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新兵の傲慢
しおりを挟む屋敷には、もちろん警備兵がいたが、そんな事を無視して、市民たちは一斉に、屋敷に向かって走り出した。
「な、何をやっているんだ!捕らえるべき敵は向こうだぞ!」
市民たちが反乱を起こしたことは分かったが、それでも、その事実を信じたくない彼は、そのまま、命令をさらに下した。
しかし、すでに聞く耳を持っていない彼らがそんな事を聞くわけが無かった。
「皆!一気に攻め落とすぞ!」
警備兵に関しても、さすがに、この人数の市民には逆らうことが出来ないと思って、賢く、強い兵ほど彼らを捕まえることをあきらめた。
しかし、頭がそこまでよくなく、しかも、新兵に関しては、まだ、訓練などで、1対1くらいしか経験していないので、数の暴力の強さを知らないのだ。
しかも、念願の兵士になれたことによって、若干傲慢にもなっている。
「皆!彼らは領主様にあだなす反逆者だ!
彼らを捕まえて、我々の勇士を見せ付けるのだ!」
新兵の中のリーダー的な兵が新兵を率いて市民に向かって行った。
しかし、現実はそう甘くはない。
彼らが今まで学んできたのは対人船の中でも、1対1なので、基本的に相手の隙などを見て行動をする。
しかし、現状では、誰かの隙が出来たと思って、その人に飛び掛っては、横から別の人にやられてしまう。
さすがに市民と、兵の間には結構な実力差があるが、それでも完全に無防備になった横腹などを、多くの人に殴られては、まだ訓練と中でもある彼らは耐えられないだろう。
それに、彼らはまだ実戦経験が全然無いので、本当の痛みに耐えたことがないのだ。
筋トレなどによって起こされる痛みとは違って、外部から与えられたダメージ。
しかも、訓練とは違って、痛かったら中断してもらうことなんかも出来ないのだ。
そんなことも考えずに、兵士になれた自分たちには市民たちとは全然違う力があるのだ、と信じてやまない彼らは作戦なんか一切立てずに、正面突破で敵を殲滅しようとした。
そんな事をしてしまっては、後ろが取られるのだが、目の前の市民は次々倒れていくので、さらに彼らに自信がついてしまった。
そして、ある程度進んだところで、問題が起きた。
「ふっ!
結構倒したな…」
殺してはいないが、多くの人の意識を奪ってきて、疲れが出てきて、後ろからの攻撃に気づけなかったのだ。
「痛っ!何だ!?」
誰かが、彼に攻撃したことによって、彼は攻撃が来たほうを向いた。
「うッ!」
そして、後ろを向いてしまったがゆえに、前の人にも攻撃をされ、うめき声を上げてしまった。
そして、彼の決定的な隙をさすがの市民でも、見逃すことは無かった。
「うっ!ぐふッ!」
そして彼は、人の波に飲まれ、力を失っていった。
ちなみに、他の場所でも同じようなことが起きていたのだった。
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★次章執筆大幅に遅れています。
★なんやかんやありまして...
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