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ヘレンとジオドーラ

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            結果、シオドーラは反抗的ではなくなった。

口は反抗的だが、体で何かするということが出来なくなっていたのだった。

「そんな事言っていないで、家に帰るよ!」

「お前、家まで持っているのか!」

「いや、普通に宿に止まるだけなんだけど…」

「なんだ…」

一瞬、シオドーラが何かを期待した目になったが、その目もすぐに消えてしまった。

「だって、僕たちはこれから旅をするんだから、一箇所に家を持つって事は、とっても非効率的なんだよね。」

そう、アインはこれから先、旅をしていきたいと思っている。

なので、家を買ったところで、その家を使うことはほとんどないし、それに、もしも買ったところで、アインたちがいなくなってからは、誰かが、管理しなくてはいけないのだ。

「分かった。」

とりあえず、シオドーラも不服そうにはしていたが、従ってくれた。

そして、アインたちは部屋を借りて、一夜を過ごした…

次の日…

「今日は何をするんだ?」

「ああ、今日は君に僕の仲間を紹介しようと思う。」

「仲間…か。そんなのがいるのか?」

「まぁね。とはいっても、昨日知り合ったばかりの子なんだけどね。」

アインがそんな事を言っていると、向こうのほうから、ヘレンがやってきた。

「あれ?その子は誰?」

「ああ、前に言っていた奴隷だよ。でも気をつけてね。この子はまだ完全に従ってくれるわけじゃないから。」

アインがそんなことを言うと。

「安心して、わたしが逆らうのは金を持った男だけ…ヘレンのような子とは仲良くしていきたいと思うわ。」

そして、アインが冒険者ギルドに行こうというと、2人は付いて来てくれたが、2人で話していて、胴に持ち被けない雰囲気をかもし出していた。

「これから先よろしくね?私はシオドーらって言うの。」

「あ、よろしくお願いします。私はヘレンと申します。」

「そんなに硬くならなくて良いよ。それにこれから先一緒にやっていくって聞いてるし。」

「そうなんですか!…良かったです…」

「どうしたの?」

「いえ、昨日知り合ったばかりの私と本当に一緒にクエストをこなして行ってくれるのか不安でして…」

そう、ヘレンはまだ新人冒険者。

アインのほうが冒険者カードを後に取った後輩ってことにはなっているが、先日の戦いでヘレンはアインが自分よりもずっと強いことが分かっていたので、一緒にクエストをこなしてくれるのかが不安だったのだった。

「そうだったんだ。でも安心して。あいつがなんと言おうと、わたしがヘレンと一緒にクエストをこなして行ってあげるから。」

「本当ですか?ありがとうございます。」

「そんなヘレンちゃんに1つお願いしても良いかな?」

「何でしょうか?」

「その敬語をやめて。なんか、これから一緒に死を覚悟で戦っていく相手に敬語なんて使われたくないわ。」

「そうですか?あ!そうだね。」

「そうそう、それじゃあ、行こうか。」

そして、この2人の中はどんどん良くなっていき、アインが当初心配していたことも起こらなかった。
        
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