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真相への第一歩

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            そして、教会からある程度離れ、人気の無いところでアインはその女の子に話しかけた。

「君は…洗脳にかかっていないんじゃないのか?」

アインがそう思ったのには、いくつかの訳があった。

1つ目は、目の生気。

他の人たちには、本当に生気が無かったが、彼女だけは、生気を隠そうとはしていたが、それでも少なくともあったのだった。

そして、2つ目は覚えている魔法。

本来、教会に入ったものには、回復魔法しか教えてくれない。

なぜなら、回復魔法は貴重で、しかもこの大陸の人たちは、回復魔法は境界のものにしかつかえないと思っているので、習得を使用ともしないので、余計に教会の回復魔法の希少性が上がっているのだった。

そして、教会もそのことをよく理解しているので、他の魔法を覚えるのに、時間を割くくらいだったら、多少の無茶を承知で、洗脳をして、回復魔法を打ち続ける人間を作ったほうが利益が上がるのだった。

「…」

そして、その少女は、黙秘を続けた。

これにも意味があって、教会で洗脳されている人たちには、会話が出来ない。

なぜなら、やることをやるだけで、それ以外の機能は使ってはいけないと、教会の洗脳によって、埋め込まれているからである。

よって、質問に返答した時点で、自分は洗脳されていませんと語っているようなものだった。

「君の名前は?」

「…」

「どんなことが出来るの?」

「…」

「君は教会が憎いかい?」

その瞬間、その質問にだけは、少しだけ体が、ビクッ!ってなっていた。

(教会が憎いけど、教会に所属していた…これはどういうことだ?)

そして、アインは一個の選択肢の中に、教会の内部からの破壊による復讐という文字が浮かんだ。

(そうなのか?…まぁ、少しだけ試してみるか。)

アインはそう決心した後、また、質問を開始した。

「教会に、何か弱みを握られている。」

無反応

「教会に、何かをだまされた。」

無反応

「教会に何かを盗まれた。」

そういったとき、少しだけ、目に動揺が見えた。

(なんか、こんな事やっていると、僕って傍から見たら、やばい人なんだろうけど、これから仲間になる人に何か秘密を隠されていても、心配だ。しかも、復讐関係の秘密かもしれないし。)

そしてアインは、さっきの「教会に何かを盗まれた。」と近いような質問をしていった。

「教会に大事なものを盗まれた。」

これにも、さっきと同じように、少しだけ反応。

「教会に、何か高価なものを盗まれた。」

これには無反応。

この時点で、アインは少しだけ嫌な予感がしていた。

(まさか…いや、さすがに教会だってそこまでのことはしないだろう。)

しかし、一回気になったものは、ずっと気になったままになってしまうので、思い切って聞いてみた。

「教会に…大切な人を取られた。」

そして、その言葉には、目が過剰に反応をし、何もしゃべらないまま、目からは雫がこぼれていた。

「え?ご、ごめんね。泣かせる気は無かったんだ…」

アインにとっても、まさかこの質問が当たってしまうなんて思っていなかったので、いきなり涙をこぼし始めた彼女に動揺を隠せなかった。

(大事な人…彼氏か家族か…家族だろうな。基本的に教会はめったに男性を募集しない。するとしても、数年に1度一斉に募集者を募って、一部の男性を教会で働かせるだけだ…男性が無理やり連れ去られたとは考えにくい…)

実際アインの予想は、大体あったっていたのだった。

そして、そのまましばらく待っていると…

「分かりました。この演技はやめます。さっきの奴を見られて、まだ洗脳されていると言い張ることは出来ませんから。」

こうして、やっと彼女は口を開いてくれたのだった。
        
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