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習慣
しおりを挟む結果、アインは2人が帰ってくるまで、特に何もしていなく、久しぶりに何も考えない時間を得ていた。
「アイン君?」
そこに2人が帰ってきたのだが、アインは現状、何も考えていない。
もちろん、話しかけられれば、意識が元には戻ってくるが、2人は一回疑問を口にしただけで、そこからは何も言わなかった。
その後、30分くらいすると、アインの意識が戻ってきた。
「ふ~。久しぶりにこんな時間を使えたな。」
そして、アインは意識が戻った瞬間、すでに部屋の中に反応があることに気がついた。
「あれ?もしかして、もう帰ってた?」
「そうよ。」
アインにとっては、何で待っていてくれたのかが気になったので、聞いてみることにした。
「呼びかけてもらったら、いつでも反応できたんだけど、どうして待っててくれたの。」
「それは…」
「アイン君がいつも以上に真面目な顔だったしね。」
「そうそう。あんな顔見たこと無かった。」
真面目というより、何も考えていなかったので、真顔になっていただけだったのだが、自分たちが見たこと無いような表情をしているアインを2人は起こせなかったらしい。
「そうだったんだ。まぁ、これから先、何回かこれをやるかもしれないけど、話しかけて大丈夫だよ。
これは完全に時間を潰す作業だから。」
実際、何も考えなくなるのだから、アインにとっては、気がついたら時間が進んでいた状態だったのだ。
だからこそ、この状態のアインは本当に暇な状態なので、逆に話しかけてもらいたいくらいだった。
「それで、もう上がっていたんだね。」
しかし、そんな頃を今、言えるわけが無かったので、アインはいつでも話しかけて良いよというごまかしをして、その上、話を元に戻すことにした。
「うん。」
「結構前だけどね。」
「そんなに前にいたんだ。まぁ、上がったんなら後は暇な時間が続くだけだけど、何かしたいことってある?」
ここからは就寝時間まで暇になる。
アインはこの時間には、新たな魔法の研究をしていた。
現状、この世に存在する魔法は全て使えるので、アインにとってのこれ以上の強化というのは、新たなる魔法の閑静だったのだ。
しかし、その作業自体にはそもそもこだわりがあまり無く、イメージがわかなければまったく何も出来ないような作業なので、アインの心の中でも優先順位は最も低かった。
「う~ん。私たちも、アイン君が今日はなしがあるって言ってきたから、この場所で何かをしようとは思っていなかったんだよね。」
「そうなんだよ。だから、アイン君に任せようかな。」
アインはそういわれてしまったので、国内にある面白いものを思い出そうとした。
そして、面白いかは分からないが、世にも珍しいものは見せることが出来ると思った。
「それじゃあ、この城の地下に行こうか。
王国や他の国には無いものがあるし。」
そういうと、2人はアインの後を付いていった。
そして、厳重に固められた大きな扉の前に着いた。
「アイン君…中に何が入っているの?」
「安心して、別に危険なものが入っているわけじゃないから。」
そして、アインは扉を開けるのだった。
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