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side貴族 暴走する国家

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            貴族たちは、その後、アインによって国にしてもらった領地に帰り、側近にそのことを伝えた。

「本当ですか!?ここが一個の国になるなんて。」

「ああ、アイン王は何を考えているのか分からないが、こっちにとっては好都合だ。これを利用しないては無い。」

そして、領の中の町や村にも、国になったこと伝えるように兵に指示を出した。

「よし、ついに俺も国王になったんだ。これで王からの支配がなくなったぞ!」

この貴族は、前々から王による命令や、規則が嫌いであり、いつか大貴族になって王の命令にも反抗できるだけの力を持ってみたいとずっと憧れていたのだった。

「王様。これから何をするのですか?」

「王様。うん。良い響きだ。それよりも、何をするかだって?まずは戦力を上げるぞ。」

「戦力ですか?まさか、戦争でもするのですか?」

「ああ、当たり前だろ?今は領の分の国土しかないが、そのうちに今の国土の10倍以上にする予定だ。」

「そんな簡単にいきますかね?」

「ああ、最初は気をつけなくてはいけないが、そのうち叶うだろ。それに、俺が王になったんだ。この国は良く行くに決まっている。」

この国王は、今までの貴族人生の中で、自分が王になったら、何をやるかなどを考えていたので、自分の政策がうまくいくという根拠の無い自信を持っていたのだ。

「まぁ、我々は王であるあなた様についていくだけだから良いんですけど。」

「ああ、付いてきてくれ。」

「しかし、戦争ですか…いくつか質問をしても良いですか?」

「ああ、良いぞ。」

「それでは、まず、どのくらいの兵力になったら戦争を始める予定なんですか?」

「そうだな。兵の数が10万人を超えたらかな?」

「10万人ですか…現状、2万人くらいしかいないのですが…」

「そこは、兵を募集するに決まっているだろ。それに、もしもあまり兵が集まらなかったら、無理やりにでも、国民を兵にさせる。」

「そんな!そんなことをやったら、国民の反感を買いますよ。」

「大丈夫だろう。名誉ある兵になれるんだ。誰も逆らわないし、むしろ誇りに思うんじゃないか?」

「そんなに簡単にいきますかね?」

「ああ、行く。なぜなら俺が行くって行ってるんだから、行くに決まってんだろ?俺は王だぞ。」

「王だって、何もかもがうまくいくわけではないのですよ。」

「普通の王ならな。だが、俺は完璧な王だ。天も俺に味方してくれるだろう。」

「そうでしょうか…まぁ、このままはなしをしていても埒が空かないので、次の質問をします。どこに攻め込むんですか?」

「そうだな。実は王城に入ったときに聞いたことがあるんだ。」

「何でしょうか?」

「どうやら、ここの大地のほかに、別の大陸があるらしいんだ。」

「別の大陸ですか?そんなのが見つかったんですね。」

「まぁ、それはどうでも良い。本題はこっからだ。他の大陸の国は1つ1つが小さいらしい。」

「何故なんですか?」

「その分、大陸内の国の数が多いらしいんだ。」

「そう言うからくりなんですね。」

「ああ、それで、国が多くて、1個1個が小さいなら、俺たちがいくつかの国に攻め込んでも気疲れなんじゃないか?と思ってな。」

「なるほど。他の大陸の国を支配する訳ですね?」

「そう言うことになるな。」

「しかし、私たちの国には漁用の船しかないですよ。」

「ああ、だから今から作るんだ。」

「今からですか!?一体どれくらいの時間がかかるのやら…」

「安心しろ。こっちも兵と一緒で雇うか命令して作らせるから。」

「なるほど…分かりました。それでは、船が完成して、十分な兵が集まったら、戦争の開始だということですね?」

「ああ、そして、俺らは海外で強くなって、この大陸に戻ってきて、この大陸を支配するぞ。宰相。」

「これから、私は宰相ですか…分かりました。あなたについていきます。」

こうして、アインが作った国による世界征服が始まった。
        
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