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とある貴族の勘違い

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            そして、次の日には完成をしたので、貴族の者たちには、そちらに動いてもらった。

「後は、来た人たちをここに送れば良いか。」

まだ、最終日ではなかったので、来ていない貴族も多く、そのものたちをここに連れてくるには、1人1人しっかりと、連れてくるしかないなと、アインは考えていた。

「アイン様、それでしたら、一旦この王城で、何人か集めてはどうでしょう?そのほうが1人1人説明する手間が省けますし、それに、少しの時間で、説明が終わりますよ。」

確かに、そうしたほうが時間も少なく終わるので、そうすることにした。

「分かった。それじゃあ、来た貴族には、とりあえず、部屋を渡して、夕方くらいにまとめて送っていこうか。」

「それで良いのではないでしょうか?」

そして、その通りに、事は進んで行き、アインの元に訪れた貴族たちは、最初に有る部屋に通され、その後、そこで自由にして良いと言われ、最初は、貴族たちも戸惑って、全然気楽に出来ていなかったが、それでも1時間くらい部屋にいると、くつろぎ始めたりした。

そんな事をしながら、夕方、日が暮れる頃まで待っていると、部屋にノックする音が響いた。

「何でしょうか?」

「アインです。今日の転送の時間が来ました。至急、この部屋から出て、玉座の間に向かってください。
部屋の前に、使用人を置いておきます。そのものに従ってきてください。」

そういうと、アインは他の部屋にも向かって行った。

しかし、貴族の内心は、あわただしくなっていた。

(何で、本人が呼びに来ているんだ!?
まさか、俺だけ遅れているのか?)

普通、こういうものは、王が各部屋に人を使わせて、呼びに行くのだったが、まさかのアイン本人が着てしまったので、自分が王を動かせるほどの大失態をしてしまっているのではないかと考えていた。

(しかし、今回の音以外には、まったく部屋に音はしなかったと思うんだがな…)

実際、誰も来ていないので、そうなのであるが、音を聞き落としてしまったのかと、記憶を呼び起こしている状態だった。

(いや、そんな事をしている場合じゃない。まずは、最優先で玉座の間に向かわなくては!?)

そして、そのものは無駄な思考はしないで、手際よく、展開していた荷物をまとめて、使用人と一緒に玉座の間に向かっていた。

しかし、基本的に使用人がしゃべらないので、それも、その貴族に焦りを感じさせることになっていた。

(まさか、口を利かないほどに怒っているのか?
考えられるのは、この者がアイン魔王様より先に、私の部屋に来て、何回か呼んでいることだ。)

実際には、ただただ、使用人とは、基本的に私語を発しない仕事なので、しゃべらないだけなのだが、そんなこと、雇ったことも無いので知らないこの貴族は、怒っていて、口を利いてくれないと思っていた。

しかし、この後、この貴族が玉座の間につくと、多くの貴族がちょうど集合していたので、この焦りから始まった無駄な思考は、全て意味の無いものだということを知った。
        
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