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戦闘スタイル
しおりを挟む現状、アインが取り出した剣は、何の変哲もない剣だった。
それに、実際に何の変哲もない剣で、特別な金属が使われているとか、何かしらの魔力をまとっているということもなかった。
「なんなんだねその剣は、本当にそんなもので戦う気かい?」
「ああ、この剣でも十分お前の肌は切れるだろうからな。」
「確かに僕の肌は切れるだろう。しかし、僕の剣に当たった瞬間そんな剣は折れてしまうよ?」
実際、刃はしっかりと研がれているので、当たれば切れるだろう。
しかし、吸血鬼が持っている剣と触れてしまったら、その部分からひびが入って簡単に折れてしまうだろう。
「だろうな。だからこそ、この剣を使っているんだ。」
「どういうことだい?」
「正直、君は強そうだ。
そして、剣技に関しては、勝っているだろうが、君を反省させるためには圧倒的に勝たなくてはならない。」
今、アインが魔法なんかで彼を殺すことは簡単にできるだろう。
しかし、そんなことをしても将来、また彼の武器を拾ったものが彼の復活の依り代になってしまうだろう。
今、彼の持っている武器を壊してしまえばいいという考えもあるが、彼がどれくらいの装備を作っているのかもわからず、おそらくほとんどが空間魔法の中にあるだろう。
他人の空間魔法の中に介入は基本的にできない。
そして、彼が死に際に全魔力を使って自身の作った装備を世界中に転移させてしまっては、回収できないものも出てくるだろう。
だからこそ、ここで心を折って、二度と復活をしないようにするようにしたのだ。
「僕相手に圧倒的に勝とうっていうのは無理じゃないか?さっきの戦いを見てきっと剣技に関しては、同等だろう。
そして、吸血鬼は人間よりも圧倒的に回復力が高い。
お互いに重傷を負った場合には僕のほうが先に回復が来る。
つまり君は剣技でもしも僕に勝てたとしても、戦いには負けるんだよ。」
「そうか。まぁ、戦ってみればわかるんじゃないか?」
「そうだな。君の敗北の時間は近い。」
そういいながら、吸血鬼はアインに切りかかった。
アインはその攻撃を持っている剣ではじいた。
確かにはじけたのだが、はじいた瞬間に剣が折れてしまった。
「やはり、武器の差が大きすぎたようだな!」
そう言って、吸血鬼は弾かれた剣を返して、アインを下から切り上げた。
しかし、その攻撃も弾かれてしまった。
「なんだと?」
吸血鬼がアインの手を見ると、さっきと同じような剣を持っていた。
「さて、これが僕の戦い方だ。」
そう、アインは剣を大量に用意して、大量の剣を犠牲にして戦うことにしたのだ。
「なるほどな。
つまり、その大量の剣でこちらの体力が切れるまで耐える気か。
しかし、吸血鬼の体力はほぼ無限だぞ?」
そういわれたアインは、何も気にせず、攻め手を開始した。
それは…
「100本の剣よ。一斉に襲い掛かれ。」
そういうと、アインの周りから剣が大量に出てきて吸血鬼に迫った。
しかし、一本一本は弱いので、簡単に防がれてしまっている。
「こんな攻撃…」
そして、大量の剣の中から、アインは一本だけ自分で投げた。
その剣は、一直線に進んでいって、吸血鬼の前まで光速で飛んで行ったのだった。
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