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禁断の技
しおりを挟むそして、2人はウォルターのいる付近まで着いた。
「この辺にいるはずだ。」
「はい。今探しています。」
そして、2人が魔法で周辺を探ってみると、もうすでに中に入ってしまっていた。
「もう入ってしまっているようだ!俺たちも入るぞ。」
そして2人はオークの集落の中に入っていった。
そこでは、ウォルターが複数のオークに対して、必死に戦っているが、力と数で負けているため、明らかに劣勢だった。
そして今にも、斬られそうになっていた。
「やばい。普通に行ったら間に合うけど、風圧でウォルター君に怪我をさせちゃう。」
「それではどうするのですか?」
「仕方ない。」
そしてアインは少しだけ近づき、離れた場所から、たった一言だけ発した。
『消えろ』
アインがそういった瞬間に、オークたちは一瞬で、何もかも無くなってしまった。
そう、何もかも…ウォルターとの戦いで出た血が地面に付着していたはずなのに、その血痕すらなくなっていた。
「あ、アイン様。今のは?」
「ああ、これも神の力の一つでね。できるだけ使いたくなかったんだけど、今回の場合はしょうがないから使ったんだ。」
「どんな効果なのですか?」
「これは、僕の発した言葉が現実になるんだよ。これを使いたくなかった理由は、本当に何でも現実化するんだ。もしも僕が、この能力を使いながらオリハルコンが欲しいと言ったら、そこにはオリハルコンの山が出来上がると思うんだ。それに、今見せたように消えろと言ったら、何でも消えちゃうんだ。」
「そんな能力があったんですね。」
「うん。でもこの能力を発動した状態で、なんか変なことをしゃべっちゃったら、それも現実化しちゃうから、できるだけ使いたくなかったんだ。」
「そうだったのですね。」
「とりあえず今は、ウォルター君のところに行こう。」
そして2人はウォルターの元に向かった。
「大丈夫?」
「は、はい。しかし、今のはなんだったのですか?」
「今の?気にしなくて良いよ。」
「しかし、あんなに強力な魔法をDランクの人が使えるとは思えません。」
ウォルターはまだ、魔法に関して詳しくないので、今のを上位魔法だと勘違いしていた。
「確かに僕はDランク冒険者じゃないよ。」
「やっぱりもっと上の人でしたか。それでは何でDランクの依頼を見ていたのですか?」
「まぁ、気分転換に初心に帰ろうかなと思って。」
「そうだったのですか…しかし、今回は本当に助かりました。ありがとうございます。」
「気にしなくて良いよ。それに敬語に戻っているよ。」
「しかし、冒険者として、自分よりもランクの高い人には敬語のほうが良いかなと思いまして。」
「そんなルールは無いから安心して。」
「でも、しばらくは敬語が抜けそうに無いので、これで行かせてください。」
「分かったよ。でも、そのうちお互いに敬語を使わない関係になろうね。」
「はい。」
「それじゃあ、帰ろうか。」
そして3人は街まで帰って、解散をした。
「アイン様。」
「うん。これはまずいね。このまま、実力以上の依頼を受けたら、死者は確実に出るだろうね。」
「対策は?」
「良い案を一個だけ思いついた。それでどうにかしよう。」
そして2人は家に帰っていった
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