覚えている存在などほんの一握りしかいない。グラジオラス大陸にある魔王城、三将の間にいたヤブランは、長い眠りから静かに目を覚ました。獅子のダンタルトが呆れた顔で見下ろしている。
「フン。また王座で居眠りか。我には到底理解できぬ」
「……このゴツゴツした感じがいいんだよ。見回りかい? 君は本当に勤務熱心だね! 行ってらっしゃい」
「フン! お前も少しは働け」
呆れたように言い捨てて去っていくダンタルトを、ヤブランは気にもとめない。
「……懐かしい夢だったなあ。また、あん時みたいに……。おっといけね! 僕も仕事があったんだ。いよいよ大詰めだ」
金色の体毛を持つ化け物は、過去の思い出を夢として見ていた。彼にとって捨てることのできない、かけがえのない記憶の宝。ゆっくりと起き上がると、薄暗い大きなドアを開いて歩き出す。
ヒロイックストーンを所持している、魔王セツアのもとへ。
「どうやって脱獄した? こんな遠くまで逃げて来るとは驚きだよ」
「いやいや! 確かに脱獄なのかもしれないが、これには深いワケがあるのだよ。まずは私の話を聞きたまえ」
四角形に揃えられた長テーブルには、既にイベリス盗賊団の幹部、カレンとインリッツが座っていた。
「勇者ちゃん! いきなり暴れるなんてダメよ~。男には色々な事情があるものよ」
「ワシはこの際バッサリやっちゃっても良いと思うけどな。アッハッハ!」
不意に背後にあったドアが開き、幾つもの足音が聞こえてくる。何と兵士達に続いて、女王様が直々に来られるとは! 全く予想していなかったから驚いた。普通は、庶民と同じ高さで話すのを嫌がるものだが。
「あら、勇者様。どうなされたのですか? 剣など持って」
「女王様! ここに犯罪者がいます。下着泥棒より悪質ですっ」
ヘザーは慌てて首を横に振っている。どうでもいいけど、まだ立ち上がれない辺り、本気でビビっているようだ。
「滅相もございません女王様! 私は脱獄と言うよりも、あの大陸から脱出したのです。フリージアもルゴサも、もうほとんど人がいない地獄と化しました。ゾンビが歩き回っているのですよ。私は命からがら……あ、いや! この世界を何とかせねばならぬと言う気持ちで、馳せ参じたまででございます」
この世界の変わりようを見れば、ヘザーが嘘を言っていないことが分かる。なんてことだ……俺の故郷でゾンビが徘徊しているなんて。やっとサクラは剣を納め、みんなはそれぞれ席に着いた。
女王様はホッとしつつ俺の右隣に座る。
「はい! じゃあ皆さん、聞いて下さい。僕が勇者サクラです」
「それならみんな知ってるぞ」
左隣でいきなり立ち上がったサクラが、自己紹介を始めそうになったので俺は止めた。彼女は一瞬キョとんとしたが、直ぐに我に帰って話し出す。
「あ、そうだったね。じゃあ早速本題に入りますよ! 僕達は始祖の大地で魔王セツアと戦って敗北しました。彼は始めてのお祭り……じゃなくて始まりの祭壇で赤い月を召喚して、神殿ごと破壊しちゃってます! それからはもうこの世界が大きく変わってしまったのはご存知でしょう。そしてあの月が満月になったら、今度こそ世界は滅びちゃうとか……そうですよね? 女王様」
いきなり呼ばれたので、普段からおっとりした感じの女王様は驚いている。
「はい? え、ええ。賢者ティアンナの書物によれば、赤い月は世界を滅ぼす確実な剣であると明記されています。最も恐ろしい所業だとも。しかしながら、実際に何が起こるのかは記載されておりません」
本当は大したことは起こらない……ってことならどれほど良いだろう。俺の向かい側にいるコドランを見る限り、やっぱりまずいことが起こるみたいだ。真面目な顔でパタパタ飛んでいる。
「皆の者。実はな、我も赤い月が満月になった時、本当に何が起こるのかは知らぬ。ただ……万能神からは絶対に行ってはならぬと約束をされていたのだ。恐ろしいほど念を押された」
俺以上に興味深くコドランの話を聞いていたのは、斜向かいにいるカレンだった。
「えー! お前、万能神に会ったことがあるのか? 信じられぬ話じゃのう」
「むうう! 小娘、我は聖龍だぞ。会っていたに決まっておろうが。実は我も先程ティアンナの書物を読ませてもらった。そして色々と合点がいった。やっと全てが理解できたのだ。満月になるまでは非常に長い時間が掛かるものだが、実は早める方法がある。小望月にだけできる一つの儀式がな」
また儀式か。胡散臭いとか通り越した連中だな、あの魔王達は。コドランの右隣に座っていたランティスが首を傾げている。
「それはどんな儀式ですか?」
「満月までの時間を短縮させる為には、それ相応のエネルギーを外部から受け取る必要がある。余りにも膨大なエネルギーだ。ただ一つの力以外では供給できまい」
「ただ一つの力ってなんだ? 夢や希望ってんなら、今の世界にはほとんどないけどな」
カレンの隣にいるレオンハルトが、怠そうに左肘をテーブルにつけてコドランを見上げる。
「……ヒロイックストーンだ。グラジオラス大陸には元々四つの祭壇が配置されている。それらは遥か昔、万能神の言いつけを破ろうとした愚者共が作り上げた装置らしい。全ての祭壇にヒロイックストーンを設置し、魔力を供給するだけで、赤い月に途方もないエネルギーが送られる仕組みだ」
あの謎に包まれた大陸には、神すら争う怖いもの知らず達がいたらしい。レオンハルトの隣にいたミカが、心配そうに呟く。
「ヒロイックストーンの力を使ってすることなら、きっと恐ろしい事態を招くに違いないわ。要するに四カ所の祭壇それぞれから、ヒロイックストーンのエネルギーを送るのよね?」
「うむ。だがな、実は四カ所も必要ないのだ。ヒロイックストーンの秘められた力は、一個あれば事が足りる。つまり他三個は保険に過ぎぬ」
次にコドランに話しかけたのは俺だった。返答次第では絶望するしかない。
「待ってくれ。一個で赤い月は満月にできる? だったらもう防ぎようがないんじゃないか?」
コドランの次の言葉を待っていた。少しでも希望のある返答が欲しい。
「いいや……防ぎようならある。四つの祭壇を、分散した我々が同時に破壊すればいいのだ。まあ、どれか一つでも残してしまえば終わりだがな」
三百年以上前。並みいる魔物達が世に溢れつつも、人々は懸命に生きていた時代。森の中で太陽の光を避けるように、少女が木陰に隠れていた。
少女の腕には大事そうに、一匹の小さな動物が抱き抱えられている。モコモコとした体毛に覆われた動物は怯えていた。
「……大丈夫よ。きっとあなたには、助けが来る」
優しく頭を撫でる指先が震えていた。少女の周りには巨大な熊の魔物や、キマイラ、骸骨剣士達が倒れている。自身の魔力を使い果たして敵を殲滅したが、魔力が尽きたところで脇腹を斬られてしまった。
「キューン。キューン……」
小さな生き物は少女を心配している。少しずつ流れる血、蒼白な顔、全てが絶望的だった。ふと森の奥から、何かが歩いて来る音が聞こえる。
「……逃げなさい。早く」
少女は消え入るような声で促そうとするが、小さな生き物は離れようとしない。足音は少しずつ大きくなってきて、一人と一匹の絶望を膨らませていく。
「誰かいるのか? 君達は……」
「……?」
やってきたのは少女が予想していた魔物達でも、獰猛な野獣でもない人間だった。長い髪に整った顔、高い身長の青年は少女を見ると、足を早めて側でしゃがみ込む。
「……酷い怪我だな。治療をするから、じっとしていなさい」
「あ、あの……」
青年は少女の脇腹に、暖かいエメラルドグリーンの光を照らし始める。余程高位の回復魔法なのか、瀕死だったはずの肉体は嘘のように元どおりになっていく。彼の真剣な眼差しをみて、少女は白い顔を朱に染める。
「これでもう大丈夫だ。何があったのかは知らないが、私の仲間も近くにいる。荒っぽい戦士と、とても気の強い女賢者。それから聖騎士だ。みんな頼りになる連中だよ。安全な所まで私達が同行しよう」
「……ありがとう。その……この子も連れていってほしいの」
青年は小さな動物を見つめて、まるで風のように爽やかに微笑んだ。
「勿論大丈夫だよ。私は勇者セツア。君の名前は?」
少女は恥ずかしそうに、少しだけ顔を上げて青年を見つめる。
「私は……ティアンナ」
これらは皆、遥か昔の遠い記憶。覚えている存在などほんの一握りしかいない。グラジオラス大陸にある魔王城、三将の間にいたヤブランは、長い眠りから静かに目を覚ました。獅子のダンタルトが呆れた顔で見下ろしている。
「フン。また王座で居眠りか。我には到底理解できぬ」
「……このゴツゴツした感じがいいんだよ。見回りかい? 君は本当に勤務熱心だね! 行ってらっしゃい」
「フン! お前も少しは働け」
呆れたように言い捨てて去っていくダンタルトを、ヤブランは気にもとめない。
「……懐かしい夢だったなあ。また、あん時みたいに……。おっといけね! 僕も仕事があったんだ。いよいよ大詰めだ」
金色の体毛を持つ化け物は、過去の思い出を夢として見ていた。彼にとって捨てることのできない、かけがえのない記憶の宝。ゆっくりと起き上がると、薄暗い大きなドアを開いて歩き出す。
ヒロイックストーンを所持している、魔王セツアのもとへ。
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