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緊急事態発生
しおりを挟むその後、何も無く冒険が進んでいったが、ある問題が発生した。
「あれ?」
「何?」
「あそこにいるのって、エンペラーオークだよね。」
「そうだね。でも、そこまで強く無くない?」
「確かに僕たちにとっては強くないけど、Bランクだし、本来あんなところにいるような魔物じゃないんだよね。」
「確かにそうだね。」
「とりあえず、倒すか。」
そして2人は、エンペラーオークを倒した。
それからも、そこまでは強くないが、本来いないであろう場所にいる魔物が多く発見された。
「ジョセフ。」
アインは静かにジョセフを呼んだ。
「何でしょうか?」
「これから今まで以上に警戒をして。」
「何故でしょうか?」
「本来ここにいないはずのエンペラーオークがいる。これは山の中で何かが起きているからだと思うんだ。」
「確かにそうですね。エンペラーオークは本来もっと山の奥で確認されますから。それよりもアイン様の魔法で正体が分からないのでしょうか?」
「魔法を使うと、他の生徒にばれるかもしれないし、それに、少なくともSランク以上の魔物はいないよ。」
「何故分かるのでしょうか?」
「Sランク以上の魔物にのみ反応する魔力を流しているんだ。これくらい強いと、逆に人間には感知できない魔力になるんだ。」
「そうだったのですか。」
「まぁ、とりあえずはSランク以上の魔物はいないけど、警戒はしていてね。」
「分かりました。」
その後も、ジョセフは警戒を怠らずに、出てきた魔物を生徒たちと戦わせて、生徒たちのサポートをしていった。
そして…
「こ、これは。」
「ついに来たようだね。」
「皆さん。この山から出てください。」
ジョセフは生徒の皆に警告を促した。
「何故ですか?皆が戦闘になれてきて、これからが良い所だって言うのに。」
「それは分かっている。しかし、今山の奥の方から大量の魔物が向かってきている。」
「本当ですか?ジョセフさんが早く仕事を終わりたいだけの良いわけじゃなくって?」
生徒の多くは初めての戦闘で興奮していて、できるだけ早く帰りたくないと思っていたから、時間稼ぎをしようとしていた。
しかし、ジョセフと生徒が言い争っている間にある音がなった。
その音とは大量の足音だった。
「来てしまったか。」
「な、何だよ、この足音は。」
「皆さん、魔物がすぐそこまでやって来ています。早く逃げてください。」
そう言うと、生徒たちはやっと危険性がわかって、一目散に山を下っていった。
「よし、何とか逃がせたか。」
ジョセフはやっと1人になれて安心していた。
「大丈夫かい?ジョセフ。」
「アイン様、あなた様は降りなくて良いのですか?一緒に降りていないと不審に思われたりは?」
「大丈夫だよ。皆パニックで、誰と一緒に降りているかもわかっていないし。」
「そうでしたか。」
「それじゃあ、2人で倒そうか。」
「いいえ、3人よ。」
アインが驚いて振り返ってみると、後ろにキャロラインがいた。
「な、何で君がここにいるの!?」
「私もAランク冒険者なんだから、ここに残って戦わないと。」
「でも、危険だよ。」
「それはアイン君も一緒でしょ。」
「は~。分かったよ。君は言っても納得してくれないね。」
「そうね。」
「それじゃあ、ここでおきたことは絶対に誰にも言ってはいけないよ。」
「それじゃあ、倒すか。」
そして、3人の前には大量のAランクモンスターが迫ってきていた。
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