277 / 554
先手必勝!
しおりを挟むそして、会議が始まったが、特に話題も無いため、なかなか最初に話し出す人が現れなかった。
「あれ~?今回は皆しゃべらないね?メンバーが変わっちゃったから?」
「そうでしょうね。20人中6人が新メンバーなんです。今まで通りのようには行かないでしょう。」
「まぁ、それもそうだね~。」
主催者が何とか会話をさせようとしたが、全然話はつながっていかなかった。
「う~ん。こんなに膠着するとは…これは主催者の力が試されているのか?」
こんな感じで、基本的に陽気な主催者だったが、さすがに現状、このまま会議が終わるのはまずいと思ったのか、ある話題を出した。
「う~ん。本来はこんなに早くやることではないんだけど、早速やるか!土産交換~!」
主催者がそういった瞬間、元からいたメンバーは驚いていた。
「おいおい、まだ新入りで発表も最近の奴らにも、土産を持ってくるように言ってあったのかよ。」
「うん。そうだけど?」
「あんたが作った制度だけど、この土産交換の大切さ分かってるのか?」
「ああ、分かっているとも!この土産交換によって、その国の力を見せ付けるんだよ。自分で作った制度くらいは覚えてるよ。」
「分かっているのか…それじゃあ、何で発表されてからあまり日時が無かった新入りたちにも持たせるってのは酷じゃないのか?」
「そんなのは分かっているよ。だから、皆も今回の新入りたちの土産にはそこまで期待してあげないでね?しょぼくても、しょうがないことだから。」
そして、主催者だけには、全員の顔が見えているらしく、新入りたちが、最後に渡す形になるように、配慮をしてくれたようだ。
そして、元から居たメンバーは自国の力を見せ付けるために、このプレゼントには力を入れていて、高価な金属や弱い国では国宝になるくらいの武器を参加国に配っていた。
「よしよし、これで、元からいたメンバーは配り終わったな?…よし、それじゃあ、新入りたちも配り始めても良いぞ。」
そして、新入りのメンバーらしき黒い影も配り始めていた。
その中には、現金を渡している者もいたので、それでも良いんだとアインは安心した。
「あれ?君は配らないのかい?」
アインは席に座ったままだったので、主催者から話しかけられてしまった。
「ああ、配ります。…これは国力を示すので、上限はありませんよね?」
そして、アインのその一言によって、他の人は一斉にアインを見た。
「おいおい、新入りよ。それはどういうことだ?」
「あ、いえ。最初ということで、何を渡せば良いのか分からなかったので、現金にしたんですが、上限があるのか気になっただけです。」
「何だ。そういうことか。」
アインの言葉は俺は超金持ってるけど、上限とかあるの?引っかかりそうなんだけど。という風にも聞こえるのだった。
「無いぞ。言ってしまえば国自慢でもあるからな。上限があったら、それ以上自慢できないだろ。」
主催者からもそういわれたので、アインは全員の前に小さな袋を置き、こう言った。
「急遽、この会議に参加できることを知ったので、少しのお金しか用意できませんでした。僕が昨日1日で全力でモンスターを倒しまくったときにもらった報奨金と、自分がやっている商会の給料を合わせた額を皆様に渡しました。」
「何だこれは?こんなに少ないのか?」
その袋は一目見るだけでマジックアイテムでないことが分かるので、本当に少量しか入っていなかったのだ。
「ええ、それだけでは足りなかったのでしょうか?」
「当たり前だ!ぱっと見、30枚くらいしか入っていないじゃないか。」
「ええ、よく分かりましたね?30枚です。」
「よく分かりましたでは無い!なめているのか!」
アインはそういわれてしまったので、一言でその言葉を撤回させることにした。
「それでは中を見てください。」
そして、各国の王は袋の中を見た。
袋の中に入っていたのは全て黒金貨だった。
「これでも、足りないのでしょうか?」
アインは、会議早々、他国に対し、国力の差を見せ付けにかかった。
20
お気に入りに追加
4,624
あなたにおすすめの小説

チートな嫁たちに囲まれて異世界で暮らしています
もぶぞう
ファンタジー
森でナギサを拾ってくれたのはダークエルフの女性だった。
使命が有る訳でも無い男が強い嫁を増やしながら異世界で暮らす話です(予定)。

間違い転生!!〜神様の加護をたくさん貰っても それでものんびり自由に生きたい〜
舞桜
ファンタジー
「初めまして!私の名前は 沙樹崎 咲子 35歳 自営業 独身です‼︎よろしくお願いします‼︎」
突然 神様の手違いにより死亡扱いになってしまったオタクアラサー女子、
手違いのお詫びにと色々な加護とチートスキルを貰って異世界に転生することに、
だが転生した先でまたもや神様の手違いが‼︎
神々から貰った加護とスキルで“転生チート無双“
瞳は希少なオッドアイで顔は超絶美人、でも性格は・・・
転生したオタクアラサー女子は意外と物知りで有能?
だが、死亡する原因には不可解な点が…
数々の事件が巻き起こる中、神様に貰った加護と前世での知識で乗り越えて、
神々と家族からの溺愛され前世での心の傷を癒していくハートフルなストーリー?
様々な思惑と神様達のやらかしで異世界ライフを楽しく過ごす主人公、
目指すは“のんびり自由な冒険者ライフ‼︎“
そんな主人公は無自覚に色々やらかすお茶目さん♪
*神様達は間違いをちょいちょいやらかします。これから咲子はどうなるのか?のんびりできるといいね!(希望的観測っw)
*投稿周期は基本的には不定期です、3日に1度を目安にやりたいと思いますので生暖かく見守って下さい
*この作品は“小説家になろう“にも掲載しています

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!
仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。
しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。
そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。
一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった!
これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!

同級生の女の子を交通事故から庇って異世界転生したけどその子と会えるようです
砂糖流
ファンタジー
俺は楽しみにしていることがあった。
それはある人と話すことだ。
「おはよう、優翔くん」
「おはよう、涼香さん」
「もしかして昨日も夜更かししてたの? 目の下クマができてるよ?」
「昨日ちょっと寝れなくてさ」
「何かあったら私に相談してね?」
「うん、絶対する」
この時間がずっと続けばいいと思った。
だけどそれが続くことはなかった。
ある日、学校の行き道で彼女を見つける。
見ていると横からトラックが走ってくる。
俺はそれを見た瞬間に走り出した。
大切な人を守れるなら後悔などない。
神から貰った『コピー』のスキルでたくさんの人を救う物語。

(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います
しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。

クラス転移で神様に?
空見 大
ファンタジー
空想の中で自由を謳歌していた少年、晴人は、ある日突然現実と夢の境界を越えたような事態に巻き込まれる。
目覚めると彼は真っ白な空間にいた。
動揺するクラスメイト達、状況を掴めない彼の前に現れたのは「神」を名乗る怪しげな存在。彼はいままさにこのクラス全員が異世界へと送り込まれていると告げる。
神は異世界で生き抜く力を身に付けるため、自分に合った能力を自らの手で選び取れと告げる。クラスメイトが興奮と恐怖の狭間で動き出す中、自分の能力欄に違和感を覚えた晴人は手が進むままに動かすと他の者にはない力が自分の能力獲得欄にある事に気がついた。
龍神、邪神、魔神、妖精神、鍛治神、盗神。
六つの神の称号を手に入れ有頂天になる晴人だったが、クラスメイト達が続々と異世界に向かう中ただ一人取り残される。
神と二人っきりでなんとも言えない感覚を味わっていると、突如として鳴り響いた警告音と共に異世界に転生するという不穏な言葉を耳にする。
気が付けばクラスメイト達が転移してくる10年前の世界に転生した彼は、名前をエルピスに変え異世界で生きていくことになる──これは、夢見る少年が家族と運命の為に戦う物語。

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる