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新制度・新政府の兆し

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「これで、武力によって逆らおうとするような愚かな者たちは消えたか…」

アインは、出来上がったしたいの山を見ながら、そうつぶやいた。

「しかし、このような出来事は再び起こるだろう。
何せ、魔族は基本的に好戦的だからな。」

実はそんなこともないのだが、今まで名を後世まで残してきたような魔族は、基本的に好戦的だったのだった。

(アイン様?いきなりそんな事を良い初めて…
今までそんなこと言ってこなかったじゃないですか。)

(まぁ、そうなんだけど、今回の出来事を受けて、本格的にこの問題をどうにかしなくちゃいけないなと思ってね。)

(珍しく、自分から動くのですね。)

(だって、国内の出来事を変えようとしたら、自分から動かないといけないじゃん。
それに、今回は、今までの僕のようにはやらないよ。)

(と、言うと、どういうことですか?)

(今までは、基本的に犠牲を少なくするようにしてきたけど、これからはそんな事を言っている暇はないと思うんだ。)

(アイン様らしくないですね。
まぁ、本来の王というのはこういうものなのでしょうが。)

(まぁ、今回の出来事が終わったら、いつも通り、犠牲を少なくしていこうと思うよ。
それでも、今回のは、反対するものの方が多いだろうからね。
しかし、これをやっておかないと、この魔国を安定できないかもしれないから。)

(で、具体的に何をするのですか?)

(ああ、今回は、魔国には無かった、貴族制度のようなものをつけてみたいと思う。)

(貴族…制度ですか…
それこそ、争いが増えると思うのですが…)

(増えるかもしれないけど、これをやっておかないと、地方のほうがおろそかになっちゃうからね。
それに、今回の本来の目的は、この魔族の皆の心の奥底に根付いている、実力至上主義をどうにかしたい。)

(しかし、アイン様自体がその制度で魔王になったではないですか。
それこそ、文句は多く来ますよ?)

(だろうね。今やっているのは、用済みになった制度を消そうとしているんだからね。
まぁ、それでもこれだけはやっておきたいんだ。)

(何故ですか?)

(簡単なことだよ。立場をはっきりさせておきたんだ。)

(立場ですか。確かに、この国にはそういった制度はありませんね。
魔王が命じた役職につくようなものでしたから。)

この魔国では、実力至上主義がすごく浸透しているので、それこそ、上のものの言い分は全て受け入れなくてはいけなかったのだった。

そして、この制度がなかなか廃止されなかった理由は1つ、この制度を定め、一番利益を有しているだろう魔王が一番強いからだった。

この制度に文句があったとしても、魔王には勝てない。

つまり、変えたいと思い、それを実行に移そうとすれば、物理的にボコボコにされてしまうのだった。

しかも、この制度を消そうと思った魔王は、消した後の自分の立場がどうなるのかが気になって、行動に移すことが出来なかったのだった。

しかし、アインは今回変えるに当たって、新しい制度とともに、初代王になることをその制度に組み込む予定だった。

そして、今は実力至上主義ということで、一番強いアインのこの案が取り消されることは無く、このまま執行まで行くのだった。
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