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神の力
しおりを挟む今回は、アインの話に戻ります。
「アイン様、どうして、あんな大金を出してまで、あの国の領地が欲しかったのですか?」
「ああ、少し、実験的なことをやりたくてね。」
「実験ですか?」
アインは、今回金で買った領地でとある実験をしようとしていたのだった。
「それで、その実験とは何なのでしょうか?」
「まぁ、いきなり答えから行っても面白くないし、見ててよ。」
「分かりました…」
そして、アインは1つの紙を取り出した。
「それは?」
「ああ、これは各国に建国を宣言する紙だよ。」
「建国…ですか?それはどういう意味なのでしょうか?」
「今回の実験では、最初に、今回入手した土地を元の国に返してあげる必要があるんだ。」
「まさか、今回金を出してまで買った国をもう一回独立させるのですか!?」
「いや、そんなもったいないことはしないよ。
今回やろうとしているのは、傀儡国を作ることだよ。」
「傀儡国ですか…」
「ああ、そして、その傀儡国を全力で強化して行ったら、どうなるのかの実験をするんだ。」
「しかし、どうしてそんな事をするのでしょうか?」
「この実験が成功したら、第3の大陸の大量の国を強化しようと思っていてね。まぁ、基本的な政治には口を出さないけど、その代わりに、重要なことはこちらが決められるような国を作るつもりだよ。」
「そうですか。それでは、今回のことではあまり私が手伝えることは無いと思うので、これで失礼しますね。」
「ああ、前に頼んだ、国内や分国の強化をしていてくれ。」
「分かりました。
………アイン様、今回のことで、魔国も強化してはどうですか?」
「…確かに。今まで、自分が魔王なのに全然内政をやっていない気がする。」
「まぁ、魔王さんが定期的にやっているようですが、それでもアイン様が王の国なのですし、強化しておいても損はないかと…
しかも、魔国に関しては力が絶対なので、人間の国よりは反乱なども起きづらいでしょうし。」
「確かに…まぁ、魔国のほうは、この実験が終わったら、本格的に取り掛かるよ。」
「ええ、それでは本当に失礼します。」
そして、エリは帰っていった。
「さて!取り合えず、傀儡国にする準備は出来た。
後は、どのように強化をするかだな。」
そして、アインは封印を解除するために数十分、そのまま動かなかった。
そして…
「よし、封印が解けた。」
アインは久しぶりに封印をとき、最初に今回の傀儡国予定地にとある仕掛けをした。
「前にもやった気がするけど、これが一番楽だし…」
その日、アインの国土の一部の地下が消失した。
そして、その地下には太陽が出来、その上、家まで勝手に出来上がっていた。
「あまり、世界の理は操りたくないんだけど…しょうがないか。」
そしてアインは、その地下に、約5000万人のホムンクルスを作った。
このホムンクルスの恐ろしいところは…
「さて、今日も仕事をがんばるか。」
「お、今日も朝から早いね。」
「はい!これを毎朝の習慣にしているので。」
アインが作ったホムンクルスたちには、今までもずっと暮らしてきたという記憶が勝手についているのだった。
しかも、この地下は、空間魔法と、アインが最初に魔物を作っておいたので、地上とほとんど代わりの無いところになっていた。
(彼らにはいずれ、地上に出てきてもらうことになる。それまでは、上と下を同時に成長させていこう。)
そして、アインは再び、自身に封印をかけ始めたのだった。
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