灰色のエッセイ

板倉恭司

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シリンジの話

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 それは、とある記事がきっかけでした。

「シリンジでの餌やりをオススメします」

 これを書いたのは獣医さんでして、病気のウサギへの対処法などをアドバイスしていたのですが……記事を見て、無知な私の中にこんな疑問が生じたのです。

「シリンジとは何ぞや?」

 で、さっそく調べてみたところ……シリンジとは、注射器のことでした。一口に注射器といっても、いろんな用途があるようです。機械の隙間の小さな部品にピンポイントで接着剤を注入する。あるいは病気により自力で餌を食べられない動物の口の中に、細かく砕いて液状になった餌を注入する……といった使用方法があるんですね。ちなみに、我々のような一般人が手に入れられるシリンジのほとんどが、針の先が丸くなっているものでして、注射することは出来ません。言うまでもなく、悪用を防ぐためでしょう。
 なるほど、シリンジとはこういうものだったのですね。めでたし、めでたし。

 と、ここで終われば平和な話でしたが……よくよく調べてみると、驚くべきことがわかりました。某大手通販サイトには、尖った針のシリンジも発売されていたのです。当然、人体にも注射可能なものでしょう。これを、どんな人が使うのか……考えるまでもありませんが、それをここで書くと怒られそうなのでやめておきます。




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