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1人の貴族
しおりを挟む貴族制度を導入してから、早数日、すでに、領地が大きくなったり、小さくなってあたりする人が多かった。
「う~ん。領地を小さくしている人たちも、別に仕事に問題があるわけじゃないんだよね…目立った成績が無いだけで。」
結局、不正を行おうとしたものが現れなく、皆普通に成果を挙げて行った。
なので、成果を持って来てもらったら、まったく活躍していない人の領地を少しだけもらえることにしてあったのだ。
「エリ。本当にこれで良いのかな?一応、悪いことを何もやっていない人から土地を取ることは悪いんじゃないのかと思うんだけど。」
「安心してください。確かに、領地が小さくなったものもいますが、それでも、他の国の貴族に比べれば大きいですし、それに、言ってしまえば、貴族になったときの誓いの中に、アイン様の命令には絶対従うという項目があったのですから、これも命令の1つと考えば良いのですよ。」
「まぁ、最後のはさすがに使わないけど、先に言ってあったことだし、仕方ないか。」
そして、爵位が変動しやすい期間が過ぎた。
「良かった。こうなったか。」
貴族の数は最初より少し減っているが、多くの貴族は自分の領地に責任感を持って、そして、領地が小さくなってしまった貴族も、その小さくなった領地をこっから時間をかけて豊かにして行こうという意思が感じられた。
しかし、小さいとは行っても、アインが完全制覇した大陸の一国分ずつ位に分けているので、結構な数がいた。
「この貴族制度では、僕は王都周辺と、魔国の担当だね。」
「確かに、魔国全部をアイン様が直接支配するのでしたら、国内の領地の大きさのパワーバランスも取れますね。」
貴族たちは、1人で大体一国分の大きさのというのは、結構大きいので、これから先も支援をしていかないと、おそらくは破滅していってしまうのだった。
「まぁ、1人大丈夫そうな人もいますけどね。」
この、爵位変動期間の間に他国に対して戦争を仕掛けた貴族がいた。
その貴族は、獣人だったので、出来るだけ獣人が多い領地に付かせてあげたところ…
「アイン様、我々は戦闘民族。内政も出来ますが本職は戦闘。なので周りの国に責めたいのですが、どこなら良いのですか?」
アインが彼に上げた領地は、完全制覇した大陸内の国ではなく、アインが最初に海を割ったってたどり着いた大陸…つまり、他国と協力をして王国を倒した大陸だった。
その大陸のアインが持っている領地を約10等分して、10人の貴族をそこに送っていたのだった。
「ああ、確かに君に任せた土地の周りは他国だから、貴族同士の戦いにはならないな…ちょっと待ってて。」
そして、当時のアインは彼に任せた領地の周りで攻め込んでも良い国をピックアップして行った。
「この2つの国は最近、悪事を働くようになって来ている。それに、この2国に関しては滅んでも1部の闇の国しか困らないから攻め込んでも良いよ。」
「承知しました!それでは行ってきます。」
そして、彼は一国を滅ぼし、もう片方は誰かのためにとっておき、新しく支配した国と接している国の中でせめても良い国をアインから教えてもらい、どんどんと悪い国を滅ぼしていった。
そして、彼は領地が一番大きくなり、しかも領地は横には広がらないので、長くなっていった…
「彼みたいなのがこれから増えるかもしれないし、そろそろ船を使う許可を出すか。」
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