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アイン敗北

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            そして、戦いの時間がやってきた。

「おう、坊主。本当に逃げなかったんだな。ほめてやるぜ。」

「それはまぁ、負けるつもりも無いしね。そういえば、結構見物人が増えたね。」

「まぁな。なんたって俺はあの創焉覇神兵に入っているんだぜ?そんな俺様がこの国営の闘技場を使ってまで戦うんだ。見物人が増えるのは当たり前だろ。」

「そうなんだ。それに、結構良い服を着ている人も多いし。」

「これで俺が勝ったら、このクランに対して依頼を持って来たいんじゃないのか?それに、あの不透明なガラスが見えるか?」

「見えるよ。」

「どうやら今回はこの国の王様まで来ているそうだ。」

「そうなんだ。何でだろう?」

「お前知らないのか?このクランはこの大陸内ではもっとも有名で、もっとも力のあるクランなんだぞ。」

「それでも一々王様って出てくるのかな?」

「王族の考えなんか俺にはわからないが、ここで優秀な成績を収めたら、俺はもしかすると王宮騎士に慣れたりなんかな。」

「まぁ、そんなことは良いから。どんどんと始めようよ。」

「そうだな。ちなみに今回の試合の審判はこの国の上層部がやるそうだ。」

「どうでもいいよ。そんな事。」

そして、拡声器を持った男の人がやってきて…

「試合開始!」

2人の試合は開始された。

しかし、アインはその場をまったく動かなかった。

「何だ?いまさら怖気づいたか?」

そのままドルはアインのことを剣で斬りかかったが、斬りかかった方の剣にひびが入っただけで、アインにはまったくダメージが入っていなかった。

「は?」

「どうしたの?もっと攻撃してくれば?」

「なめやがって!火炎魔法『フレイム』」

そして広範囲に広がった火がアインに向かって飛んでいくが、アインにあたる直前にアインを避けるように火が分裂した。

「どうしたの?僕には当たっていないよ。」

「クソッ!何であたんないんだよ。」

その後もドルは剣で斬りかかったり、魔法を連発していったが、一向にアインには当たらなかった。

「それじゃあ、そろそろ僕の方から行くよ。」

そしてアインは少し強い電気を剣に流しながら、ドルを斬りかかった。

そして、剣がドルに当たると電気によって、気絶してしまった。

「まぁ、今方法って危ないから、少しだけ回復魔法をかけておくか。」

そして、誰から見ても分かる通り、アインの勝利で勝負が決まった。

しかし…

「アイン選手の反則負け。ドル選手の勝利。」

「は?反則?」

「はい。反則です。今の魔法は電撃魔法、この魔法は事前に準備をしていないと発動できない魔法です。事前に魔法を発動しておくことは反則です。」

「そんなことは無いよ。だって、ドル選手と事前に試合前の魔法発動は禁止じゃないって確認したから。」

「そんな約束は審判まで届いてません。なので反則です。」

「ちなみにこのルールは誰が決めたの?」

「我が偉大なる国王様です。」

「なるほどね…」

アインはこの時点で、国による陰謀が思いっきり出ていることが分かった。

「それでは敗戦したアインさんは二度とこの国の創焉覇神兵に入ってはいけません。」

「ちなみに国王様と直接話はできますか?」

「そんなことできる訳が…何?本当か?良かったなアイン選手。王様がガラス越しになら対話してくれる創だ。」

そういうと、今まで半透明だったガラスが、透明になった。

「此度は残念だったな、アインよ。もう少しで勝利だったのにまさか反則負けをしてしまうとは。」

「本当に反則負けなのでしょうか?いつこの約束ができたのでしょうか?」

「それはこの試合が始まる一分前くらいだったかな?」

「なんと!?それではあのクランを贔屓するためにさっき作ったのですか?」

「そんなこというのではない。兵よ。」

王がそういうと、一般客を退出させた。

「これで本当のことを話せるな。そうだ。贔屓だよ。」

「やはりそうでしたか。」

「ここにいる貴族、そこにいるドル、王族、全てが認めた結果だ。これからは今言ったことが法となる。」

「そうでしたか。」

「それで、会話を望んだということはそれ以外にも言いたいことがあるのだろう?言ってみたまえ。」

「それではほんの少しだけ。」

そして今から、アインの逆襲が始まる。
        
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