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アイン、ついに動く
しおりを挟む最下位の国にて。
「どうなっているのだ?負けてしまったぞ。」
「こ、これは想定外です。国外の国がこんなにも強いなんて…」
「これではわが国はさらに敗北していって、他の国になめられてしまうじゃないか。」
「しかし、これ以上戦争をすることはできません。」
「何故だ?」
「これ以上戦争をしようとすると、兵からも不満が上がってしまいます。」
「それをどうにかするのが宰相たるお前の仕事だろう。」
「できないものはできません。」
「そうだ!それならば他の町の兵をここに集めればいいじゃないか。」
「そ、それはその~」
「何だ?できない何か不都合があるのか?」
「それが今は他の街に他の国の兵がいまして、この王都以外の街は他の国の兵に支配されているも同然なんですよ。」
「何で支配されているのに放置していたんだ?」
「正直に言って、私は王様の居る、この王都だけが繁栄するべきで、他の町はこの王都の引き立て役になるべきだと考えていたのです。」
「それで今、やられているではないか。」
「はい…」
「まぁいい。しかし、負けたままではいかん。」
「分かっています。なので、次はこの王都の食料を集めて、他の街に行き、他の町を取り返して見せたいと思います。」
「しかし、さっきの話を聞く限り、他の町には他の国の兵がいて取り返せないのではないか?」
「そこは今までは兵を分散させていましたが、今回は兵を集中させて取り返したいと思います。」
「分かった。今回はちゃんと成果を残して来いよ。」
「はい。」
そして、宰相は王都の食料を買占め、兵に回していった。
そして、それに気がついた商人たちはもっと先に食料を買占め、国に売ろうと考えた。
~アインサイド~
「今度は僕たちを標的にしたか…」
「何でこの国は偵察をしたりして、相手の実力を測らないのでしょうか?」
「目先の目的に夢中になりすぎて、大切なことを忘れているんじゃないの?」
「そういうものですか?」
「そういうものだよ。」
「しかし、どうしますか?このままだとひとつの街に国の兵が来ますよ。」
「ハイヒューマンがいるから大丈夫だとは思うけど、それでも街に被害が出ちゃうね。」
「戦わずにどうにかなる方法はないのでしょうか?」
「戦わずにか…この光景どっかで聞いたことあるんだよな。」
「国が食料を買い占めることですか?」
「あ、シベリア出兵を見越した米の買占めだ。」
「シベリア出兵ですか?聞いたことないですが…」
「ああ、気にしなくていいよ。それにしてもこれはどうにかなるかも。」
「本当ですか!?」
「うん。このままいけば王都の食料がなくなって行く。そうすれば王都の人たちから不満が上がってくる。」
「つまり他の街と同じようにやっていくんですね。」
「いや、ちょっと違う。さすがに王都は市民だけではどうにかならない。」
「そうですね。国の中心ですから、市民だけではどうにもなりませんね。」
「だから兵も取り込む。」
「兵ですか?でも兵は協力してくれるのでしょうか?」
「たぶん協力してくれる。あの国は宰相の言うことを聞く人だけが昇格できるから、そのことに不満を持っている人は多いんだ。」
「確かにあの宰相なら自分の言うことを聞かない人はどんどん切り捨てそうですね。」
「だから宰相に対して不満を持っている兵に協力してもらうんだ。さすがに僕の兵も連れて行くけどね。」
「分かりました。それでは今この領にいて暇な兵を呼んで起きますね。」
「うん。できるだけ早いほうがいいだろうから今日行くよ。」
「はい。それでは早急に準備します。」
そして魔王さんが出て行った。
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