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ハデスの力

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            そして、天使の攻撃を受けたはずのセノヴァはまったくの無傷で立っていた。

(まぁ、これもハデスのおかげだけど…)

(さすがにあの攻撃は渡してあった力だけでは防ぎきれませんから。)

(そうなの?)

(ええ、仮にも我々に特攻を持つ天使の攻撃ですから。)

(それでも、ハデスの力なら無事なのね…最上級悪魔が2体も死んだのに。)

(彼らも死んではいませんよ。)

(え?でも、息してないよ?)

(ああ、体のほうは死んでいますが、中の悪魔たちは攻撃を食らう直前に、元の世界に戻っていきましたから。)

(主を置き去りにして?)

(まぁ、基本的に悪魔は、主のみよりも自分のみを大事にしますから。)

(それなら、何でハデスは出て行かなかったの?出て行かれたら困ったけど…)

(ああ、それは、あの天使レベルの攻撃では私に通用しませんから。まったく痛くないものから逃げる必要なんて無いでしょ?)

(そういうものなの?)

(そういうものなのです。)

(それにしても天使の攻撃を食らわないって事は、ハデスって最強なんじゃない?)

(そんな事ありませんよ。あの天使より数段上の天使だったら攻撃を普通に食らっていましたし。)

(天使って、ランクがあるの?)

(逆になんで無かったと思っていたのですか?まぁ、良いですけど。天使のランクは我々悪魔のランクよりも明白に分かれています。)

(いくつくらい?)

(10ですね。まぁ、1つだけはランクの中に入っていないものがありますけど…)

(1つ?それは何?)

(知らないのですか?あなたの中に居るサタンだって、元々は天使なのですよ?それが例外の堕天使ですね。)

(そうだったんだ。)

(他の9つに関しましては、三つごとに分けられていて、その、三つごとの中も上位中位下位が存在しています。)

(それで、今回の天使は何だったの?)

(今回の天使は力天使ですね。…まぁ、中の中です。)

(そ、そうなんだ。)

(これが上位の天使だったら、傷は負っていましたね。)

(それでも、傷程度なんだ。)

(さすがに、熾天使に出てこられるとまずいですが…まぁ、基本的に、上位の天使は下界に現れませんから。)

(そうなんだ。まぁ、つまりは俺は最強になったの?)

(そうですね。現在この世界の中では最強なのではないでしょうか?)

(ふ~ん。あのアインにも勝てるのか?)

(勝てるでしょう。私はその人を知らないですが、所詮は下界のごみ人間ですから。)

(よし、それじゃあ、攻め込むか。)

(がんばってください。そして、この世界を征服してください。)

(なんかメリットあるの?)

(まぁ、魔界から仲間を呼びやすくなりますね。)

(分かった。それなら、アインを倒すついでに世界征服をやるか。)

こうして、セノヴァはアインに城に向かっていくのだった。
        
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