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防御力

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            1人の兵が動いたことによって、他の兵も続くように動いた。

しかし、彼らの攻撃は謎の男には当たらなかった。

「これは…」

「なんですか?まさか、僕自身が使えないわけないでしょう。」

どこから出したかはわからないが、謎の男の手には例の装備が握られていた。

そして…

「全身装備装着。」

彼がそういうと、さっきの脱走犯とは違った装備を彼は身にまとった。

「な、なんだその装備は。」

「何って、僕の持っている最強装備。
だって、もともとの、僕の触媒が持っていた装備が最強なんて誰も言っていないよ。」

そういった後は、基本的に、彼のほうが攻めになっていた。

そして、兵たちが一番驚いたのは…

「これでもくらえ。」

そういいながら、彼はおもむろに銃を取り出したのだ。

兵たちはアインによって、銃を見たことがあって、そしてどのくらいの速度で飛んでくるのか分かっていたので、何とか回避できたが、もしも全く知らない状態で銃を撃たれていたら、思いっきり命中していただろう。

「よくこれをよけられたね。」

「なんでそれを持っているんだ。」

彼らからしてみれば、銃というのはアインにしか作れないようなものなので、なんで持っているのかが気になったのだ。

「ん?なんでって、自分で作ったからだけど。」

実際、彼はモノづくりに関しては数百年に1人の天才だった。

もしも彼が、しっかりと王城なんかで色んな物の製造を研究して入れば、おそらく技術は数十年は進んだだろう。

しかし、彼はそれをしなかった。

なぜかというと、彼自身が誰かに命令されてものを作るのがあまり好きではなかったからだ。

「つくづく、敵じゃなければよかったな。」

「前の時代にもそれを言われたよ。
まぁ、技術欲しさに僕をとらえようとしたから、その国は滅ぼしておいたけど。」

「そうか…」 

しかし、兵たちはそこまで焦っていなかった。

正直、銃に関しては、初見で驚いたが、よく見るとアインから言われていた火縄銃という、そこまで高性能ではないものだった。

それに、さっきの一撃を見て、不意打ちなければ当たらないことが分かった。

『やはり彼の一番の脅威は、全身にまとった装備と、剣の威力だ。
正直に言って、遠距離攻撃に関してはそこまでは強くない。』

コンタクトで、そのようなやり取りをした彼らは、最初はできるだけ遠距離からの攻撃を行った。

しかし、遠距離からの攻撃はすべて、全身装備に防がれてしまった。

「その装備さえ、どうにかなってしまえば…」

実際、今一番苦しめられているのは全身装備である。

剣での攻撃に関しては、さっきよりも、威力もスピードも上がっているが、彼自身に意識があるため、人間にはできないような動きはしてこない。

さっきの状態だと、関節を外して攻撃なんかやってきたが、それがなくなったのだ。

『これは、さらなる応援がいるか?』

『しかし、こいつに関しては、こちらの攻撃力が足りないだけで、人数を増やしても意味ないんじゃないか?』

『それじゃあ、魔術師か?』

『彼らの攻撃は、ここら一帯が消し去るから、王国のほうに迷惑がかかる。』

実際、謎の男の装備をはがすためには、それくらいの魔法を使わなくてはならないだろう。

『それでも、このままではじり貧になってしまう。
それに、転移魔法で彼ごと連れて行ってしまえばいいんだ。』

『転移魔法に対する対策をしていないと思うか?』

『それは大丈夫だ。基本的に集団にかける転移魔法に関しては対策ができないらしい。』

実際、集団用は、その空間を抜き取るようにするので、自身に向けられていない魔力には、どうやっても対策ができないのだ。

『それじゃあ、その作戦にするか。』

そう決めると、兵の中から1人が魔法士を呼びに行くのだった。

        
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