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理魔法
しおりを挟むそしてアインは闘技場までやってきた。
「結構大きい闘技場なんだね。」
「まぁ、国営だからな。」
「そうなんだ。それにしても見物人が多くない?」
「当たり前だ。俺が所属しているクランはこの大陸中にあって、世界最強のクランとまで言われているんだぞ。そこに所属していて、この国最強である俺が出る戦いを見に来ない訳がないだろ。」
「そうなんだ。それじゃあ、この国のクラン長も来ているのかな?」
「そうだろうな。だって、ここで俺がお前に圧倒的勝利を収めれば、このクランに入る人は増え、クラン長も本部の方に良い報告ができるだろうしな。」
「へ~。それで、今回はどんな内容でやるの?」
「ルールは簡単、俺とお前のタイマン勝負だ。俺が勝ったら、体を鍛えてくるまではこのクランに立ち入り禁止な。」
「分かったよ。それで僕が勝ったら何があるの?」
「坊主、笑わせんなよ。お前がこの俺に勝つなんざ、20年早いんだよ。」
「それでも一応聞いておこうと思ってね。」
「だったらお前が勝ったら、何でも聞いてやるよ。」
「分かったよ。それで、他にはルールは無いの?例えば事前に身体強化をしてはいけないとか。」
「それは無い。なぜならいくらお前が身体強化の魔法を使っても、俺には追いつかないからな。それよりも30分後に戦闘開始だ。準備しておけよ。」
「分かっているよ。ちなみに僕は負けるつもりも無ければ接戦をするつもりも無いからね。あんなクラン早く直さなきゃいけないし。」
「おうおう、勝利宣言ですか。たいそうな自身なこった。」
「ちなみに名前は?」
「ドル、お前を叩き潰す奴の名前だ。覚えておきな。」
そしてドルはそのままどっかに行ってしまった。
「アイン様。今回はずいぶんと強気ですね。まぁ、勝つことは分かっていましたけど、接戦をするつもりも無いとは。」
「まぁね。」
「それで今回はどのような戦い方をするのですか?」
「今回は戦いなんかしないよ。だって、僕は攻撃を受けるつもりはないし。」
「どういうことですか?」
「良い魔法を思いついたんだ。これで、もしも、クラン長よりもメンバーが強くても何とかできるようになると思うし。」
そしてアインは手のひらを空に向けた。
「全魔力開放。世界の理を捻じ曲げる究極なる魔法よ発動したれ。」
そして、アインの手から空に打ち上げられた魔法ははじけとび、一瞬、世界中の空の色が赤に変わった。
しかし、その時間は1秒も無く、気づかない人も多かった。
「アイン様、今の魔法は?」
「世界全体にちょっとした魔法をかけただけだよ。」
「どんな魔法ですか?」
「今のところは僕のクラン限定だけど、階級が下の人が、上の人にまったく攻撃が通用しないって魔法をかけたんだ。」
「なるほど、確かにこれなら部下や、メンバーに問題児がいても、クラン長が対処できますね。」
「それに今回の戦いに関しては、ドルさんは僕のクラン所属だから、トップである僕にはまったく攻撃が通用しなくなるよ。」
「なるほど、確かにこれなら攻撃という攻撃は受けませんね。」
「そういう事、一応少しだけ時間があるし、攻撃力の弱い剣でも作ろうか。」
「そうですね。それにしてもさっきの魔法に名前は無いのですか?」
「無いよ。だって誰も使ったことないし。」
「せめて○○魔法くらいはつけておいた方が良いのではないでしょうか?」
「そうだね。…それじゃあ、普通だけど、理魔法で良いか。」
「そうですね。それでは開催時間まで待ちましょうか。」
そして2人は約30分待つことにしたのだった。
ちなみに今後理魔法が使えるのは、アインとアインの幹部だけだった。
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