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力の一部
しおりを挟むあの3人の目は怖かったけど、皆にはおいしそうにご飯を食べてもらえた。
そして…
「皆さんは今日、いつまでいる予定なのですか?」
「そうだな。わしらは今日中に帰らないと王城のものが心配してしまうかもしれんが、娘たちはここに泊まっても隠し通せるだろう。」
「本当ですか?お父様。」
「ああ、私たちもがんばれば、1日くらいなら隠し通せるぞ。」
「待ってください。明日も普通に学校があるのですよ。」
「そんなもの、アイン殿の転移魔法で飛んで行けば良いじゃないか。」
「確かに送れますけど…しかし宿題は大丈夫なのですか?」
「ああ、心配するな。こんなこともあろうかと、今回のバックの中には3人の宿題も持って来てあるのだ。」
「完全にここに泊まらせるつもりだったじゃないですか…」
「そういうことだ。わしらは帰るが、3人はここに泊まっていけるぞ。どうする?」
「お父様、私たちは今日はここに泊まりたいと思います。」
「ということだ。アイン殿、この城に空き部屋は…あるだろうな。」
「まぁ、空き部屋はいくつかありますよ。」
「それでは、そこで良いので泊まらせてやってくれ。」
「いえ、将来の妻を空き部屋になんか泊まらせません。すでに部屋は用意してあります。」
「本当か?」
「はい。まさかこんなに早く使うことになるとは思っていませんでしたが…」
「それはありがたい誤算だな。」
「とにかく部屋はあるので、ご安心ください。」
「それでアイン殿?」
泊まる話が終わった途端に、セシリア公爵が、真剣な声をして、ひとつの質問をしてきた。
「私たち3人は自分の仕事もある故、今日は泊まることができない。なので先に我々3人に対する時間を作って欲しいのだが、いいかい?」
「まぁ、良いですけど。」
「それでは、娘たち3人はどうする?正直これから話す話はつまらないと思うけど。」
「それでしたら、先に今日泊まる部屋を見てきますわ。」
「エリ、3人を案内してあげて。」
「分かりました。」
そして、エリと3人は食卓から出て行った。
「それで、何の質問でしょうか?セシリア公」
「なに、簡単なことさ。君は自分の領地が国になってからはあまり他の国に侵攻していない。なのに、人口はどんどん増え、経済的にもどんどん良くなっていっている。どうしてなのかを聞かせてもらえるかな?」
「ああ、それは単純にここの大陸とは別の大陸を見つけたからですよ。」
「別の大陸だと?」
「ええ。」
「我々は何回か魔法や船によって、調査を行ってきたが、そんなものは見つからなかったぞ。」
「それは単純に距離の問題ですね。普通の魔法や船の届く距離ではなかったので。」
「それでは何故、アイン王は気がついたんだい?」
「それは、企業秘密ですね。」
「そっか、確かにそんな大陸を見つける技術をそう易々と明かす訳がないか。」
「そういうことです。」
「では、二つ質問をさせてくれ。
1つはその大陸でどれほどの力を持っているのか。
2つ目は今、私たちの国に攻め込んだら、どれくらいの確立で勝てる?こっちは正直に答えて欲しい。」
「そうですね。1つ目は地図があったほうが良いので後回しにしますね。
2つ目に関しては100%勝てるでしょう。」
「100%か…」
そういいながら、王は深くため息をはいた。
「別にあなた方の国が弱い訳ではありません。どの国が相手でもこうなります。」
「ちなみに理由を聞いても良いかな?」
「正直、これも秘密にしたいのですが、これは先に言っておきますね。
私にとって、陸、大地、海を消すことは容易なのですよ。たとえそれが国くらい大きくても。」
「大地を消す…か。規模が違うね。」
「なんだったら今、不可侵条約を結んでおきましょうか?どうせ、攻めるつもりは無いですし。」
「そうだな。そっちのほうが安心できる。」
こうして、不可侵を結んでやっと、3人は安心できるようになった。
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