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中毒性のある買い物
しおりを挟むこれは、アインによって、観光を許可された、王たちの話である。
「それでは、皆さん。さっき言った通りに…」
「ああ、他の国には干渉しないってことだな?分かっている。」
「それでは行きましょう。」
「「「「おう。」」」」
そして、王たちはばらばらになった。
「もういないですね?」
「………」
「皆さん。もう他の国の王は居ませんから、話して良いですよ。」
「「「ハッ!ありがとうございます。」」」
「皆さんに質問があるのですけど、この街やあの城の中を見て、どう思いましたか?」
「正直に申しますと、兵の数が少ないですね。特に城内では、我々のような各国の王や王に近しいものも来るのに、警備が不十分だと思いました。」
「私もそう思いましたね。それに、現状私たちのことをつけてきている兵もいません。我々がここで暴れるなどのことを考えていないのでしょうか?」
「それに、もしもここで引ったくりが起きた場合、誰が対処するのでしょうか?」
などなど、多くの問題点をこの国の近衛兵たちはあげていった。
「なるほどな。確かにそういう問題があるな。そして、私も城内の警備については聞いてみたんだ。そうするとアイン殿から驚きの答えが返ってきたんだ。皆分かるか?」
「う~ん。分かりませんね。何でしょうか?」
「アイン殿の隣に居た、エリという少女を覚えているか?」
「はい。覚えています。アイン王と親しくしていたことから、婚約者、宰相でしょうか?」
「宰相が正解だな。この国の政治はアイン殿と、エリという少女ともう1人でやっているそうだ。そのもう1人は教えてもらえなかったがな。」
「そうなのですか…しかし、それと警備に何の関係があるのでしょうか?」
「それがな、あのエリという少女1人であの城内に居た全ての兵を倒せるらしい。」
「そんなバカな!?彼女はまだ若い少女ですよ。それに本職が兵でも無い彼女にさすがに全ての国の兵を倒すことなんか不可能です。」
「私もそう思って、アイン殿に聞いたんだ。そしたら…『だったら、今回の観光が終わった後に模擬戦でもやりますか?』って言われたんだ。」
「受けて経ちましょうよ。さすがにそこまで煽られたら、退くわけには行きません。」
「ああ、別に受けても良いが、気をつけるんだぞ。あの目は本当に自信があるっぽいからな。」
「分かりました。」
「それじゃあ、買い物をするか。」
「「「はい。」」」
そして、彼らは買い物を開始した。
そして…
「何だこの剣は!?全部プラチナでできているじゃないか。値段は…1金貨だと!?安すぎる。」
1金貨は約千万円 十分高いが、本来純プラチナ製の剣は持っているだけで、その国は財政が良くなっていくといわれていて、本来は1黒金貨くらいはする商品だ。
「何だと!?この図書かには普通に魔法書が売っているのか!?しかもこれは上級魔法フローズンレインじゃないか。」
フローズンレインとは、上空の空気を急速に下げ、飽和水蒸気量からあふれてできた水を集めて氷にして、雨のように落とすという、工程が多く強い魔法だ。
「上級魔法の魔法書なんてめったに出回らないのに。」
魔法書とは、最後までしっかりと読むと、一番後ろのページにある魔方陣が発動して、読んでいた本に書かれていた魔法が習得できるという本だ。
「こんなに良いものばっかりだったら、もっと金を持ってくるのだった。」
この王が持っているのは、5金貨。これでも旅行と考えれば多いが、この国で見つけた貴重なものを買うのには足りない額だった。
「今後もこの街に来るか…」
こうして、この国の隊長などには、バルバロット王国の武器や魔法書が与えられるようになっていくのは、まだ先のお話…
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