世界最強の強くてニューゲーム

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戦況

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とりあえず、このように大量の人間を相手に立ちまわることは初めてなので、下級モンスターの陰に隠れながら、確実に人間を殺していった。

(こちらに気づいていないというのもあるかもしれないが、それにしても弱いな。)

もともと、彼がいたのはダンジョンの下の方の階層なので、どこまでやってくる人間というのは、それなりにランクの高い冒険者だった。

しかも、その冒険者たちも、この世界とは違う世界の高ランク冒険者で、そもそも人類全体が元の世界よりも弱くなっている状態で、特に目立たないような人間では、彼を止められないのだ。

(こんなに弱いのなら、下級モンスターに隠れる心配もなかった。)

下級モンスターに関しては、どの世界に行っても、人間より弱いということも分かった。

しかし、中級以上になると、この世界の一般的な兵では、対処ができないことも分かった。

(もしかすると、こちらの世界では中級モンスターが上級と呼ばれているのかもしれないな。)

なぜそう思ったのかというと、兵士たちは、中級のモンスターに関しては、見るだけでビビってしまっていたのだが、上級モンスターに関しては、見てもビビられなかった。

もしかすると、人間で見たうえで静観している者がいなく、まったく情報がない状態なのかもしれない。

(文化のレベルは別に元の世界とは大差がないのに、ここまで戦闘能力に差が出てしまうのはなぜなんだ?)

ダンジョンの幹部の方からは、文化のレベルはそこまで違わないので、もしかすると南側が弱いだけで、北側に関しては、前の世界と同じくらいの力なのかもしれないと教わっていた。

しかし、実際には、この世界全体の人間が弱いことが分かったので、この差が一体何によって生まれたものかはわからない。

(まぁ、それを考えるのは幹部たちがやってくれるか。)

彼も知能を持って生まれてきたが、それでもいわゆる現代日本の一般人とそこまで変わらないくらいの知力だ。

もちろん、見つかっていない法則などはわからないため、日本人のほうが賢いのだろうが、ここで言いたいのは、普通の人が世界がどうやってできているのか考えたところで分かるわけがない。

(それに、この戦闘ももう少しで終わるな。)

最初は完全に下級モンスターがやられていたが、中級上級が、集中的に相手の足元を狙ったおかげで、行動ができなくなった人間をどんどんと下級モンスターが倒して行ってくれている。

そして、大量の人間を倒したことによって下級モンスターたちもだんだんとレベルアップして強くなってきている。

(それにしても、人間国は1人1人は弱かったが、数が多かったな。)

正確には数えていないが、それでも人間は5万以上は確実にいた。

(ほかの戦線は大丈夫だろうか。)

そんなことを考えながら、敵が少なくなってきたので、中級と下級に任せて、どこまで進軍をするのかも考えていくのだった。
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