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秘密の部屋
しおりを挟むしかし、新兵たちは最初のほうは大進撃をしていたので、領主邸から、市民を話すことは成功していた。
「う~む。どうしたほうが良いか…」
「何でしょうか?」
「いや、彼らががんばっているが、今のうちに逃げるか、それとも彼らを信じ続けるか…」
「正直、私個人の意見から申し上げますと、逃げたほうが良いのでは?」
「そう思うか?」
「ええ、彼らもがんばってはくれていますが、それでも限界はありますし、それに、このままではいつか、王都の方からも調査が入るでしょう。」
「そもそも、王族にけんかを売ったことがもう報告されている可能性もあるんだよな?」
「ええ、まぁ、他の国の王族との結婚ですから、王様も結構慎重にはなるでしょうし。」
「そうか…しかし、逃げるにしてもどこへ行くんだ?
私は国内のこと以外は、あまり詳しくないぞ?」
「そうですね…
まぁ、とりあえずは、身分を隠してある程度の金を持って、結構発展した町に行きましょう。」
「しかし、発展している町では、見つかる可能性もあるのでは?」
「しかし、そんな事言って、あまり発展していない町に行っても、特に情報は得られませんし、それに、ちゃんとした生活環境もそろえなくてはいけませんから…」
「それもそうか…」
「後の問題は、誰を連れて行くかです。」
「そんな大人数ではないほうが良いだろう?」
「そうですね。しかし、あまり人数が少ないと、魔物の心配も…」
この国は結構な歴史があって、確かに街と街の間は結構整備されてはいるのだが、それでも、魔物に定期的に壊されて入るし、それに、その元凶である魔物も絶滅させることは出来ていない。
そもそも、魔物は魔族が造ったものだと思っているものも多いが、魔物は基本的には、人がいない場所に発生して、その元となるのは、人間が壊した自然によって、魔力を吸収して成長する植物も含まれているので、その総量が減っているから、増えるのである。
つまり、人が住むところに発生しないことだけを見つけて、どんどん都市を作っていってしまっては、根本的な植物のほうの問題を解決できていないので、魔物が絶滅するということはないだろう。
「それでは…逃げる準備をするか…」
そして、彼はいい加減覚悟を決めた。
そして、屋敷の裏にある、秘密の階段をあけて、地下に下がっていった。
「こんな場所があったのですか…」
「ああ、まぁ、私も一回も入った事はないが…」
「それでは、何故この存在を知っていたのですか?」
「まぁ、我が一家に伝わっているものだからな。さすがにこれに関しては、親から絶対に入るなと入れていたし。」
子供の頃に、その話を受けて、好奇心から入ろうとしたこともあるのだが、そのときには父親に、腕を切り飛ばされてしまった。
元々、結構強力な治療魔法使いがいたので、すぐに腕はくっついたが、それでも腕を切り飛ばされた恐怖で、それ以降ここには近づこうともしてこなかった。
そして、一番怖いのは、その父親というのは、普段は異常なくらいの親ばかで、やさしかったのだ。
そんな父が自分の腕を切り落としてでも、守り抜こうとしたものに一種の恐怖を覚え、近づいていなかったのだ。
「それでは、今回は何で入ったのですか?」
「この土地を捨てるほどの問題が起こった場合のみ、この部屋は開けて良いという約束だ。
この土地からいなくなるという意味では今だろう。」
そして彼らはどんどんと階段を下っていくのだった。
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