灰色のエッセイ

板倉恭司

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仔猫のゲロの話

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 かつて実家には、最大で六匹の猫がいました。パパ猫とママ猫と、その間に生まれた四匹の仔猫です。さすがに飼いきれないので、四匹の仔猫は知り合いの家にもらわれて行きました。
 そのママ猫が、幼かった頃のことの話です。たまに私の足元に歩いてきたかと思うと「オエー」とゲロを吐いてました。私の足の臭さに気分が悪くなり吐いてしまったのかと心配になっておりました。
 ところ釜、最近になって獣医さんに聞いたところ、それは好かれていたからだと言ってました。仔猫は「兄ちゃん、気持ち悪いから何とかして」と言いに来たが、力尽き足に吐いてしまった……ということらしいです。真相を知ると、嬉しいような悲しいような微妙なところですね(笑)。
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