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前半の話
しおりを挟む「まず、前半の話ですが、黒金貨1枚ということでどうでしょうか?」
「く、黒金貨!?」
世界全体でも、トップ20国の年間予算で30枚ということは、一つの大陸のしかも、小国と呼ばれるような国の予算は果たして黒金貨を超えるのだろうか?
「く、黒金貨か…」
「だめでしたか?」
「いや、だめではないんだが…本当にいいのか?」
「はい。しかし、なんでそんなに躊躇うのですか?」
アインは理由をわかっていたが、あえて聞いてみた。
他の情報を聞き出すために。
「いや、なに、我が国の国家予算5年分だからなだからな。」
「そうなんですか?」
「ああ、大国には余裕があるかもしれないが、そんなにあったとは…」
本当の大国でも、こんなにはないだろう。
これはアインだからできた芸当だったのだった。
(それにしても、これで5年分か…つまり、白金貨200枚しか使わないのか?)
アインは、正直に言って、結構驚いていた。
なぜなら、たったのそれだけで国が回せるのかと思っていたからだ。
アインは、自分の収入が多かったので、節約をすることなく、できるだけお金を使って、国を豊かにしようとしてきた。
そのため、国には最低でも必要な予算というのを勝手に決めつけていたのだった。
(しかし、これだったら、結構交渉をする必要がないんじゃないか?)
アインが、そう思ったのは、もともと、もっと出さないといけないと思っていたのだが、黒金貨1枚で5年分と聞き、だったらこれ以上は要求してこないと思ったからだ。
「それにしても、結構予算が少ないように感じるのですが、理由って聞かせてもらっていいですか?」
「ああ、理由は簡単だぞ?小国は大抵、出来るだけ自給自足をしていくんだ。
だから、食料にかける金が少ないんだ。」
食料、それは国にとってはなくてはならないものだった。
実際、問題になっている国では、食糧難によって、市民の不満を買ってしまい、なにもできないくらいに、追い詰められるくらいには、深刻な問題だったのだ。
「成る程、理由はわかりました。だから予算が少なく済んだのですね?」
「そうだな。」
「そうですか…それでは主観でもいいのですが、この額を報酬にすれば、他国は進んで入ってくると思いますか?」
「そうだろうな、同盟に加盟するだけで、5年間の経済の安定が保証されるだから。」
「やはりですか…では、さっき言った話の後半についてを話します。」
「あ、そうだったな。で、なんなんだ?」
「実は、招待する上で、注意してほしいことがあるのです。」
「何かね?」
「実は、報酬についてを喋らないでほしいのです。」
「何故?話をした方が、同盟国も増えるだろうに。」
「それには、この先、同盟を安定させるために必要なことがあるからです…」
そしてアインは、後半についてを語ることにした。
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