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泊まる組
しおりを挟むそんな、旅続行が続くのが決まってしまったが、いつまでも悔やんでいる時間は無かった。
「アイン君。婚約者の話はこれまでにしましょう。とりあえず、その3人に関しては認めるということで良いよ。
そして、私のほうからもお願いがあるの。」
アインhがついに来たか、と思った。
「私を泊めてくれない?」
セシリアのこの発言に、リリスは驚いていたが、シルクは普通の顔で聞いていた。
「泊まるってどういうことだい?」
アインはあえて、何も知らないように演じた。
「実は、私のお父様から、今日はアイン君のところに泊まってきなさい。といわれていて、今日の間は家に帰れないんです。」
アインはこの話も聞いていたので、分かっていたが、それにしても、目的のために娘を家に入れないとは、さすが公爵。勇気があるな~と思っていた。
「そうなんだ…それじゃあ、仕方ないね。泊まって行きなよ。」
アインがそういうと、セシリアの隣からも、声が聞こえてきた。
「アイン君。実は私のほうも同じような条件をお父様から言い渡されていまして、ここに止まらせてくれないでしょうか。」
実際には、少しだけ違うが、同じようなことをシルクの親も行っていた。
『シルク。もしもあの2人のうち、どちらかでも、泊まると言い出したら、一緒に泊まってきなさい。』
こういわれてたので、セシリアが動いた時点で、シルクもこの城に泊まっていくのが決まったのだった。
「分かったよ。それじゃあ、泊まっていくのはセシリアとシルクで良いね?」
アインは念のために、リリスに確認を取った。
しかし、リリスのほうは、さすがに今日は何もしないだろうと思っていて、父親である国王にもとまるかもしれないなど伝えていないし、国王のほうも泊まって来いという命令を出していない。
そして、通常、国の王族はよっぽどのことがない限り、城の中にいないといけない。
それは、警備の問題だった。
王族の周りで問題が発生したときに、その場所が兵士が全然いない場所だったらまずいため、王族は基本的にエリート兵が多い、王城にいなくてはいけないのだった。
それは、公爵令嬢も同じようだが、今回の場合は、当主のほうから泊まってくるように命令が出ているし、アインの国力は現状、世界のどの勢力よりも強力なので、一番安心が出来るといっても過言ではなかった。
「わ、私も実はお父様にそう言われていたんだ~。」
「リリス。本当?
貴方の場合、私たち公爵令嬢よりもくらいが高いのだから、1つ1つの行動が問題になるの。
本当に貴方のお父様からの命令なら良いのでしょうけど。」
実際、そんな命令はまったく出していないので、何も言わずに泊まっていけば問題になるのは目に見えていた。
「リリス。それじゃあ、明日の朝早くに迎えに行くから、それで良いかい?」
アインもさすがに今回はリリスを泊めるわけには行かなかったので、アインはそんな条件をつけてリリスを返すことにした。
「じゃあ、そこの2人が起きる前に迎えに着てね。」
若干ふてくされたように言ってきたが、それでも何とか納得してくれたので、アインはそのまま、リリスを王城に送り届けたのだった。
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