灰色のエッセイ

板倉恭司

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改ざんされる事実の話

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 先日、トランプさんの暗殺未遂というとんでもない事件が起きました。容疑者のクルックスなる人物は、その場で射殺されたそうです。
 この事件に関する報道を見ていて、ひとつ引っかかる部分がありました。容疑者は、高校の射撃部に入ろうとしていたらしいのですが「射撃が下手すぎて危険だから入部を認められなかった」という報道です。射撃テストをさせたところ、的には一発も当たらなかったとか。

 どこの学校でもそうだと思うのですが、部活動というのは気の合う者同士でやるものです。空気を乱すような者には入って欲しくないですよね。
 ましてや、容疑者はアメリカ人です。アメリカの高校事情に詳しいわけではありませんが、アメリカの高校におけるカーストは日本以上だとか。最下層の生徒を、アメリカではナードと呼ぶそうですが、容疑者はまさにナードだったわけですよね。
 そんなナードが、射撃部に入りたいと言ってきた……部の人間たちは、どう思うでしょうか。「うわ、こんな奴に入って欲しくねえ」というのが本音だったのではないでしょうか。
 そこで部員たちは、テストの際には散々あおったのではないでしょうか。「おいおい、こんなのも当たんねえのかよ」「ダセー奴」という声が飛び交う中でテストを受けさせられたのかもしれません。当然、メンタルはボロボロになり実力も発揮できないですよね。
 あるいは、テストそのものが実施されていない可能性もあります。「お前みたいな奴は入れられない」と言い入部させなかった。が、今になってこんな事態になり「テストを受けさせたが、あまりにひどい成績だったので入部させなかった」という話を、部員で示し合わせて作ったのかもしれません。あくまで私の想像てすが……それ以前に、入部するのにテストが必要というのも私にはわからない部分ですね。



 ケースはちょっと異なりますが……私の知人Aは、かつて罪を犯し刑務所に入っていました。出所後、合気道を習おうとしました。知人の友人であるBが、合気道の道場に通っていたそうです。
 で、AはBに「道場の先生に話しておいてくれ」と言いました。が、しばらくしてBから「先生は、合気道の技を外で使う恐れのある者の入門は許可できないと言った」といわれたそうです。
 道場の責任者でありながら、本人と顔も合わせず、門弟のひとりに言いにくいことを言わせる……これが、武道家のやることでしょうか? 大した先生ですね。




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