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誘導
しおりを挟むそして、市民の声が減ってきたころを見計らって、窓から顔を出した。
「皆のもの、静粛に願う。
今回の事件に関しての情報はすでに部下から聞いた。
よって、対抗策を取ろうと思う。」
この声を聞いた市民たちは、やっと、この危機から去ることができるのかと、うれしがった。
しかし、現実はそううまくはいかなかった。
「今回の解決策として、他の領の貴族から、資源をもらうことにした。
まぁ、近隣の貴族はくれなかったので、少しだけ時間がかかるがな。」
その発言を聞いて、市民たちは少しずつ、不安になってきていた。
「そ、その、何日くらいかかるんですか?」
そんな質問が来た。
「ん?まぁ、時間がかかってしまうし、3日くらいで来るんじゃないか?」
最初から、堂々と言ってしまうと、わかっていたのに、その領主に頼んだようになってしまうので、ここであえて、考えるようなそぶりを取った。
「み、3日!?」
正直、市民たちに関しては、毎日がつらいのだ。
それに、3日なんて待っているような心を持っているようだったら、商店まで行って、暴動を起こすようなことはしない。
とにかく、彼らは、今、1日でも待っているのができるない状況なんだ。
「そうだが?」
「そうだがだって!?あんたの責任で、このようなことになっているのだぞ!」
「どういうことだ?」
「あんたのあのような不祥事を見てしまったから、この町にいた商人たちは出て行ったんだろ!」
この質問は正直来ると思っていたが、それでもこの質問には確実に屁理屈が通じることも、この貴族はわかっていた。
「どうしてだ?そんな証拠はないが…
それにそもそもなんでそうだと思っているのだ?
もしかして、知っていて、何も交渉しなかったのか?
交渉をすれば残ってもらえて、君以外の人が苦しむ必要がなくなったのに。」
現状、言っていることが正しいのは、領主に責任を取らせようとしている者だ。
そして、それを他の市民もわかっている。
しかし、領主の放った1言によって、市民の心は少しだけ動かされてしまった。
それは…
『君以外の人が苦しむ必要がなくなったのに…』
この言葉だった。
人間だれしも、もしかしたら、自分が危機に瀕した理由となる人がいれば、そのものに、責任を取らせたくなる。
実際には彼は何も悪くないのだが、それでも、市民の心は若干彼を嫌い始めた。
「どうだったんだ?
もしかして君は彼らがこの町から出ていくときに、多くの食糧難化をもらっているんじゃないのか?
だって、現状一番大切なのは、日用品などの、収集なのに、君だけ探偵のようなことをしているじゃないか。」
実際には、責任を取らせて、物を用意させるつもりだったが、それは、自分に余裕があるから、犯人探しができているのでは?という、ようにもとられてしまったのだ。
「黙ってしまったがどうしたのだ?」
最近のことでイライラしていた領主は思いっきりあおったのだった。
しかし、それによって起こる問題も起きたのだった。
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