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やってしまった連合軍
しおりを挟むその後、会話はマスクを通して行われるようになったので、あまり会話が無いまま会議が終わった。
「こんなに静かな会議なのかな?」
「まぁ、今年はメンバーも変わりましたし、今後会話が増えていくんじゃないですか?」
「そうだね。」
会議も終わったので、城に帰ってきて、1日休むことにしたアインは、早めに食事をとることにした。
「あれ?アイン帰ってきたの?」
「ああ、ただいま。君のお父様とも会話をしてきたよ。」
そこで待っていたのは、リリスだった。
「お父さんって、そういう会議の場ではどんな人なの?あまり仕事の場には入れてくれなくてさ~。」
「残念ながら、多分リリスが期待していることは無いよ。今回、会議の主催者が作ったマスクのおかげで身内だけで会話が出来るようになったから、外向きの会話はしていなかったから、いつもどおりのお父様だったよ。」
「そうだったんだ。それにしても、今日はなんかご飯の時間早くない?」
「ああ、大丈夫だよ。これは僕が早く食べるだけで、別に皆早く食べる訳じゃないから。」
「そうなんだ。でも、何で?」
「ああ、今日の会議で多分精神が疲れてるからね。まぁ、疲れは感じないけど、感じてからではだめだと思っているし。」
「そうなんだ。まぁ、気をつけてね?」
「分かっているよ。」
そして、リリスが部屋に戻っていくのを確認すると、アインはさっさと飯を食べて、すぐに寝付いた。
(なんか、面倒くさい予感がするし、早く寝ておこう。)
そう思いながら寝るのであった。
翌日…
(うん。昨日早く寝たから、予想以上に早く起きてしまった…)
アインがそんな事を後悔していると…
「アイン様~。おきていますか~。」
小さな声で、兵が入ってきた。
「起きているよ。」
「起きていましたか!それは良かったです。」
「それで何の用?こんな朝から呼ぶって事は何かあったんでしょ?」
「はい。それが、とある同盟に戦争を仕掛けられました。」
「…意外と早かったな。」
「あまり驚きませんね?」
「ああ、いつか来るとは思っていたからね。」
「どうしましょうか…相手は降伏を促しているそうです。」
「具体的には?」
「はい。『貴様の国の国力はすでに調査済みである。その上で我々の連合には惜しくも力が足りないことも分かっている。よって、惨めな敗北をしたくなければ降伏せよ!』との事です。」
「調査した上で挑んでくる?何か違和感を感じるな…」
「はい。我々も違和感を感じました。それに1番の違和感は…」
「何?」
「宣戦布告のためにやってきた船は、ここではなく、アイン様がバルバロット帝国の分国となっているあの村に対して宣言しているのです。」
「もうあそこは村じゃないから、ちゃんと分国って呼んでね?」
「失礼しました!」
「それにしても分国に向かって宣言しているとはどういうことだ?あそこも本国の領土といえば領土なんだが…」
「今、向こうの諜報部隊が船に潜入しているそうです。」
「船で来ているのにこっちに来ない理由とは…」
そして、そんな事を言っていると、例の諜報部隊が急いでアインの元にやってきた。
「アイン様、たった今、転移魔法を使って、調査書のレプリカを持ってきました。書いてあることは本物と一緒です!」
そこには分国の形をしたバルバロット帝国本国という文字が書かれ、人数や武力など書かれた紙が渡された。
「なるほどね…向こうを本国だと思っているのか…」
「いえ、そもそもこの大陸にバルバロット帝国があることも知らないそうです。」
「まぁ、納得がいった。最近は向こうでの戦争のほうが多いし、当たり前って言えば当たり前か。」
「確かに、最近アイン様はこの大陸ではあまり戦争をしませんね」
「ああ、残っているのは友好国だけだしな。まぁ、分かった。それじゃあ、一泡吹かせますか!」
「本国の部隊も使うつもりですか?」
「ああ、あいつらも暇だろうからな。まぁ、終盤だけな。」
「オーバーキル…なんでもないです。アイン様に一生着いていきます!」
こうして、分国調査書で調子に乗っている連合をオーバーキルしに行くのだった。
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