263 / 554
所詮は無力
しおりを挟む「ガハッ!」
光線によって作り出された光が晴れた後、そこには、大部分が損傷しているセノヴァが居た。
「おお、今ので死ななかったのか…」
「そう簡単に死んでたまるかよ!」
「ちなみにどうやって防いだの?」
「簡単だ!光の攻撃が来る前に、闇を展開したんだよ!」
「なるほどね…まぁ、そのくらいでは防げないと思っていたけど、結構強いんだね。」
「余裕で居られるのもここまでだぜ?今の攻撃で天使たちは結構力を消費したからな。」
「う~ん。確かに皆結構、力を消費しているね。」
「次はお前を潰す。」
「う~ん。あまり調子に乗らないほうが良いよ。」
「は?だって天使たちは皆…」
「エリ。始末して。」
「分かりました。」
そして、エリは天使化した。
「おいおい、そいつも天使だったのかよ…」
「まぁね。しかも、僕が作った天使だ。」
「何言ってんだ?それだと、まるでお前が神みたいじゃないか。」
「そうだったらどうする?」
「は?やっぱりお前頭おかしいよ。」
セノヴァがそんなことを言うと、エリがセノヴァに対して攻撃を仕掛けた。
「貴様。最高、最強であるアイン様に向かってなんだその態度は?」
「何だこの天使。他の奴よりも…」
エリはアインによって天使にされた、特別な天使。神の権限を持っていないだけで、力だけで言えば神にも匹敵する力を持っていた。
「あなたは少し調子に乗りすぎですね。所詮は1生物のくせに。」
「何を言っていやがる。」
「あなたに絶望を教えてあげましょう。」
エリは、セノヴァの胸に触ると、一気に光の光線を打ち出した。
「うわ!…?痛くないぞ?」
「ええ、別にあなたに痛みを与えるつもりではありませんから…」
そして、エリが手を離した瞬間。異変は起こった。
「うお。何だこれは?一気に体が重く…何をしやがった!?」
「それは何ででしょうかね?悪魔にでも聞いてください。」
セノヴァは言われた通り、悪魔に聞いた。
(おい、これは何が起こっているんだ?)
しかし、返事は一向に返ってこなかった。
「まさか…」
「どうでしたか?返事は聞けたでしょうか?」
「お前さっきの光は…」
「まぁ、あなたの中に悪魔が居ればの話ですが…」
エリがさっき行った技は、セノヴァの体の中から、悪魔を出すというものだった。
「アイン様!」
「了解。」
そして、黒いもやのような形をしたものがセノヴァの体から出てきていたので、アインはそれを、封印した。
「殺してしまうと、どっかで転生しちゃうからね。悪魔は殺さずに封印。生き地獄を味わってもらわなきゃ。」
アインが封印といって、転送した場所は、悪魔が適度に死なない程度の神聖な光が常に降り注ぐ世界だった。
「まぁ、そのうち浄化されるでしょ…それより。」
エリによって悪魔が向かれたセノヴァは今、究極のピンチを迎えていた。
「クソ、あいつらをどこに…」
「そんな事言っていていいのですか?」
「は?」
「ここは高度1000m。普通の体に戻ったあなたでは、死んでしまいますよ?」
そういわれたセノヴァは背中に風の力を貯めて飛ぼうとした。しかし…
「何で出来ないんだ!」
この方法は翼が無くっても飛べる方法として悪魔たちに教えてもらっていたものだったが、この方法は膨大な魔力を使うため、結局は悪魔が居ないと使えない技だった。
「それでは………来世は真面目に生きてくださいね。」
エリがそういうと、アインは天使を元の世界に帰し、自分たちも元の世界に帰っていった。
セノヴァの最後は誰にも見られないまま終わったのだった。
20
お気に入りに追加
4,624
あなたにおすすめの小説

チートな嫁たちに囲まれて異世界で暮らしています
もぶぞう
ファンタジー
森でナギサを拾ってくれたのはダークエルフの女性だった。
使命が有る訳でも無い男が強い嫁を増やしながら異世界で暮らす話です(予定)。

最強賢者の最強メイド~主人もメイドもこの世界に敵がいないようです~
津ヶ谷
ファンタジー
綾瀬樹、都内の私立高校に通う高校二年生だった。
ある日、樹は交通事故で命を落としてしまう。
目覚めた樹の前に現れたのは神を名乗る人物だった。
その神により、チートな力を与えられた樹は異世界へと転生することになる。
その世界での樹の功績は認められ、ほんの数ヶ月で最強賢者として名前が広がりつつあった。
そこで、褒美として、王都に拠点となる屋敷をもらい、執事とメイドを派遣してもらうことになるのだが、このメイドも実は元世界最強だったのだ。
これは、世界最強賢者の樹と世界最強メイドのアリアの異世界英雄譚。

間違い転生!!〜神様の加護をたくさん貰っても それでものんびり自由に生きたい〜
舞桜
ファンタジー
「初めまして!私の名前は 沙樹崎 咲子 35歳 自営業 独身です‼︎よろしくお願いします‼︎」
突然 神様の手違いにより死亡扱いになってしまったオタクアラサー女子、
手違いのお詫びにと色々な加護とチートスキルを貰って異世界に転生することに、
だが転生した先でまたもや神様の手違いが‼︎
神々から貰った加護とスキルで“転生チート無双“
瞳は希少なオッドアイで顔は超絶美人、でも性格は・・・
転生したオタクアラサー女子は意外と物知りで有能?
だが、死亡する原因には不可解な点が…
数々の事件が巻き起こる中、神様に貰った加護と前世での知識で乗り越えて、
神々と家族からの溺愛され前世での心の傷を癒していくハートフルなストーリー?
様々な思惑と神様達のやらかしで異世界ライフを楽しく過ごす主人公、
目指すは“のんびり自由な冒険者ライフ‼︎“
そんな主人公は無自覚に色々やらかすお茶目さん♪
*神様達は間違いをちょいちょいやらかします。これから咲子はどうなるのか?のんびりできるといいね!(希望的観測っw)
*投稿周期は基本的には不定期です、3日に1度を目安にやりたいと思いますので生暖かく見守って下さい
*この作品は“小説家になろう“にも掲載しています

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!
仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。
しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。
そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。
一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった!
これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!

同級生の女の子を交通事故から庇って異世界転生したけどその子と会えるようです
砂糖流
ファンタジー
俺は楽しみにしていることがあった。
それはある人と話すことだ。
「おはよう、優翔くん」
「おはよう、涼香さん」
「もしかして昨日も夜更かししてたの? 目の下クマができてるよ?」
「昨日ちょっと寝れなくてさ」
「何かあったら私に相談してね?」
「うん、絶対する」
この時間がずっと続けばいいと思った。
だけどそれが続くことはなかった。
ある日、学校の行き道で彼女を見つける。
見ていると横からトラックが走ってくる。
俺はそれを見た瞬間に走り出した。
大切な人を守れるなら後悔などない。
神から貰った『コピー』のスキルでたくさんの人を救う物語。

(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います
しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。

クラス転移で神様に?
空見 大
ファンタジー
空想の中で自由を謳歌していた少年、晴人は、ある日突然現実と夢の境界を越えたような事態に巻き込まれる。
目覚めると彼は真っ白な空間にいた。
動揺するクラスメイト達、状況を掴めない彼の前に現れたのは「神」を名乗る怪しげな存在。彼はいままさにこのクラス全員が異世界へと送り込まれていると告げる。
神は異世界で生き抜く力を身に付けるため、自分に合った能力を自らの手で選び取れと告げる。クラスメイトが興奮と恐怖の狭間で動き出す中、自分の能力欄に違和感を覚えた晴人は手が進むままに動かすと他の者にはない力が自分の能力獲得欄にある事に気がついた。
龍神、邪神、魔神、妖精神、鍛治神、盗神。
六つの神の称号を手に入れ有頂天になる晴人だったが、クラスメイト達が続々と異世界に向かう中ただ一人取り残される。
神と二人っきりでなんとも言えない感覚を味わっていると、突如として鳴り響いた警告音と共に異世界に転生するという不穏な言葉を耳にする。
気が付けばクラスメイト達が転移してくる10年前の世界に転生した彼は、名前をエルピスに変え異世界で生きていくことになる──これは、夢見る少年が家族と運命の為に戦う物語。

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる