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脱走
しおりを挟むその後、神官たちは、各隊長たちに連絡を取った。
そして、ちゃんと同盟国に向かって進軍している軍もいたが、それ以上に多かった異常事態があった。
「隊長。そちらの状況はどうなっている?こまめに連絡をしろという命令は出しておいたと思うが…」
「そうだったのか…知らなかったわ…」
「ん?これはちゃんと出撃前に連絡をしておいたはずだが?
それに、なんか変わってないか?」
「まぁ、そうだろうな…」
「それに、そんなしゃべり方でもなかったはずだ…
まさかお前…隊長じゃないな!」
「そうだが何か?」
「隊長をどうした!」
「どうしたなにも、戦争中で、しかも敵の大将だぞ?
殺すに決まっているだろう。」
「隊長を殺せるほどの力ということは…」
「ああ、その部下も全員殺した。」
「クソッ!そんな大量の兵が発見されなかったとは…」
「大量の兵?何を言っているんだ?俺は1人でこの隊を滅ぼしたんだが…」
「バカな!わが国の兵は、神によって強化されているんだ、たった1人に負けるわけがない。」
「そんな事を言ったって、実際に倒せているんだから仕方ないだろう。
あ、ちなみに、もう余裕が出たから教えるが、今回の俺らの作戦を少しだけ教えてやろう。」
「な、何なんだ!?」
「まぁ、全員終わっているだろうが、俺たちはうちの同盟の一番強い国の特別部隊。
今回そんな俺らに出された命令は…
『敵国の部隊に忍び込み、内部から潰して来い。』
これが俺たちに出された命令だ。」
「内部から…潰してこいだと…」
「ああ、まぁ、入れなかった部隊もあったがな。
まぁ、忍び込んでいた部隊は全て完了したらしい。
どうせ、他のところにも連絡をしているんだろう?
せいぜい絶望することだな。」
その言葉とともに、通信魔法具は切れてしまった。
そして、連絡を取った神官が集まって報告をしあったが、8割の部隊は潰されており、他の部隊は、国境についたはいいが、要塞のせいで全然攻め込めなくて、それどころか、要塞の上から攻撃をされて、どんどん兵が減っていってしまうので、一旦国境から離れているという状態だった。
「どうするよ。これ。
大神官に報告しに行くのか?」
「死にに行くようなものじゃないか…」
「でも、行かないとまずくないか?」
「そうなんだよな~。」
今、神官たちは怒られるのを覚悟で、大神官に報告しに行くのかを相談しあっていた。
「待てよ…今、教会にいる兵は、大神官や教皇が個人的に保有している近衛兵しかいないんじゃないか?」
「そうだが…それがどうかしたのか?
近衛兵は強すぎて、俺らがはむかっても何も出来ないぞ?」
「ああ、それは分かっている。
だが、人数は少ないのは確実だろ?」
「そうだな。
だから、それがどうしたんだよ!」
「人数が少ない今しか出来ない作戦があるんだ!」
「な、何だよそれは…」
「神官がばれないようにこの境界から抜け出すんだ!」
「な、何だと!?そんなことできるわけないじゃないか!
だって、教会の兵がどこにいたって追って来るんだぞ!」
「だからこそじゃないか!
今は兵が少ないんだから、今逃げれば追っ手が来ないかもしれないんだ!
どうせ、ここにいても殺されるんだから、俺は逃げるぞ!」
「そ、そうか…
そうだよな…
お、俺もついていくぜ!」
「お、俺も!」
「某も!」
結局その場にいる神官は全員賛同して、数分の間に、どうしても一緒に逃げたい人だけを呼んでくるように、全員に行って、神官たちは、全員の魔力を合わせて、転移魔法で、どっかに飛んでいったのだった。
転移魔法は、行き先を決めないと、使う魔力が少なくて住むので、ぎりぎり飛んでいくことが出来たのだった。
こうして、教会内の殆どの神官がいなくなり、教会の崩壊がより一層近づいてきた。
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