506 / 554
決着
しおりを挟む
彼が放った魔力法に関しては、確かに強力だった。
それこそ、魔力で強化されている会場でなければ、山に穴をあけることができるくらいには強かった。
しかし、もう一回アインは確認をしたが、さっきまでの攻略では、このような力は持っていなかった。
(それにしても、彼は大丈夫なのだろうか。)
魔力反応はあるので、死んではいないが、今の魔力砲を食らっては、バルバロット帝国兵でも、無傷でいられるものは少ないだろう。
しかし、アインの心配は杞憂だった。
「所詮は、しっかりとためられていない攻撃。
どこかにほころびがある。」
対戦相手は、小さな光の玉を持っていた。
そして、それを握りつぶすと、今度は青年のほうが、膝をついてしまった。
「!?な、なにをしやがった。」
「何って、君が簡単に魔力砲を売ってくれたおかげで、魔力の分析ができた。
あとは、攻撃による煙が出ている間に、君から魔力を少しずつ抜き出せばいいだけの話だ。」
そう、彼は、攻撃に関しては普通に受けたのだが、魔力の中の隙間を縫って、できるだけ食らう量を減らしていたのだ。
その結果、少しだけ身にまとわせた魔力でどうにかなったのだ。
「さて、君の魔力が解析できた今、君が私に魔力系の攻撃を食らわせることはできない。」
そもそも、チャージをすべてしていなかったとしても、結構な量魔力をチャージしてしまった今、そこまでの魔力は残っていないのだが、それでも魔力を使った無謀な攻撃をしてくるかもしれないので、戦闘はできるだけ楽しみたいと思っている彼は、魔力は使うなということを警告した。
「魔力の解析ができた…そんなはずない!
僕は選ばれたんだ。
僕は確かに声を聴いたんだ。
今日、初めて魔物を倒したが、その瞬間に、確かに天の声を聴いたんだ。」
実際、アインが後で調べた結果、その声に関してはただのレベルアップを伝える声だったのだが、それでも今まで一回も聞いたことない者がいきなり周りにだれもいないのに、そんな声を聴いてしまっては勘違いを起こすものなのかもしれない。
それにしたって、レベルが少し上がっただけでこの成長は異常だと思うが、自分のこともあるので、あまりおかしいとは言えなかった。
それに、彼の場合には1つ1つのレベルアップまでの必要系健一が多かったので、これからまたレベルアップの声を聴くには結構苦労するだろう。
「僕は今!こんな場所で倒れていいような人間ではいないのだー!」
そう言って、さっきよりも多くの魔力をいきなり放出し始めた。
(まずいな。今回の会場の装置に関しては、さすがに自滅までは考えられていないぞ。)
彼は、今、自分の命を使って魔力を無理やり生み出している。
命が尽きる前に辞めてしまえば、大丈夫なのだが、基本的に自身の命を使いものに関しては、制御が難しい。
つまり、簡単に自滅していくのだ。
「魔力は解析済みだといっただろう?
無駄なことはやめるんだ。」
対戦相手の者がそういうと、少年の体から出ていた魔力が一瞬にして消滅した。
「私は、魔力を使うものには負けることはない。
私が苦手とするのは、まったく魔力を持たないものだけだ。
そして、魔力を持たない人間は存在しない。
つまり…」
そのまま彼は、魔力を失った少年を場外まで投げだした。
「人類に負けることはないのだ。」
そう言って、その部門の決勝は終わったのだった。
それこそ、魔力で強化されている会場でなければ、山に穴をあけることができるくらいには強かった。
しかし、もう一回アインは確認をしたが、さっきまでの攻略では、このような力は持っていなかった。
(それにしても、彼は大丈夫なのだろうか。)
魔力反応はあるので、死んではいないが、今の魔力砲を食らっては、バルバロット帝国兵でも、無傷でいられるものは少ないだろう。
しかし、アインの心配は杞憂だった。
「所詮は、しっかりとためられていない攻撃。
どこかにほころびがある。」
対戦相手は、小さな光の玉を持っていた。
そして、それを握りつぶすと、今度は青年のほうが、膝をついてしまった。
「!?な、なにをしやがった。」
「何って、君が簡単に魔力砲を売ってくれたおかげで、魔力の分析ができた。
あとは、攻撃による煙が出ている間に、君から魔力を少しずつ抜き出せばいいだけの話だ。」
そう、彼は、攻撃に関しては普通に受けたのだが、魔力の中の隙間を縫って、できるだけ食らう量を減らしていたのだ。
その結果、少しだけ身にまとわせた魔力でどうにかなったのだ。
「さて、君の魔力が解析できた今、君が私に魔力系の攻撃を食らわせることはできない。」
そもそも、チャージをすべてしていなかったとしても、結構な量魔力をチャージしてしまった今、そこまでの魔力は残っていないのだが、それでも魔力を使った無謀な攻撃をしてくるかもしれないので、戦闘はできるだけ楽しみたいと思っている彼は、魔力は使うなということを警告した。
「魔力の解析ができた…そんなはずない!
僕は選ばれたんだ。
僕は確かに声を聴いたんだ。
今日、初めて魔物を倒したが、その瞬間に、確かに天の声を聴いたんだ。」
実際、アインが後で調べた結果、その声に関してはただのレベルアップを伝える声だったのだが、それでも今まで一回も聞いたことない者がいきなり周りにだれもいないのに、そんな声を聴いてしまっては勘違いを起こすものなのかもしれない。
それにしたって、レベルが少し上がっただけでこの成長は異常だと思うが、自分のこともあるので、あまりおかしいとは言えなかった。
それに、彼の場合には1つ1つのレベルアップまでの必要系健一が多かったので、これからまたレベルアップの声を聴くには結構苦労するだろう。
「僕は今!こんな場所で倒れていいような人間ではいないのだー!」
そう言って、さっきよりも多くの魔力をいきなり放出し始めた。
(まずいな。今回の会場の装置に関しては、さすがに自滅までは考えられていないぞ。)
彼は、今、自分の命を使って魔力を無理やり生み出している。
命が尽きる前に辞めてしまえば、大丈夫なのだが、基本的に自身の命を使いものに関しては、制御が難しい。
つまり、簡単に自滅していくのだ。
「魔力は解析済みだといっただろう?
無駄なことはやめるんだ。」
対戦相手の者がそういうと、少年の体から出ていた魔力が一瞬にして消滅した。
「私は、魔力を使うものには負けることはない。
私が苦手とするのは、まったく魔力を持たないものだけだ。
そして、魔力を持たない人間は存在しない。
つまり…」
そのまま彼は、魔力を失った少年を場外まで投げだした。
「人類に負けることはないのだ。」
そう言って、その部門の決勝は終わったのだった。
10
お気に入りに追加
4,422
あなたにおすすめの小説
チートな嫁たちに囲まれて異世界で暮らしています
もぶぞう
ファンタジー
森でナギサを拾ってくれたのはダークエルフの女性だった。
使命が有る訳でも無い男が強い嫁を増やしながら異世界で暮らす話です(予定)。
間違い転生!!〜神様の加護をたくさん貰っても それでものんびり自由に生きたい〜
舞桜
ファンタジー
初めまして!私の名前は 沙樹崎 咲子 35歳 自営業 独身です‼︎よろしくお願いします‼︎
って、何故こんなにハイテンションかと言うとただ今絶賛大パニック中だからです!
何故こうなった…
突然 神様の手違いにより死亡扱いになってしまったオタクアラサー女子、
手違いのお詫びにと色々な加護とチートスキルを貰って異世界に転生することに、
だが転生した先でまたもや神様の手違いが‼︎
転生したオタクアラサー女子は意外と物知りで有能?
そして死亡する原因には不可解な点が…
様々な思惑と神様達のやらかしで異世界ライフを楽しく過ごす主人公、
目指すは“のんびり自由な冒険者ライフ‼︎“
そんな主人公は無自覚に色々やらかすお茶目さん♪
*神様達は間違いをちょいちょいやらかします。これから咲子はどうなるのかのんびりできるといいね!(希望的観測っw)
*投稿周期は基本的には不定期です、3日に1度を目安にやりたいと思いますので生暖かく見守って下さい
*この作品は“小説家になろう“にも掲載しています
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
転生したので、とりあえず最強を目指してみることにしました。
和麻
ファンタジー
俺はある日、村を故郷を喪った。
家族を喪った。
もう二度と、大切なものを失わないためにも俺は、強くなることを決意する。
そのためには、努力を惜しまない!
まあ、面倒なことになりたくないから影の薄いモブでいたいけど。
なにげに最強キャラを目指そうぜ!
地球で生きていた頃の知識と、転生するときに神様から貰ったチートを生かし、最強を目指します。
主人公は、騎士団に入ったり、学園に入学したり、冒険者になったりします。
とにかく、気の向くままに、いきあたりばったりに書いてるので不定期更新です。
最初シリアスだったのにギャグ要素が濃くなって来ました。
というか登場人物たちが暴走しすぎて迷走中です、、、。
もはや、どうなっていくのか作者にも想像がつかない。
1月25日改稿しました!多少表現が追加されていますが、読まなくても問題ありません。
異世界に転生したけど、頭打って記憶が・・・え?これってチート?
よっしぃ
ファンタジー
よう!俺の名はルドメロ・ララインサルって言うんだぜ!
こう見えて高名な冒険者・・・・・になりたいんだが、何故か何やっても俺様の思うようにはいかないんだ!
これもみんな小さい時に頭打って、記憶を無くしちまったからだぜ、きっと・・・・
どうやら俺は、転生?って言うので、神によって異世界に送られてきたらしいんだが、俺様にはその記憶がねえんだ。
周りの奴に聞くと、俺と一緒にやってきた連中もいるって話だし、スキルやらステータスたら、アイテムやら、色んなものをポイントと交換して、15の時にその、特別なポイントを取得し、冒険者として成功してるらしい。ポイントって何だ?
俺もあるのか?取得の仕方がわかんねえから、何にもないぜ?あ、そう言えば、消えないナイフとか持ってるが、あれがそうなのか?おい、記憶をなくす前の俺、何取得してたんだ?
それに、俺様いつの間にかペット(フェンリルとドラゴン)2匹がいるんだぜ!
よく分からんが何時の間にやら婚約者ができたんだよな・・・・
え?俺様チート持ちだって?チートって何だ?
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
話を進めるうちに、少し内容を変えさせて頂きました。
追放もの悪役勇者に転生したんだけど、パーティの荷物持ちが雑魚すぎるから追放したい。ざまぁフラグは勘違いした主人公補正で無自覚回避します
月ノ@最強付与術師の成長革命/発売中
ファンタジー
ざまぁフラグなんて知りません!勘違いした勇者の無双冒険譚
ごく一般的なサラリーマンである主人公は、ある日、異世界に転生してしまう。
しかし、転生したのは「パーティー追放もの」の小説の世界。
なんと、追放して【ざまぁされる予定】の、【悪役勇者】に転生してしまったのだった!
このままだと、ざまぁされてしまうが――とはならず。
なんと主人公は、最近のWeb小説をあまり読んでおらず……。
自分のことを、「勇者なんだから、当然主人公だろ?」と、勝手に主人公だと勘違いしてしまったのだった!
本来の主人公である【荷物持ち】を追放してしまう勇者。
しかし、自分のことを主人公だと信じて疑わない彼は、無自覚に、主人公ムーブで【ざまぁフラグを回避】していくのであった。
本来の主人公が出会うはずだったヒロインと、先に出会ってしまい……。
本来は主人公が覚醒するはずだった【真の勇者の力】にも目覚めてしまい……。
思い込みの力で、主人公補正を自分のものにしていく勇者!
ざまぁフラグなんて知りません!
これは、自分のことを主人公だと信じて疑わない、勘違いした勇者の無双冒険譚。
・本来の主人公は荷物持ち
・主人公は追放する側の勇者に転生
・ざまぁフラグを無自覚回避して無双するお話です
・パーティー追放ものの逆側の話
※カクヨム、ハーメルンにて掲載
システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。
大国 鹿児
ファンタジー
輪廻転生のシステムのバグで輪廻の輪から外れちゃった!
でも神様から便利なチートグッズ(笑)の詰め合わせをもらって、
他の星に転生しました!特に使命も無いなら自由気ままに生きてみよう!
主人公はチート無双するのか!? それともハーレムか!?
はたまた、壮大なファンタジーが始まるのか!?
いえ、実は単なる趣味全開の主人公です。
色々な秘密がだんだん明らかになりますので、ゆっくりとお楽しみください。
*** 作品について ***
この作品は、真面目なチート物ではありません。
コメディーやギャグ要素やネタの多い作品となっております
重厚な世界観や派手な戦闘描写、ざまあ展開などをお求めの方は、
この作品をスルーして下さい。
*カクヨム様,小説家になろう様でも、別PNで先行して投稿しております。
無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す
紅月シン
ファンタジー
七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。
才能限界0。
それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。
レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。
つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。
だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。
その結果として実家の公爵家を追放されたことも。
同日に前世の記憶を思い出したことも。
一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。
その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。
スキル。
そして、自らのスキルである限界突破。
やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。
※小説家になろう様にも投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる