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観光
しおりを挟むその後、皆が昼食を食べ終わったことを確認したアインは、王たちに街を紹介することにした。
「えー、皆さん。今回はせっかくこの国に来てもらったのですから、この国の王都であるこの街を紹介しようと思います。とはいっても、街を見て回ってもらうだけですけどね。」
アインがそういうと、王たちはうれしそうにした。
「おおー、やはり街は見せてもらえるか…良かった。この大陸で最強と歌われているこの国の王とは前から見てみたいと思っていたんだ。」
「確かに…それに、どうやらこの街で売っているものは全て1流品らしいぞ。」
「本当か。それは良かった。今回はアイン殿に少し無理を言って、兵を多めにつれてきておいてよかった。ここで武器を仕入れていこう。」
「なるほど、そういう手があったか。それが分かっていれば私ももっと多くの兵を連れてきていたのに…」
「まぁ、一目見ただけですごいと分かるものもある。それを買っていけば良いんじゃないか?」
「そうだな。そうしよう。」
王たちは、元からこの街を観光できると思っていたらしく、結構な額を持ってきていたらしい。
「それでは、皆さん。城下町に出ますから、着いてきてください。」
そして、アインは王たちを城門まで連れてきて、こう言った。
「これは注意ですが、皆様はこの街ではできるだけ、王として振舞わないでください。」
アインがそういうと、各国々の兵たちが警戒を強めた。
「安心してください。この街で王と名乗ったら、襲われるとかでは無く、この国ではできるだけ市民と王が近い存在でありたいと思っているのですよ。ですから、王だからお金も払わなくて良いということを防ぎたいのです。」
「なるほど、そういうことだったか。それは安心して欲しい。さすがに他国の街で王だから物品をよこせなんていう奴はいないと思うぞ。」
「ありがとうございます。それでは、ここから3時間自由時間にしますので、好きに買い物などをしてください。一部の王にとっては始めての街での買い物なのかもしれませんから、ここで経験を積んで行っても良いですよ。」
アインが、そう言うと、各国の王たちは自分の兵を連れて、綺麗に別方向に分かれていった。
「なんか綺麗に分かれて行ったね。」
「そうですね。まぁ、さっき会場であんな会話がありましたし。」
「エリ?なんか会場で話していたの?」
「私も少し耳に入った程度ですが、どうやら、お互いに見られながら買い物をするのも恥ずかしいだろうと言うことで、皆さんで時間を決めて、かぶらないようにしたらしいですよ。」
「そうなんだ。まぁ、確かに今回買った武器などは、兵に支給されるだろうし、見ていたら視察になってしまうのかもね。」
「まぁ、そこは本人たちでうまくやっていけそうですし、干渉しなくて良いんじゃないですか?」
「そうだね。それじゃあ、3時間後には、この国の中でも重要なところを紹介するから、先にそこに行って下見をしておこうよ。」
「そうですね。行きましょうか。」
そして、2人はこの国でも重要な施設に向かって行ったのだった。
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